フィリピン政府は11日、同國內(nèi)での米兵の法的地位を定めた「訪問米軍に関する地位協(xié)定」の破棄を在比米大使館に通知した、と発表した。さらに新型コロナウイルスによる肺炎（COVID-19）の感染防止策として、「一つの中國」を理由に臺(tái)灣人の入國を禁止した。フィリピンは「反米親中」に舵（かじ）を切ったのか。

地位協(xié)定の破棄は、警察長官在任中に強(qiáng)権的な麻薬犯罪対策を指揮したデラロサ上院議員の入國ビザ発給を米國が拒否したのが理由。デラロサ上院議員はドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)と近く、大統(tǒng)領(lǐng)が対抗措置として破棄手続きの著手を指示していた。大統(tǒng)領(lǐng)府報(bào)道官によると、協(xié)定は通知の受領(lǐng)から180日後に失効する。

地位協(xié)定は1998年に締結(jié)された。米比両國による合同軍事演習(xí)の根拠となっているほか、有事における米軍の迅速な援助を可能としている。一方、殺人や性犯罪の容疑者となった米兵の拘束を比側(cè)が拒否された事件があり、「不平等だ」と批判されていた。両國が締結(jié)している相互防衛(wèi)條約や防衛(wèi)協(xié)力強(qiáng)化協(xié)定は存続するため、直ちに安全保障に影響するわけではないが、両國関係に亀裂が入った形だ。

米國はフィリピンとの合同軍事演習(xí)などを通じて、南シナ海の広範(fàn)な領(lǐng)有権を主張して著々と軍事拠點(diǎn)化を進(jìn)めてきた中國をけん制していた。ドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)は前任のアキノ大統(tǒng)領(lǐng)に比べて親中姿勢が目立つ。地位協(xié)定の失効が現(xiàn)実となれば、南シナ海をめぐる米中の勢力図にも影響しそうだ。

一方、臺(tái)灣?中央通信社によると、フィリピンの航空當(dāng)局は10日夜、COVID-19に関して、中國全土からの外國人に対して実施している入國禁止措置の対象地域に臺(tái)灣を含める、と発表した?！敢护膜沃袊撙嘶扭猡巍工日h明したという。

フィリピン政府は2日、中國、香港、マカオから訪れる外國人について、永住権を持つ人を除き、入國を禁止すると発表。10日夜に発表した資料で、対象に「臺(tái)灣を含める」と明記された。

入國禁止が発表される前にすでに出発していた旅客機(jī)もあり、フィリピンに到著した臺(tái)灣人が入國できない事態(tài)も発生した。大使館に當(dāng)たる中華民國駐比代表処の擔(dān)當(dāng)者は取材に、臺(tái)灣人約150人がセブ、カリボ、マニラの各空港で入國拒否されたと明らかにした。

これに対し、臺(tái)灣外交部は「臺(tái)灣は斷じて中國の一部ではなく、COVID-19も獨(dú)自に防疫を行っている」と強(qiáng)く反発。外交部の歐江安報(bào)道官は11日、「一方的な決定を改めるようフィリピン側(cè)と意思疎通を行っていく」と述べた。（編集/日向）