上海人の徐（シュー）さんは90年代の初めにアメリカに渡った後、上海に殘してきた夫と離婚して、苦労して二人の子どもたちを育てた。今、息子さんはハワイの壽司店で娘さんは醫(yī)學(xué)部を卒業(yè)後、醫(yī)者になり上海近郊で働いている。10年ほど前に上海に帰った徐さんの今、一番の悩みは娘さんの結(jié)婚。娘さんはまだ働き始めたばかりで彼氏もいないというのに。徐さんは娘さんの結(jié)婚相手には家を持っている男性以外は絶対、認(rèn)めないという。

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「じゃ、娘さんの彼氏が実家は裕福ではないけれど、いい大學(xué)を卒業(yè)し、大企業(yè)で働いているとします。しかも性格もいい。でも、家はない。結(jié)婚は認(rèn)めないんですか？」と聞いてみた?！袱猡沥恧?。家がないから認(rèn)めない。娘が苦労をするのをわかっているから」「でも、大企業(yè)で真面目に働いていたら、いつか家は買えると思いますけど」と私?！溉毡救摔盲迫?、中國(guó)をわかってないわね。上海の家はどんどん高くなるの。今、家がない男はだめなの」と、徐さんはちょっとムッとしたようだった。

その後、屯渓のユースホステルで広州からきた青年にあった。學(xué)生時(shí)代の友人の家に遊びに行く途中、屯渓に泊まった彼は現(xiàn)在、仕事を探し中。思うような仕事がなく、彼女もいるので悩みも深い。中國(guó)の場(chǎng)合、男性は結(jié)婚する時(shí)、絶対、家を準(zhǔn)備しないといけない。その金額はほとんど親が出してくれるとはいえ、仕事が見(jiàn)つからないのは大問(wèn)題だ。

その彼に徐さんの話しをした?！浮郝淙~帰根』って言葉が日本にはないの？徐さんの言うことはわかるよ。中國(guó)人には家が本當(dāng)に重要なんだよ。日本はどうなの？」と広州の青年?！郝淙~帰根』は華僑が故郷に帰るときに使われる言葉でもあるけれど、落葉が根っこに帰るように、中國(guó)人には必ず帰るべき家が必要って意味だろう?！溉毡兢螆?chǎng)合、結(jié)婚してから家を買うのが普通だから、結(jié)婚する時(shí)に男性が家を持っているかは重要じゃないの。親が重視しているのは男性が正社員かどうかよ」と答えた。広州の青年は「日本の親は先進(jìn)的で羨ましいよ」と言う?！溉毡兢斡Hなら、もし20代後半の男性が既に家を持っていたら、きっと親の援助で買ってもらったに違いない。こんな家庭の息子は結(jié)婚後、親がいろいろ口を出してくるから、こんな男と娘を結(jié)婚させたら良くないと思って、逆に女性側(cè)の親によく思われないかもね」と答えた。

中國(guó)の男性は結(jié)婚前に家を準(zhǔn)備しないといけないというプレッシャーが大きい。結(jié)婚前に家を所有していたら、逆に警戒さえる可能性がある日本人の親は、中國(guó)の現(xiàn)実とはあまりにも離れすぎていて中國(guó)人の青年にはどうも納得がいかないようだった。

■筆者プロフィール：浜井幸子（はまい?さちこ）

1966年神戸市生まれ。19才の時(shí)、初めての海外旅行で行った中國(guó)の魅力にはまり、90年代の中國(guó)をバックパック旅行する。その後、中國(guó)やアジアの食を中心に書(shū)くライターとして活動(dòng)中。著書(shū)に「中國(guó)おもしろ商人スクラップ」、「中國(guó)まんぷくスクラップ」など。