工藤 和直 2020年3月6日(金) 23時(shí)40分
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朝鮮半島の経済の特徴として19世紀(jì)末までの長い期間、主として綿布や穀物が貨幣として物との交換手段に使われていた。
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朝鮮半島の経済の特徴として19世紀(jì)末までの長い期間、主として綿布や穀物が貨幣として物との交換手段に使われていた(自然経済)。高麗王朝時(shí)代(西暦991~1392年)に中國貨幣を模して鋳造を試み、西暦996年に「乾元重寶」を西暦998年に「開元通寶」が朝鮮王朝で初めて鋳造された(寫真1)。その後、西暦1097年には鋳銭司を設(shè)置、西暦1102年に高麗王朝獨(dú)自の海東重寶?海東通寶?東國重寶?東國通寶?三韓重寶?三韓通寶の6種を鋳造発行したが、貨幣経済を大きく変えるまでには至らなかった。これらは、朝鮮史上最初の金屬貨幣であった(寫真2)。
【その他の寫真】
綿布や穀物は金屬と違い経年劣化があり、またその年の豊作不作などで流通量が変化し、貨幣としては向かないと分かっていても、青銅器の貨幣を流通させようと試みた高麗王朝やその後の李氏による朝鮮王朝時(shí)代も何と1000年間近く、綿布を貨幣に代えて使う自然経済が続けられた。布に至っては同じく誰もが作れる物で、その粗悪品によって市場経済はことある度に破綻を続けた。
日本においては奈良時(shí)代、中國唐の開元通寶を模した皇朝12銭最初の「和同開珎」などを流通させたが、最終的には貨幣制度として不十分であったがため、中國貨幣を輸入代替え採用する方式(渡來銭)で國內(nèi)貨幣制度を整えた。朝鮮王朝は政府としても統(tǒng)制機(jī)能が特に地方で不十分(農(nóng)業(yè)経済が主流)であったが為に、王朝の混亂を招いたともいえる。國家の存亡は現(xiàn)在もそうであるが、秦始皇帝の時(shí)代から貨幣経済の安定が重要である。昨今の中南米の國家破綻の原因は、政治問題(経済破綻)から來る貨幣経済の破綻(インフレによる紙幣価値の暴落)であるのは、周知の事象である。
室町幕府の西暦1375年以降、江戸幕府時(shí)代も將軍が変わる都度來訪した「朝鮮通信使」ですら、日本國內(nèi)至る所で渡來銭や寛永通寶による貨幣経済が発達(dá)していることに驚いたと記録がある。それくらい朝鮮國では銅貨幣が使われていなかった。朝鮮王朝で中國製渡來銭を採用しなかった理由として當(dāng)時(shí)の明?清が陸続きであったこともあろう。島國の日本は、貨幣の輸入には莫大な費(fèi)用が掛かるが、陸路で運(yùn)べる朝鮮王朝では中國製粗悪品(偽金)が流通して経済破綻が起こるのが予想されたからであろう。
高麗時(shí)代の後、李氏による朝鮮王朝が西暦1392年から始まるが、依然として市場経済は綿布(布貨)による自然経済であった。その後西暦1410年頃には楮(こうぞ)の紙で作成された紙幣(楮貨と呼ばれる)を発行したが、インフレを招き長続きはしなかった。朝鮮王朝は1425年に銅貨「朝鮮通寶」の発行を試み貨幣価値を定めたが、その設(shè)定基準(zhǔn)に問題がありまた長続きしなかった。その後、再び布貨(綿布)が経済の主流となったが毎度のインフレを制御できず、西暦1633年にはその後250年間鋳造を続けた「常平通寶」を朝鮮王朝の主流通貨(江戸幕府で言えば寛永通寶)として発行したが、朝鮮王朝が終わる1910年まで地方の貨幣はやはり“綿布”であった。朝鮮王朝危機(jī)の例として西暦1866年大院君による「常平通寶」改鋳があるが、かえってインフレを招いてしまった(寫真3)。
高麗(コリョ:Koryo)時(shí)代の優(yōu)れた文明として金屬活字印刷と高麗青磁があげられるが、青磁はヨーロッパでは「Korea」として非常に珍重され、現(xiàn)在英文で韓國?北朝鮮を“KOREA”と稱するのは、約1000年前の名“Koryo”が語源となる。
■筆者プロフィール:工藤 和直
1953年、宮崎市生まれ。1977年九州大學(xué)大學(xué)院工學(xué)研究科修了。韓國で電子技術(shù)を教えていたことが認(rèn)められ、2001年2月、韓國電子産業(yè)振興會(huì)より電子産業(yè)大賞受賞。2004年1月より中國江蘇省蘇州市で蘇州住電裝有限公司董事総経理として新會(huì)社を立上げ、2008年からは住友電裝株式會(huì)社執(zhí)行役員兼務(wù)。2013年には蘇州日商倶楽部(商工會(huì))會(huì)長として、蘇州市ある日系2500社、約1萬人の邦人と共に、日中友好にも貢獻(xiàn)してきた。2015年からは最高顧問として中國関係會(huì)社を指導(dǎo)する傍ら、現(xiàn)在も中國関係會(huì)社で駐在13年半の経験を生かして活躍中。中國や日本で「チャイナリスク下でのビジネスの進(jìn)め方」など多方面で講演會(huì)を行い、「蘇州たより」「蘇州たより2」などの著作がある。
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