高野悠介 2020年1月22日(水) 21時40分
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中國のネットメディアは「小紅書」の分析に力を入れている。KOLマーケティング、口コミ、越境Eコマース、そのいずれにも大きな影響力を持つ、不思議な複合アプリだからだ。
中國のネットメディアは「小紅書」の分析に力を入れている。KOLマーケティング、口コミ、越境Eコマース、そのいずれにも大きな影響力を持つ、不思議な複合アプリだからだ。さらに消費(fèi)の主役、女性陣から絶大な支持がある。日本旅行中の中國人女性は、必ずこのアプリを開き、情報源として利用している。生きた観光地情報が多數(shù)アップされているからだ。日本は小紅書で、丸裸にされているのである。
つまり企業(yè)にとってもマーケティング上、欠かすことのできない存在だ。さまざまな分析記事の中からいくつか紹介し、2020年の小紅書を展望してみよう。
●小紅書の來歴と現(xiàn)在位置
小紅書は、社區(qū)(コミュニティ)において、海外商品の買い物経験、情報をシェアする活動からスタートした。やがて情報は、観光全般、スポーツ、不動産など広範(fàn)囲に拡大した。これらの情報データを基に2014年、小紅書福利社、というサイトを立ち上げる。小紅書は、豊富な情報から、推奨商品とその最適ルートを提示できた。やがて、これらの利點(diǎn)を活かしつつ、獨(dú)自の越境Eコマースを構(gòu)築していく。最初から口コミとネット通販の複合形態(tài)だったのである。
越境ECプラットフォームとしての業(yè)界シェア(2018年上半期)は、7.3%で第5位に位置している。ユーザーは、女性73.2%、男性26.8%、30歳以下86%。さらに一線級都市(北京、上海、深圳、広州)とそれに次ぐ新一線級都市の住民が54%を占めている。大都市の若い女性という、最も華やかな層から高い支持を得ているのだ。それを物語るデータもある。
化粧品メディアの「聚美麗」は、KOL(Key Opinion Leader)マーケティングの実態(tài)調(diào)査を行った。以下は化粧品會社の思い浮かべるアプリのランキングである。
小紅書…24.1%、Tik Tok…18.3%、Wechat…14.8%、淘寶直播…13.0%、微博…11.9%、B站…7.8%、快手…7.5%、の順となった。
小紅書は、真っ先にイメージする存在なのだ。
●小紅書のアドバンテージ
小紅書のアドバンテージ分析を見てみよう。モバイルオンラインの発達(dá)により、人々の時間は斷片化した。その中で生き、その限られた時間の中で消費(fèi)活動を行っている。斷片化された時間は、ますますコンテンツ消費(fèi)に使われるようになる。以下の4點(diǎn)を挙げている。
1.速やかなブランディング構(gòu)築とその強(qiáng)化が可能。
2.顧客グループの強(qiáng)い購買力。
3.低いコスト。
4.高いコンバージョン(Webサイトにおける最終的な成果)。
従來型の単一化され、ただ推奨するだけの広告では、若者層への理解と訴求は不十分で、、無感動のまま終わってしまう。小紅書の“コンテンツ+ネット通販”モデルは、そうした弱點(diǎn)をカバーしている。コンテンツによって、視覚と情感の“共鳴”する體験を提供することが可能だ。これはさらに多くの共鳴の輪を生む。
●小紅書の運(yùn)営政策
次は小紅書の運(yùn)営にスポットを當(dāng)てた分析である。やはり4つのポイントを挙げている。
1.小紅書は手軽な“本”を目指す。ネット通販を“棚”に例えると小紅書のコンテンツは“本”だ。棚に分け入らなくても、気軽に手にできる??讠偿?、通販、いずれでも十分だ。
2.2019年5月、小紅書はKOLに対し、MCN(Multi-channel Network、動畫投稿者のマネジメント、サポート組織)との契約を必須とした。KOLの質(zhì)を確保するためである。
3.その一方、直接ライブ配信に乗り出した。そこでは厳選されたKOLを使用する。
4.ブランド、KOL、ユーザー、共同でリスクに対処し、互いの収益性を高めていく。
●まとめ
小紅書では、他にも新しい取組みを行っている。2019年1月にはオフライン店舗“REDhome”を開店、3月には、共同購入プラットフォーム“小紅店”と短視頻(ショートビデオ)アプリ“Hey”をスタートした。その一方7月から10月にかけて77日間、小紅書アプリは、ダウンロード不能となった。政府の指摘を受け、有害アカウントを排除していたとみられる。
再開後のユーザー數(shù)は、すぐに元通り回復(fù)し、11月のMAUは1億超え、平均DAUは2500萬である。小紅書にとって2019年は、自主點(diǎn)検の期間だったといえる。整備點(diǎn)検を終えて、リスタートするステージとなった。
すでに日本のB2C企業(yè)や観光地にとって、小紅書での高評価は、収益に直結(jié)する重大事件となって久しい。2020年、小紅書は最も注目されるアプリの座を、維持し続けるだろう。ただし話題の短視頻(ショートビデオ)アプリ「TikTok」や「快手」との爭いは、激化する。
■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上。現(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。
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