2013年9月14日、臺(tái)灣と香港で爆発的にヒットした臺(tái)灣の青春映畫「あの頃、君を追いかけた」（2011）が公開される。監(jiān)督?腳本は臺(tái)灣の人気作家、ギデンズ?コー（九把刀）。原作は監(jiān)督自身の體験をもとにした同名小説で、1994年から2005年の約10年間、戀に進(jìn)路に悩む男女の青春を描く。

主演のクー?チェンドン（柯震東）はデビューとなった同作で一気に注目を集め、映畫にCM引っ張りだこのシンデレラ?ボーイになった。ヒロインをやはり同作で人気となったミシェル?チェン（陳妍希）が演じている。

舞臺(tái)は臺(tái)灣中西部の地方都市?彰化。同じ高校に通う男女7人が主人公だ。クー?チェンドン演じるコートンは、平々凡々で気楽な男子?！赶楼庭郡耸激蓼?、下ネタに終わる」毎日で、仲間とつるんで馬鹿ばかりしている。逆にミシェル?チェン演じるチアイーは才色兼?zhèn)浃蝺?yōu)等生。コートンたち男子の憧れの的でもある。顔を合わせればけんかばかり、水と油だったはずのコートンとチアイーが、ひょんなことから近付いて交際に発展。それぞれ大學(xué)へ進(jìn)み、離れ離れに暮らす中で、さまざまな出來(lái)事に遭遇する──。

ごく普通の青春映畫にもかかわらず、大ヒットした要因は「観た人それぞれの“あの頃”を思い出させたため」と言われている。教室での馬鹿騒ぎ、遠(yuǎn)距離戀愛でのささいな口論、好きなのにうまく伝わらない思い。制服や教科書、試験にけんか、仲間7人で遊んだ海辺。次から次へと“甘酸っぱい青春アイテム”が登場(chǎng)し、これでもかと観客のノスタルジーを突いてくる。

中でも印象的なのは、コートンの人物造形だ。コートンはなぜか家で全裸で暮らしている。機(jī)に向かう時(shí)も裸、ご飯を食べる時(shí)も裸。父親も全裸でうろうろする不思議な家庭で、夕飯の食卓に座った裸の父と息子に、母が平然とご飯をよそう?！溉悚沁^(guò)ごす」設(shè)定は、コートンを演じるクー自身が思いついたというが、絶妙なアイデア。

そう、クーの魅力は、絶妙な「二枚目半」ぶりなのである。ハンサムといえなくもないけれど、絶世の美男子ではない。どこにでもいそうな男の子。背はそこそこ高くて、要領(lǐng)もそれなりにいい。好きな子に勵(lì)まされたら、頑張ってまずまずの成績(jī)が取れる。くだらないことばかりやっているが、本當(dāng)のダメ男ではない。だから憧れのヒロインにも振り向いてもらえる。

ヒロインを演じるチェンがまたぴったり。臺(tái)灣での彼女の通稱は“オタクの女神”。何でも許し受け入れてくれる、男にとっては夢(mèng)の存在なのだ。優(yōu)等生なのに教科書をうっかり忘れるなど、隙のある描寫も外さない。オタクにも手が屆きそうな、憧れの女神として描かれる。

山あり谷ありの交際を経た二人が、10年後に久しぶりの再會(huì)。そこであっとびっくりの展開を経て、美しいエンディングが用意される。青春映畫のお手本のような締めくくりだ。

監(jiān)督は言う?！敢环违荪ぅ螗趣膝谣恁ぅ?。とにかく僕が気に入った女性でないと、この映畫に『命が宿らない』と思った」。誰(shuí)もが懐かしく、少しほろ苦く思い出す「あの頃」。監(jiān)督自身の憧憬が、絶妙な主演俳優(yōu)2人を得て、青春映畫の佳作に生まれ変わった。國(guó)や場(chǎng)所を問わず、「あの頃」の記憶は少しだけ美化されて、それぞれの心を溫めるのかもしれない。（文/遠(yuǎn)海安）