2013年11月7日、日本人からコンテンツ海賊と叫ばれて久しい中國。今年を代表する「進(jìn)撃の巨人」や「マギ」等日本では誰もが知っているアニメ作品を日本のテレビが見られない中國人が知っているのは一體どういう事だろう。

【その他の寫真】

今回は中國青少年の日本アニメ享受の流れを簡単に振り返り、中國で今どのように日本アニメが消費(fèi)されているかを簡単に紹介してみる。

中國のテレビ局で放映された最初の日本アニメは「鉄腕アトム」だったようだ。放送されたのは1980年、日本のNHKに相當(dāng)するCCTVで鉄腕アトム1963年白黒版が放映された。その後香港から輸入されたと思われる「一休さん」等の日本のアニメが香港に近い広東や福建、上海等中國各地のテレビ局で放送されたと言われている。

1990年代、中國では経済発展と共にテレビ、VHSやDVDプレイヤー等の電気機(jī)器が普及する。同時(shí)期臺(tái)灣、香港では海賊版CD、DVDが大量に発売されていた。臺(tái)灣、香港の海賊版製造者が公的機(jī)関やコンテンツホルダーの取り締まりを避けるために、中國へ移転して行き、中國の経済発展の波に乗って、より多くの娯楽を求め海賊版CD、DVDが消費(fèi)された。

日本の一般的な中國のコンテンツ消費(fèi)に対するイメージは大體この90年代中期から後期のものなのである。

ちなみにこのCD、DVDも、無許可コピー品と正規(guī)品の無許可販売品の2種類に分かれる。私は、無許可コピー品を海賊版、日本等で販売されていた正規(guī)品が違法販売されたものを水商品と呼んでいる。どちらとも違法ではあるが、意味合いが違う。

さて、この狀況も2000年にインターネットが中國で一般的になってから大きく変化する。私は2000年を中國インターネット元年と呼んでいる。

何が起こったかというと、海賊版アニメCD、DVDの新番組発売速度が増した。そして學(xué)校漫研サークルによる學(xué)內(nèi)ネットのアニメ共有が始まったのである。學(xué)業(yè)で忙しかった高校から大學(xué)に入って大學(xué)デビューした中國オタクが増えたのもこの時(shí)期からである。

そして時(shí)代は少しずつ購入のハード時(shí)代から、ダウンロードのソフト時(shí)代へと移行していく。違法ダウンロードの溫床と言われたP2Pソフト「Bit Comet」「Very CD」「迅雷」そして日本の動(dòng)畫サイト、ニコニコ動(dòng)畫が広く認(rèn)知された時(shí)代である。

アメリカFOXテレビの圧力でP2Pソフトやネット違法アップロードが取り締まられてきた兆しを見せ始めた2011年に、ニコニコ動(dòng)畫に対して中國政府の「萬里の長城（グレートウォール）」が発動(dòng)され視聴できなくなった。

時(shí)はめぐり、中國オタクは翻弄される。日本の生情報(bào)が入ってこないという狀況にいらだちを覚えた中國オタクはその注意力を全て中國ネット動(dòng)畫サイトに向けていった。その流れの中で、中國版ニコニコ模倣サイト「Bilibili動(dòng)畫」、新動(dòng)畫サイト「楽視」、「愛奇蕓」等の勃興、中國最大の動(dòng)畫サイト「優(yōu)酷」と「土豆」の合併を経て、中國動(dòng)畫サイトは今までにない新しい局面を迎えた。

2011年10月「Fate/Zero」が「楽視」で日中同時(shí)放送される。それまでも散発されていた日本アニメの放送だったが、楽視の「日中同時(shí)放送」で時(shí)代が動(dòng)いたのである。

「Fate/Zero」の2期の放送を大人気のうちに終え、2012年9月に同じく楽視が2012年で最も人気になったアニメ「ソードアートオンライン（SAO）」正規(guī)版を放送開始、中國の正規(guī)版日本アニメ放送も軌道に乗ったかと思われていたが、9月18日、戦後最大と言われる大規(guī)模な反日デモが中國で起こった。

しかし日本アニメも楽視も負(fù)けなかった。

反日デモの影響を全く受けず、SAOは放送を無事に終え、2012年中國オタクの話題を全て持って行ったのである。まさにビーター。

その後2013年最高峰と呼び名高い「進(jìn)撃の巨人」、テレビ?xùn)|京系アニメや今季アニメ「キルラキル」等の放送権を中國動(dòng)畫サイトが続々獲得し、正規(guī)版を意味する「正版」アニメとして放送している。今日、中國オタクは高畫像とオフィシャル中文字幕の正規(guī)版アニメをネットで見られるようになったのである。

日本アニメは西進(jìn)すること幾星霜。多くの方々の努力と視聴者の願(yuàn)いにより、中國では安心して日本アニメを見る環(huán)境が整いつつある。今後もこの動(dòng)きに注目していきたい。

我はただ歴史を見守り、書き継ぐ。

【キーワード】

「水商品」：香港、臺(tái)灣等で日本が版権を売って生産された正規(guī)品が関稅等を通らず、個(gè)人輸入の形で中國本土に來たもの。バッタものとは違う。何故違法かというと、コンテンツは限定地域や國での販売しか契約してないからである。臺(tái)灣でしか売れない商品を中國や日本、香港で売るのは違法なのです。が、この違法があったおかげで、日本のコンテンツや文化がすんなり中國人に受け入れられているのは、皆さん知っての通りです。

「海賊版」：データ形式等でコンテンツが持ち込まれ、現(xiàn)地生産してパテント等を支払わず売りさばかれる商品。周辺グッツとかにも見られる。日本で言われているのはこの事。尚、海賊版は根絶するのが難しいので、コンテンツホルダーさん達(dá)は毎日頭を悩ませています。

「萬里の長城（グレートウォール）」：中國の某有名大學(xué)の情報(bào)管理室が本部と言われている中國の情報(bào)規(guī)制ネット。一體どういうシステムで、どういう基準(zhǔn)で選ばれているのか不明だが、「多くの人間に影響をあたる情報(bào)源」をシャットアウトするためにある、というのは中國アニメ界の定説である。この政府にシャットアウトされることを中國ネット民は「和諧」と呼んでいる。けして超次元サッカーに出てくる技名ではない。

上記キーワードは天嵐の獨(dú)斷と偏見で書かれています。あしからず。（記事/みねぎしひろゆき）