2013年10月23日、早稲田大學(xué)が、中國籍の晏英（イエン?イン）氏が提出した論文から盜用とみられる個所が數(shù)多く発見されたとして、同氏に授與していた博士學(xué)位を取り消すと発表した問題で、神田外語大學(xué)?アジア言語學(xué)科の小菅伸彥教授は、「早稲田大學(xué)の決定は不當(dāng)なものである」と主張している。以下はその內(nèi)容。

【その他の寫真】

晏英氏の學(xué)位剝奪に関する早稲田大學(xué)の決定は、以下の點(diǎn)で極めて均衡を欠いた不當(dāng)なものである。

1．問題とされた多くの點(diǎn)は引用方法が不適切であったということであり、日本と異なる中國の論文の習(xí)慣から生じたもので、盜作とすべきものではない。早稲田大學(xué)の學(xué)位はグローバル標(biāo)準(zhǔn)でなければならないということは當(dāng)然であるが、研究の過程、論文作成?執(zhí)筆の際に十分な指導(dǎo)が行われなかったという早稲田大學(xué)側(cè)の過失を考慮すれば、改めて指導(dǎo)したうえで論文修正を求めるべきものである。

2．學(xué)位剝奪?公表という最も厳しい処分を決定する一方で、早大側(cè)の責(zé)任、関係者の処分に関して全く觸れていない點(diǎn)で著しく均衡を欠いた不公平な決定である。仮にこのような処分がこのまま強(qiáng)行されるなら、指導(dǎo)教員、審査擔(dān)當(dāng)教員に対し免職を含む相當(dāng)の処分、晏英氏への授業(yè)料返還、逸失勤労所得支払い、慰謝料支払いなどの決定も行われなければならない。あくまで盜作（決定分にはこの文言は使われていないが）という判斷に基づく決定を保持するのならば、最近の理工系研究機(jī)関でのデータねつ造などの例に準(zhǔn)じた大學(xué)関係者の処分が行われなければならない。中國人留學(xué)生を多數(shù)受け入れている早稲田大學(xué)には、教育?研究指導(dǎo)に當(dāng)たって中國という異なる國?社會への十分な理解が求められるが、晏英氏への指導(dǎo)に當(dāng)たっては、異文化理解がまったく欠落していた。國際レベルの一流大學(xué)を自認(rèn)する早稲田大學(xué)としてきわめて恥ずべきことであるが、決定文からはそうした自覚、反省が全くうかがわれない。早稲田大學(xué)側(cè)の過失に加え、こうした低レベルの意識に基づいた決定であるという點(diǎn)でも、この結(jié)果は不當(dāng)である。

3．晏英氏が早稲田大學(xué)在學(xué)中に指導(dǎo)を受け、あるいは何らかの形で知己を受けた教員に相談したことについて、「相談に応じた教員の背任になる」とした事務(wù)局幹部のメールは、大學(xué)教員の研究?教育の自由に関する最小限の理解を欠いたものである。研究指導(dǎo)その他、何らかの形で晏英氏に教育的影響を及ぼした教員?研究者が、その後も晏英氏の相談に応じ指導(dǎo)するのは、教員?研究者にとって良心的義務(wù)といえる。これを背任にあたるとする事務(wù)局幹部の主張は高等教育に関する理解を全く欠いている。このことからは教員管理に関する権力的志向が強(qiáng)くうかがわれる。晏英氏の學(xué)位剝奪の決定もこうした學(xué)內(nèi)権力の影響下で行われた疑いが濃厚であり、この點(diǎn)からもこの決定は不當(dāng)である。

4．事務(wù)局幹部のメール、學(xué)位剝奪の決定文からは、上記のように早稲田大學(xué)側(cè)の過失への自覚が全くうかがわれないばかりでなく、晏英氏への恫喝的姿勢が強(qiáng)く感じられる。日本社會の中では弱者であるアジア系留學(xué)生の立場、司法的な手段に訴える場合にも経済的な負(fù)擔(dān)が日本人の場合よりも困難であるという相手の足元を見透かした意識、すなわちアジア系外國人差別、中國人差別の意識が強(qiáng)くうかがわれる。この點(diǎn)からもこの決定は極めて不當(dāng)である。

以上の諸點(diǎn)から、この決定は早稲田大學(xué)が一流の教育研究機(jī)関であるという通念に大きな疑問を抱かせるものである。早稲田大學(xué)は不當(dāng)な決定を撤回し、晏英氏との話し合いに応じ、いったん授與した學(xué)位は保持したままで、論文の修正?再提出を求める新たな決定を速やかにすべきである。（編集/北田）