2013年10月16日、李克強(qiáng)（リー?カーチアン）首相の乗る特別機(jī)が上げる離陸の轟音とともに、中國新指導(dǎo)部発足後初の政府首脳による東南アジア訪問が幕を開けた。國家主席と首相による相次ぐ東南アジア訪問を通じて、切るべきカードを持ち、カードの切り方にも精通しているという中國外交の新たなイメージを人々は感じ取った。2週間近くの間に、中國は東南アジアで少なくとも4つの有効なカードを切った。コネクティビティ、経済の明るい展望、海上協(xié)力、「親戚同士の縁組」だ。（文：葉海林（イエ?ハイリン）中國社會(huì)科學(xué)院グローバル戦略院國際問題専門家。人民日?qǐng)?bào)海外版コラム「望海樓」掲載）

【その他の寫真】

中國が長年の力の蓄積を経て、近隣國を始め諸外國との関係を処理するにあたり支配できる資源が増え、投入できる力が大きくなっていることは、すでに爭う余地のない事実だ。だが國際関係の駆引きが単なる力の競爭であったことはない。駆引き相手を上回る力を持つだけでは、自國の戦略の順調(diào)な実施を確保するには不十分だ。戦略が思い通りの成果を上げるには、強(qiáng)大な力だけでなく、それ以上に力を高い水準(zhǔn)で使用する必要がある。多くの狀況では、力の使用方法を斷固貫徹する決意も必要だ。この3つのうち1つも欠けてはならない。これも繰り返し検証されてきた事実だ。

中國國家指導(dǎo)者の今回の東南アジアシャトル訪問によって、中國の持つ外交資源が潤沢になってきたことがはっきりと示されただけでなく、東南アジアを始めとする全世界は中國が力の運(yùn)用テクニックに熟達(dá)してきたことを感じ取り、既定の戦略を堅(jiān)持するとの中國の決意が揺るぎなくなっていることを身をもって理解した。

訪問中、中國政府はASEAN全體および個(gè)々の訪問國を?qū)澫螭趣工敫鳐欹佶?分野の協(xié)力枠組みを打ち出した。こうした枠組みはいずれも資金、技術(shù)、市場など力強(qiáng)い現(xiàn)実的基礎(chǔ)を必要とする。長期的成長の確保に関する中國國家主席の約束は、自らの実力に対する中國の自信の表れだ。そしてこの自信は、東南アジア諸國との協(xié)力枠組みを?qū)澫髧钨m同と支持とを得ることによってできた心理的基礎(chǔ)となった。

テクニックは実力を基礎(chǔ)に築かれて初めて意義を持ち、効果を生むことができる。中國の総理はタイでの高速鉄道技術(shù)の売り込みでも、ベトナムでの3つの協(xié)力枠組みの提唱でも、中國の投入できる力を前提にした。だが中國は自らの力を盲信しているわけでは決してない。ましてや、いわゆる金銭外交を推し進(jìn)めてはいない。タイでの高速鉄道技術(shù)の売り込みであれ、ベトナムとの通貨スワップの推進(jìn)であれ、中國の打ち出した協(xié)力枠組みは、自らの力の運(yùn)用熟達(dá)度の高まりを具體的に示すものだ?，F(xiàn)狀に立って、虛利虛名を排し、近隣諸國に貢獻(xiàn)するとともに自らにも恩恵を及ぼす方針を堅(jiān)持する。この運(yùn)用原則は、「金を払って安定を求める」論理パラドクスを避け、対象國の懸念を引き起こすことがなく、一歩一歩進(jìn)めるなかで、共通利益の最大化を図るものだ。力は他國を脅すために用いるものではない。これは太陽が北風(fēng)より歓迎される原因だ。

もちろん、中國は自らの善意が全ての國から友好的なフィードバックを得られると盲信してもいない。スカボロー礁事件以降、中國は一方的な善意によってフィリピンとの関係を緩和する従來のやり方を放棄した。フィリピン指導(dǎo)者に対する中國指導(dǎo)者の加減ある冷淡な姿勢は、フィリピン政府が騒ぎ立てたからといって戦術(shù)を変える考えが中國にないことを物語っている。原則を堅(jiān)持する。たとえそれによって、時(shí)としていくつかの近隣國が騒いだとしても少しも惜しくはない。実際には、まさにこうした原則の堅(jiān)持によって、中國の善意のもたらす良い結(jié)果を、近隣諸國はより容易に感じとるようになるのだ。

東南アジアで、中國はセットのカードを切った。人々はバリ島で、カード全體を通して南シナ海の大局を描き出す中國の気迫を目にした。タイで、中國指導(dǎo)者がタイとの友情を肉親の情のように大切にしていることを感じ取った。ベトナムで、金融カードとインフラカードによって協(xié)力を拡大し共栄を促進(jìn)する中國の誠意を身をもって感じ取った。そして広大な南シナ海で、トンキン灣區(qū)域協(xié)力によって「係爭棚上げ、共同開発」を?qū)g踐する中國の知恵を理解した。そしてこうした全てのカードが組み合わさって合力を形成できたのは、まさにそれらの間に內(nèi)在的な論理関係が存在するためである。つまり原則の堅(jiān)持を基礎(chǔ)に自らの優(yōu)勢な力を柔軟に運(yùn)用し、力、テクニック、決意の均衡を達(dá)成し、中國との協(xié)力?ウィンウィンによる効果と対立継続による代償についての周辺國の見積もりを保証すると同時(shí)に効果を生んだのだ。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/ NA?編集/武藤）