「3カ月行かないと別の國(guó)！」とまで言われ、激しく変貌する中國(guó)。一衣帯水の隣國(guó)。漢字や文化?風(fēng)習(xí)などを通じ日本と深い関わりがあり、昨年1000萬(wàn)人近い中國(guó)人が訪日した。にもかかわらず、中國(guó)人の真の姿や考え方は今一つ分かりにくい。中國(guó)人たちは日本の何に戸惑い、何に感激するのか。日中の異文化ギャップが多くのエピソードから浮き彫りになる。

90項(xiàng)目にわたる目次タイトルを読むだけでも興味をそそる?！溉毡兢胃呒?jí)接待、この料理だけは勘弁してほしい」「冬、子どもに半ズボンを履かせるのは虐待では」「わが社の始業(yè)時(shí)間がわからない」「テレビの中國(guó)特集、謎のテーマ曲の正體は」「日本の電車は、中國(guó)人にとって感動(dòng)の寶庫(kù)」「贈(zèng)り物をしたらなぜすぐに“お返し”するのか」「なぜ中國(guó)人は大阪派なのか」「飲み會(huì)で豹変する上司」……。

中國(guó)人にとって、日本や日本人の習(xí)慣、行動(dòng)様式は謎だらけ。食べ物、働き方、人付き合い、社會(huì)……など、何がどのように不思議に思われるのか。中國(guó)人には異様に映る日本人の「あたりまえ」の數(shù)々に、思わず吹き出す日本の読者も多いだろう。

本書(shū)は、中國(guó)を留學(xué)や仕事を通じて30年以上ウォッチしてきたジャーナリストが、多くの中國(guó)人から話を聞き、本音を分析した力作。日本人が普段気づかない、本當(dāng)の日本の姿も浮かび上がる。評(píng)者は中國(guó)庶民と觸れ合う機(jī)會(huì)が度々あるが、日本で流布されるステレオタイプ的な「舊來(lái)の中國(guó)人論」に辟易することが多い。著者の一連の著作と同じく現(xiàn)場(chǎng)主義が貫かれ、実體験に基づいた新鮮な切り口に共感した。

日本での中國(guó)ニュースと言えば、共産黨政権の動(dòng)向や経済狀況について報(bào)じられ、最近では新型コロナウィルス肺炎の脅威が取り沙汰されるが、個(gè)々の中國(guó)人の生活実態(tài)や日本に対する思いなどについて、報(bào)道される機(jī)會(huì)は少ない。この結(jié)果「多くの日本人が持つ中國(guó)、あるいは中國(guó)人のイメージは（舊來(lái)と）大きくは変わっていない」と著者は疑問(wèn)を投げかける。

「社會(huì)の成熟化が進(jìn)む中國(guó)では、日本について、科學(xué)技術(shù)だけでなく、社會(huì)や文化、蕓術(shù)、行政、教育、醫(yī)療?福祉など様々な面に対する興味や関心が猛烈な勢(shì)いで高まっている」と指摘?！溉毡救摔现袊?guó)のキャッシュレスやIT分野などに関心を持つ人が多く、ビジネスと言う観點(diǎn)では従來(lái)になかった展開(kāi)が今後ますます増えていくだろう」と見(jiàn)る。

中國(guó)ではスマホ人口が10億人以上に達(dá)し、ウイチャットなどのSNSが大きな影響を及ぼしている。中國(guó)庶民の日本への“思い入れ”も伝わってくる?！钢袊?guó)人は縁を非常に大切にするが、縁とは國(guó)境を超え、人種を超えてつながっていくものだと思う。広い地球の中では、日本人も中國(guó)人も、関係ない」との呼びかけも説得力がある。

著者によると、中國(guó)人の多くは自分の國(guó)で起きていることは、スマホの発達(dá)で意外によく知っている。中國(guó)の庶民たちと本音ベースのコミュニケーションを長(zhǎng)年築いて來(lái)た著者ならではの分析だろう。

著者の中國(guó)現(xiàn)地ルポ?シリーズには、『中國(guó)人エリートは日本人をこう見(jiàn)る』『中國(guó)人の誤解 日本人の誤解』『なぜ中國(guó)人は財(cái)布を持たないか』『日本の「中國(guó)人」社會(huì)』『なぜ中國(guó)人は日本のトイレの虜になるのか？』（日本経済新聞出版社）、『中國(guó)人エリートは中國(guó)をめざす』（中公新書(shū)）、『「爆買(mǎi)い」後、彼らはどこに向かうのか』（プレジデント社）などがあり、広く読まれている。これら著作と同様、本書(shū)も、日中の政治體制は異なっても、受験や就職、結(jié)婚、介護(hù)に悩む市井の人々は同じという考え方が“通奏低音”になっている。分析は冷靜だが、庶民に対する眼差し（まなざし）は溫かい。（評(píng)者＝Record China主筆?八牧浩行）

＜中島恵著『中國(guó)人は見(jiàn)ている?！唬ㄈ战Uプレミアシリーズ、850円＝稅別）