中國(guó)人は金融リテラシーが高い。足りなければ借り、余れば貸す。お金はダイナミックに動(dòng)かすもので、日本人のように無(wú)利息の定期預(yù)金に塩漬け、などありえない。実業(yè)で成功して金融に乗り出す、というのは事業(yè)家の王道であり、中國(guó)人のよく使う言葉でいえば“昇級(jí)”である。金融商品に対する情報(bào)収集力には目をみはる。

■ユニコーン企業(yè)ランキング

近日、國(guó)內(nèi)調(diào)査機(jī)関の艾媒咨詢(xún)は「2020中國(guó)獨(dú)角獣（ユニコーン）榜単TOP100」を発表した。そのうちの10社が金融テック企業(yè)というのは、いかにも中國(guó)らしい。ユニコーン企業(yè)とは、企業(yè)価値10億ドル以上、未上場(chǎng)、設(shè)立10年以?xún)?nèi)のテック企業(yè)を指す。各業(yè)界のイノベーターとして、元?dú)荬い盲绚い纹髽I(yè)ばかりだ。金融はトップ10に、3社プラス1社（仮想通貨）送り込んでいる。全體順位、本社所在地、企業(yè)価値は次の通り。

1位 螞蟻金服（アント?フィナンシャル） 杭州 2000億ドル

4位 陸金所 上海 750億ドル

8位 微衆(zhòng)銀行（Webannk） 深セン 220億ドル

9位 比特大陸（Bitmain) 北京 140億ドル

この4社の最新トピックを分析することで、新型肺炎終息後の中國(guó)金融界を見(jiàn)通したい。

■螞蟻金服（アント?フィナンシャル）

アリババの金融子會(huì)社。ネット通販の資金プールから発展。スーパーアプリ「支付寶」を運(yùn)営している。MMF「余額寶」、小口金融商品「花唄」「借唄」、信用スコア「芝麻信用」、ネットバンク「網(wǎng)商銀行」などの金融事業(yè)に幅広く関與、グループの投資戦略も擔(dān)う。

3月上旬、螞蟻金服は2019年の中小企業(yè)顧客數(shù)1656萬(wàn)戸、前年比80％増、貸出殘高1兆7000萬(wàn)元（25兆8000億円）前年比72％増だったと発表した。

また新型肺炎に伴い、中小企業(yè)に対し、支付寶と網(wǎng)商銀行は、それぞれ500億元、200億元の信用サポートを行う。2020年の中小、個(gè)人企業(yè)に対する貸出し目標(biāo)は2兆元、金融だけでなく、彼らのデジタル化をサポートする。

■陸金所

中國(guó)平安系、國(guó)務(wù)院の承認(rèn)を受けた、投資?資産管理プラットフォーム。2012年設(shè)立。中小企業(yè)や個(gè)人顧客向けに、投融資サービスを提供、資産価値の増加を目指す。インターネット技術(shù)を用いて、金融業(yè)のイノベーション、新規(guī)商品開(kāi)発に努めてきた。登録ユーザー數(shù)は4421萬(wàn)人。理財(cái)（運(yùn)用）商品の利率は2．4％から、12カ月以上7％とかなり高め。あらゆる金融資産と運(yùn)用狀況を考慮し、普通からダイヤモンドまで會(huì)員のクラス分けが決まる。「上海壹賬通」と並ぶ平安グループの“両雄”とされ、無(wú)數(shù)にある中國(guó)金融會(huì)社のトップに君臨。

■微衆(zhòng)銀行（We Bank)

中國(guó)初のネットバンク。2015年1月業(yè)務(wù)開(kāi)始、テンセント系。主力商品「微粒貸」は、QQやWechatから簡(jiǎn)単にアクセス、無(wú)擔(dān)保、頭金なし、姓名と身分証ナンバーだけで500～20萬(wàn)元までの融資が可能。事実上アント?フィナンシャル「花唄」の対抗商品となっている。

物流の「匯通天下」、內(nèi)裝の「土巴兔」中古車(chē)販売の「優(yōu)信二手車(chē)」等、新しいオンラインプラットフォームの開(kāi)発にも攜わるなど意欲的だ。

2018年決算で、ユーザー數(shù)1億超え、利益25億元を計(jì)上した。格式上場(chǎng)は目前という噂。新型肺炎の防疫に1000萬(wàn)元の寄付を行った。

■比特大陸（Bitmain)

中國(guó)人の仮想通貨への関心は高く、2017年9月、政府により実質(zhì)禁止されるまで、富裕層の話題をさらっていた。中國(guó)政府のスタンスは、仮想通貨の取引はだめだが、ブロックチェーン技術(shù)の研究は大いに奨勵(lì)、というものだ。そして近未來(lái)、デジタル人民元を発行し、仮想通貨の主導(dǎo)権を握りたい。

比特大陸は2013年の設(shè)立以來(lái)、こうした中國(guó)政府の思惑にとらわれず、成長(zhǎng)を続けてきた。中國(guó)では、高速、低電力のICチップ設(shè)計(jì)開(kāi)発會(huì)社とされている。しかしその主製品は、ビットコインのマイニング機(jī)械に使うASCIというICチップである。比特大陸は、ICチップ、マイニング機(jī)の製造販売と、自らマイニングも行い、そのいずれも世界一である。昨年9月に、最新のマイニング機(jī)を発売。そのうちの1つAntminner T17型は32萬(wàn)7000円（楽天）で買(mǎi)える。

■まとめ

これら紹介したユニコーン4社は、いずれも日本にはないタイプの會(huì)社ばかりだ。日本の金融界は、低金利に守られ、すっかりふやけてしまった。システム開(kāi)発においても全く停滯している。中國(guó)の金融界は、猛烈にデジタル化を進(jìn)め、新型肺炎によりさらに加速した。それは、デジタル人民元発行の準(zhǔn)備が進(jìn)んでいる、ということでもある。日本は、また置いてけぼりを食うのだろうか。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上。現(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書(shū)：2001年「繊維王國(guó)上海」東京図書(shū)出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書(shū)出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。