2013年9月16日、新京報は先日引退を表明した宮崎駿監(jiān)督の後継者について報道した。

【その他の寫真】

宮崎駿監(jiān)督が引退を宣言するたび「宮崎監(jiān)督の後継者は誰か」は熱く語られる話題だ。殘念なことに宮崎監(jiān)督の寵愛を受けていた「耳をすませば」の監(jiān)督である近藤喜文監(jiān)督は、1998年に早世し、「千年女優(yōu)」を作り上げ、アニメ界から賞賛を受けた今敏監(jiān)督も同様に運命の魔の手から逃れることはできず、2010年、この世を去っている。日本のアニメ監(jiān)督を見回すと、優(yōu)秀な人材は多く、しかも様々なテイストが揃っているが、宮崎監(jiān)督が振り上げた日本アニメの大きな旗を受け継げるのは誰だろうか。

高畑勲監(jiān)督（78歳）

代表作：「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成貍合戦ぽんぽこ」

1985年、宮崎駿監(jiān)督とともにスタジオジブリを立ち上げた高畑勲監(jiān)督は、「天空の城ラピュタ」などの有名作品のプロデューサーも務(wù)めている。彼自身が監(jiān)督した「火垂るの墓」は宮崎監(jiān)督の現(xiàn)実主義的なテイストとは異なり、素樸に描かれた戦火の中で頼りあう兄と妹の情感が深く心に染み入る作品だ。また、「おもひでぽろぽろ」も同様に普通の人に照準を合わせ、日常の淡々とした生活に入り込んで細やかに女の子の子ども時代の記憶や生活感を描いている。これに続く「平成貍合戦ぽんぽこ」では奇想天外な想像力を展開し、にぎやかに動物、妖怪、法術(shù)など日本古來の伝統(tǒng)的な文化を結(jié)合させ、人間と自然の微妙な関係を探っている。自らの寫実路線とかけ離れ、同時にクリエイティブに宮崎監(jiān)督のテイストを発揚している。

庵野秀明監(jiān)督（53歳）

代表作：「新世紀エヴァンゲリオン」

若いころ、庵野秀明監(jiān)督は宮崎監(jiān)督の「風の谷のナウシカ」の作畫擔當に応募し、宮崎監(jiān)督から巨神兵のシーンを擔當させられたことがある。この重責に緊張して怯えていた庵野監(jiān)督に、最終的に宮崎監(jiān)督は「描きたければ早く描け、描きたくなければ去れ！」といったという。この謙遜傾向の強い天才は何年かして、世間をあっと言わせた「新世紀エヴァンゲリオン」でアニメ史を塗り替えた。この作品の劇場版上映は「もののけ姫」とバッティングして競いあった?！感率兰oエヴァンゲリオン」は複雑なストーリー構(gòu)想、難解なキャラクター設(shè)定、セリフ、玄妙な世界観のフレームワークで人々の注目を集め、ストーリーデザインはその後に続いたアニメに模倣し続けられている。また、思想的にも世界の終わりを予言したり、神に対する複雑で矛盾した態(tài)度を描いたりなど、これまでになかった深い哲學性が感じられる。

渡辺信一郎監(jiān)督（48歳）

代表作：「マクロスプラス」「カウボーイビバップ」

渡辺信一郎監(jiān)督は、1995年、河森正治と共同で「マクロスプラス」を監(jiān)督し、野心満々なバーチャルアイドル?シャロンの誘惑を使って、人の意志と生存の価値を探求している。精巧な作畫、戦闘シーンは特にきらびやかで、大幅にコンピュータグラフィックスを?qū)毪筏啤g験的な性質(zhì)も持っている作品だ。一般的なアニメ作品に比べ、渡辺信一郎監(jiān)督の映像に対するやり方は複雑で、モンタージュ、コントラスト、超広角などで極めて映畫的なテイストを表現(xiàn)している。彼の「カウボーイビバップ」という作品は、製作時にあまりに冒険的な作品と捉えられ、かなりのプレッシャーがかかったという。映畫の最後のワルツ?フォー?ヴィーナスは、キューブリック監(jiān)督の「2001年宇宙の旅」を思い出させる。2004年、渡辺監(jiān)督は「アニマトリックス」も監(jiān)督をしている。

大友克洋監(jiān)督（59歳）

代表作：「スチームボーイ」「アキラ」

手描きアニメ分野で、彼は手塚治蟲につぐ影響力を持つ。しかもアニメ映畫では宮崎監(jiān)督の後継者という呼び聲も高い。「スチームボーイ」を例にとると、アニメに描かれたロボット世界との戦いのシーンは宮崎監(jiān)督の「ハウルの動く城」を思い出させる。少年が科學技術(shù)を使って戦爭を阻止するやり方や利益ばかりを重視する商人、正義感を失った科學者の父への批判など、どれも宮崎監(jiān)督のアレンジにみえる。大友克洋監(jiān)督のロボットに対する執(zhí)著や愛情は、科學と人類の複雑な関係に対する問いのようだ。このほか、手書きの畫風も宮崎監(jiān)督に相當類似性がある。

