28日、関西國際空港から上海浦東國際空港に向かった吉祥航空HO1340便が、中國の領(lǐng)空到達後に行き先を湖北省武漢市へと変更した。29日、中國版ツイッター?微博（ウェイボー）で頭條新聞など複數(shù)の中國メディアが伝えた。

武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が國內(nèi)外で拡大していることを受け、武漢市當局は今月23日に市內(nèi)の鉄道駅や空港を閉鎖。それに伴い一部の航空會社の武漢発著便がキャンセルされ、國外に出ていた武漢市民が帰國手段を失っていた。

吉祥航空は同機の目的地を変更するに當たり、搭乗予定者のうち湖北省以外からの乗客にあらかじめ別の便を手配。そのため、同便は湖北省からの観光客のみとなり、94人の乗客全員が武漢へ戻ることを希望した。機內(nèi)では「當機は武漢へと向かいます。皆さま、おかえりなさい」「今年の春節(jié)は確かに大変ですが、きっと良くなります」などとアナウンスされ、乗客らからは拍手や歓聲が沸き起こった。

中國メディアは「もし湖北省からの乗客が上海から乗り換えて武漢に向かうことになっていれば、上海浦東國際空港で全員が飛行機から降り、入國手続きをしなければならなかった」と説明。「この対応は多方面からの協(xié)力や許可を得て実現(xiàn)したもので、通常時なら起こり得ないことだ」と強調(diào)した。同機は武漢で乗客を降ろした後、上海に戻り消毒が行われた。自ら申し出たという搭乗員ら11人は今後14日間隔離された上で、體調(diào)チェックを受けるという。

28日夜、吉祥航空の微博アカウントが「今日のHO1340便は最も美しき“逆行者”だ！」との一言と共にマスクや保護ゴーグルを裝著した機長や乗組員らの集合寫真を掲載すると、中國のネットユーザーからは「勇敢なクルーたちに敬禮」「これからは吉祥航空を選びます！」「最高に思いやりのある対応に感動」といった稱賛の言葉が寄せられた。

他にも、「日本や中國のその他の都市の人々を守ることにもつながったね」「今や武漢人は武漢の外にいるだけで感染者扱い。武漢に戻るのが最善だった」と高評価する聲が數(shù)多く上がっている。また、日本に滯在中と見られるユーザーからは「私は今、日本からの帰國便がキャンセルされてホテルから動けなくなっている狀態(tài)。私たちだって他の都市の人に迷惑をかけたくない。ただ武漢に向かってくれる便さえあれば」というコメントも寄せられた。（翻訳?編集/巖谷）