トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)と中國(guó)の習(xí)近平國(guó)家主席が12月20日、電話で協(xié)議した。トランプ氏は「巨大な貿(mào)易協(xié)定に関して非常に良い話をした」「中國(guó)はすでに農(nóng)産物など大規(guī)模な購(gòu)入を始めている」などとツイート。中國(guó)國(guó)営新華社通信によると、トランプ氏は米中通商協(xié)議について「第1段階の合意に米中の市場(chǎng)と世界は積極的に反応した。米中や世界にとって良いことだ。早期に署名し実行に移したい」と意欲を見せ、習(xí)氏も「中米と世界の平和、繁栄にとって有益だ」と評(píng)価した。

習(xí)氏は「（過去に）中米が連攜を進(jìn)める中で幾つかの食い違いが生まれた」と指摘?！钢忻踪Q(mào)易の関係を前向きに進(jìn)めて両國(guó)のプラスにつなげよう」と呼びかけた。トランプ氏は「米中でコミュニケーションを密にとり続けたい」と応じた。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)と習(xí)主席は、抗議デモの続く香港や情勢(shì)非核化交渉で強(qiáng)硬姿勢(shì)を強(qiáng)める北朝鮮の問題などについても意見交換した。習(xí)氏は臺(tái)灣、香港、ウイグル、チベットをめぐる米國(guó)の言動(dòng)について「中國(guó)への內(nèi)政干渉であり、信頼と協(xié)力につながらない」と不満を表明。トランプ氏は「我々は意見の異なる問題でも折り合えると信じている」と答えたという。

朝鮮半島情勢(shì)について、習(xí)氏は「各國(guó)が歩み寄り、対話と緩和の流れを維持することが共通利益にかなっている」と述べ、トランプ氏も「進(jìn)展があった」とツイートした。

米中両國(guó)政府は、12月13日、貿(mào)易交渉で「第1段階の合意」に達(dá)したと発表。米國(guó)は15日に中國(guó)製のスマートフォンやノートパソコンなどを?qū)澫螭?5％の関稅を上乗せする「第4弾」の殘り1600億ドル分の発動(dòng)を予定していたが、適用を見送ったほか、9月に発動(dòng)したスマートウオッチなど1200億ドル分の関稅率を15％から7．5％に引き下げた。中國(guó)は米農(nóng)産物の輸入拡大のほか、金融市場(chǎng)の開放や知的財(cái)産権保護(hù)、為替政策の透明化も実行する。

トランプ米政権が対中制裁関稅を一部緩和するのは米中両國(guó)が関稅をかけ合う貿(mào)易戦爭(zhēng)を始めた18年7月以降で初めて。中國(guó)側(cè)も15日に準(zhǔn)備していた報(bào)復(fù)関稅の発動(dòng)を見送った。

中國(guó)政府は13日夜、北京で記者會(huì)見を開き、第1段階の合意は米國(guó)産のトウモロコシなど農(nóng)畜産物の輸入拡大、知的財(cái)産権保護(hù)、技術(shù)移転、金融サービス、為替、紛爭(zhēng)解決など9項(xiàng)目に及ぶと明らかにした。米國(guó)からの輸入拡大額は後日発表するとしているが、トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)によると、年間500億ドル（5兆4千億円）に達(dá)するという。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は13日、「極めて大型の取引が実現(xiàn)した。合意には多くの構(gòu)造改革と、農(nóng)産物やエネルギー、工業(yè)製品の大規(guī)模購(gòu)入などが含まれる」と指摘した。中國(guó)政府は13日記者會(huì)見し、「米中協(xié)議が合意に達(dá)するのは両國(guó)の利益に合致し、國(guó)際社會(huì)の期待に沿うものだ」と強(qiáng)調(diào)した。

トランプ氏が誇示する主張する年間500億ドルの対中農(nóng)産物輸出が実現(xiàn)すればこれまでの最高だった2010年（260億ドル）の実績(jī)を大きく上回り、大豆やトウモロコシ価格が急落し苦境に立たされている米農(nóng)家が息を吹き返す。

米中「部分合意」の背景となったのは、景気失速という両國(guó)共通の懸念だ。米國(guó)は製造業(yè)の景況感指數(shù)が10年ぶりの水準(zhǔn)に悪化した。貿(mào)易不振で米製造業(yè)の業(yè)況がさらにダウンすれば、トランプ氏の再選シナリオが揺らぎかねない事情もあった。製造業(yè)の景況感指數(shù)は4カ月連続で節(jié)目の50を下回り「不況」に沈む。ウィスコンシン州など16年大統(tǒng)領(lǐng)選でトランプ氏が逆転勝利した激戦州では、直近1年間の製造業(yè)の雇用者數(shù)が純減に転じた。設(shè)備投資や輸出もマイナス基調(diào)が続く。國(guó)際通貨基金（IMF）によると、中國(guó)の成長(zhǎng)率見通しは、19年が6．1％に下方修正。18年の6．6％から0．5％減速する。米國(guó)も、19年の成長(zhǎng)率見通しは2．4％と18年の2．9％成長(zhǎng)から0．5％も減速してしまう。

米大統(tǒng)領(lǐng)選を1年以內(nèi)に控えるトランプ氏は「貿(mào)易戦爭(zhēng)の終結(jié)は間近だ」と吹聴するが、焦りの裏返しではないかとの冷ややかな見方もある。一方で中國(guó)は産業(yè)補(bǔ)助金や國(guó)有企業(yè)問題での譲歩には慎重で、米大統(tǒng)領(lǐng)選も見透かし持久戦を展開する構(gòu)え。今回の「休戦」により米中両國(guó)は貿(mào)易戦爭(zhēng)の打開へ一歩踏み出したことになるが、米中問題は、世界経済の大きなリスクとして來年以降もくすぶるシナリオも否定できない。（八牧浩行）