湯淺政明監(jiān)督（48歳）

代表作：「マインド?ゲーム」「ケモノヅメ」

「クレヨンしんちゃん」の原畫監(jiān)督の経験を持つ湯淺政明監(jiān)督は、自分の監(jiān)督した作品でこれに類似する?yún)g純なキャラクター設(shè)定やブラックユーモアを展開し続けている。2002年の「マインド?ゲーム」では、天才的なめちゃくちゃな想像をそのままちりばめ、物語の主人公は個人の意志で、天國から死ぬ一瞬前まで戻って再び人生を始めたり、しまいにはわけもわからず鯨の體內(nèi)で変わった暮らしをしたりする。湯淺監(jiān)督の創(chuàng)作の軌跡には、ポストモダニズム（「マインド?ゲーム」）、シンボリズム（「ケモノヅメ」）、シュールレアリズム（「カイバ」）、抽象表現(xiàn)主義（「四畳半神話大系」）など、模索の多様性が見てとれる。つまり、湯淺監(jiān)督の作品のテイストは奇異できらびやか、抵抗できない魅力に満ちている。作品テーマも畫風でも日本アニメ界で獨自の境地を確立している。

押井守監(jiān)督（62歳）

代表作：「攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」

押井守監(jiān)督は、他のアニメ監(jiān)督たちのような作畫の腕はないが、デジタル技術(shù)や映畫化のオーディオビジュアル効果で暗く冷たい未來世界のシーンを作り上げている。更に重要な事に、彼の作品にはいつも深遠な哲學的思考があり、「リアルとバーチャル」、「生命とロボット」、「人間と世界」などの弁証的な問で迫ってくる。代表作である「攻殻機動隊」では暗い未來都市のシーン、科學技術(shù)が高度に発達した時に人間が直面する逃れられない宿命が表現(xiàn)され、シーンには悲しみに満ちた感傷が描かれ、SFの殻をまとって生命の本質(zhì)を探求している。このほか、いつもタッグを組む作曲家の川井憲次も、押井守の世界観構(gòu)築に大きく貢獻している。

新海誠監(jiān)督（40歳）

代表作：「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」

新海誠監(jiān)督の作品は、いつも淡々とした憂いに満ちている。キャラクターの細やかな秘められた情感を描くことがうまく、心の聲のひとりごとがよく使われる。自然の描寫や暮らしぶりなども細かく観察され、想像されている。新海監(jiān)督は自然の描寫を使って意味を伝えたり、感情を作り出したりすることに長けている。例えば「言の葉の庭」という作品では雨のシーンが全體の80%を占めているし、「秒速5センチメートル」という作品には同様に桜、雪、空などが散りばめられている。極めて光と色の使い方に気が使われていて、モヤや夕日、午後の木漏れ日などの豊富なバリエーションを持つ自然光、明かりのデザインも同様にシーンやキャラクターの感情に必要で、様々な変化を見せる。こうしたすべてのモチーフがまとまって映像に視覚的効果を與える。彼の作品の1つ1つのシーンは、壁紙にできるほどだという人もいる。

細田守監(jiān)督（47歳）

代表作：「時をかける少女」「サマーウォーズ」

スタジオジブリから招かれて、「ハウルの動く城」の監(jiān)督をしようとしたことがある細田守監(jiān)督が初めてメガホンをとったのは、「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」で素晴らしい興行成績を上げたが、本當の意味で名聲を得たのは2006年の「時をかける少女」という作品で、口コミではジブリの宮崎吾朗の「ゲド戦記」に勝ったと言われた。2009年の「サマーウォーズ」は観客満足度が96%までになり、「子どもからお年寄りまで楽しめるSF日常アニメ」という評判で、映畫で描かれた大家族は28人の個性にあふれた、様々な年代の家族で構(gòu)成され、溫かで感動的な日常の息吹に満ちている。

宮崎吾朗監(jiān)督（46歳）

代表作：「コクリコ坂から」「ゲド戦記」

宮崎駿監(jiān)督の息子として、宮崎吾朗監(jiān)督は2006年にようやく自分の処女作である「ゲド戦記」を発表した。父親の精神で優(yōu)れた手描きアニメの畫風を受け継いでいる他、ストーリーでは父親の自然環(huán)境保護の概念などの影響も受けているようだ。だが、2011年に発表した「コクリコ坂から」については寛容に受け入れる観客はなく、映像は宮崎監(jiān)督と高畑監(jiān)督の作品を低レベルに合わせたようなもので、畫風も宮崎監(jiān)督のような人目を引き視覚的な要素や想像力にかけ、ストーリーも平坦でゆっくりしていて「おもいでぽろぽろ」を思い出させるが、引き込まれるような敘事的効果もなく、細やかな情感も感じられないものだったとの評価もある。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/EW?編集/內(nèi)山）