<コラム>タヌキ道路とていねい道路

石川希理    2020年3月22日(日) 15時10分

拡大

2008年北京オリンピック前の北京の市街で、歩道を歩いていて、穴ぼこに落ちそうになった。

2008年北京オリンピック前の北京の市街で、歩道を歩いていて、穴ぼこに落ちそうになった。歩道に街路樹が植えられている。通常、木の根元の部分は土が歩道と同じ面まで盛られている。あるいは、格子狀のフタが根元までを覆っている。しかし、そう言うものはなかった。深さは10センチ以上ある。「捻挫するぞ、夜は危ないなあ」と、晝間に落ちそうになった(笑)自分を反省せず言ったことを覚えている。それから12年なので、もう相當整備は進んでいるに違いない。

自動車の通る道路も「おから工事」とかで、手抜きがあるらしい。日本のように、測量して、掘り下げ砂利をひき、均等にしてアスファルトを流して、ローラーで圧縮するといったことをていねいにやっているわけでもないらしい。もちろんこれも、最近は問題視されだしているので、改良が進んでいくだろう。日本より100年ほど遅れて始まった近代化と現(xiàn)代化が恐るべき勢いで急速に進んでいるのだ。

建設(shè)工事の足場が、竹で組まれているのにも驚いたが、我が國でも昔は丸太であった?,F(xiàn)在は、とりあえず、まずは発展である。だから日本のマンホールのフタを見て、色まで塗られた絵柄があるのに驚くらしい。まあこの部分に関しては、凝り過ぎの日本人の特性かもしれない。日本は停滯した経済と言われつつも、まだゆとりがあるのだろう。といって、日本より豊かなはずのアメリカのワシントンやニューヨークで、この手のマンホールの蓋にお目にかかった覚えはない。もちろん10年ほど前に格安ツアーで1回行ったきりだ。すみません。

中國や韓國が急速に発展する間に、日本ではインフラの「老朽化」が、急速に進んでいる。ありがたくない話である。高速道路や橋梁はその代表だが、私の住むマンションのように築40年をこえつつある建物も多い。鉄筋コンクリートは維持管理が適切になされていれば、100年はもつという。全くしなければ20、30年で草だらけになる。草が生えるというのは內(nèi)部に水が入り、ひび割れ、鉄筋が錆びて膨張し、ひびが広がりと、急速に崩壊すると言うことである。「私の死ぬまでは、住んでいるマンションは大丈夫らしい」(笑)

道路に関しては高速道路に目が行く。しかし、もう一つ、「タヌキ道路」問題がある?!父筏铺欷酥沥搿工韦隙巍┊xである。そして「アスファルト天に至る」のが日本である。高度成長期に、とにかく道路を舗裝して、ということになった?!弗ぅ饱ぅ饱丧螗丧蟆工螘r代だ。インフラ整備に膨大な資金が投じられた。建設(shè)業(yè)界はこの世の春を謳歌する。

私は神戸生まれの神戸育ちだが、60年前は、神戸市街地でも中心を離れると未舗裝の土の道が多かった。だから子どもの頃は長靴が必須である。それが高度成長期にことごとく舗裝された?,F(xiàn)在では長靴のない家庭も多いであろう。サラリーマンは革靴のまま自宅から會社まで出かけられる。

この舗裝が、都市から地方へと広がり、とうとう、山間部の集落から、山の上の畑まで行われることになった。便利である。耕運機?トラックを山の上まで楽にあげられる。収穫物の運搬も楽だ。ほとんど自分の家、専用の道路である。

日本の農(nóng)家は都會地と遜色がない立地條件だ。ライフラインはあるし、簡易下水道もある。ネットも使えるし宅配もある。進んだ農(nóng)業(yè)政策のおかげで小規(guī)模な自作農(nóng)でも自立できる。私たちの父母や祖父母が、田舎から都會に出てきて労働力化する。殘された農(nóng)村の肉親も安心して生活できる。これも高度成長を支えた一面だ。

この農(nóng)村を見て、現(xiàn)在の中國の方は「まだまだ自分の國は遅れいている」と思うらしい。しかし、もう我が國には、高度成長期の余裕、イケイケドンドンの施策は難しくなっている。山の上の畑まで続く舗裝道路は維持できない。もともと、使う人はほとんどいなくて、貍や狐が通ると言われた道路まで、手が回らなくなった。

ていねい道路は維持したいが、それは都市周辺の道路や、高速のそれだけで手一杯になった。地方は住居も都市機能も中心に集めたコンパクトシティ化が避けられない。タヌキ道路は、土に返り、本當のタヌキ専用道になるのだろうか。ある意味それもいいかも…、とまあこのあたりで終えておく。

■筆者プロフィール:石川希理

1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小學(xué)校?飛松中學(xué)校?星陵高校?神戸學(xué)院大學(xué)?仏教大學(xué)卒です。同窓生いるかな?小説?童話の創(chuàng)作と、善く死ぬために仏教の勉強と瞑想を10年ほどしています。明石市と西脇市の文蕓祭りの選者(それぞれ隨筆と児童文學(xué))をさせていただいています。孫の保育園への迎えは次世代への奉仕です。時折友人達などとお酒を飲むのが楽しみです。自宅ではほんの時折禁酒(笑)。中學(xué)教員から県や市の教育行政職、大學(xué)の準教授?非常勤講師などをしてきました。児童文學(xué)のアンソロジー単行本數(shù)冊。小説の自家版文庫本など?!竿捊}本の読み方とか、子どもへの與え方」「自分史の書き方」「人権問題」「瞑想?仏教」などの講演會をしてきました。

ブログはこちら

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