木口 政樹 2020年3月30日(月) 22時0分
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コロナ対応をめぐって世界が韓國を評価しはじめている。寫真は韓國のマスク。
新型コロナの勢いがまだまだ凄まじい。韓國は3月29日午前0時基準(zhǔn)で、感染者9583人、死亡152人、退院(完治)5033人となっている。死亡152人というのはかなりの人數(shù)ではあるが、イタリアやアメリカそして中國に比べたら非常に少ないといえる。
筆者の住む天安(チョナン)という都市は、ソウルから南に80キロくらいのところにある70萬人弱が住む交通の要衝都市だが、一時、ダンススタジオが溫床となって感染者が増えた時期もあったが、現(xiàn)在まで感染者102人、死亡0と、韓國の中堅以上の都市の中ではかなり少ないほうといえる。
しかし外出している人は、皆マスク著用だ。外出禁止令は出ていないから、人々は自由に外出している。散歩する人もいるし、犬を連れて遊ばせている人などもいる。外出の人はだんだん増えてきてはいるが、店に入って食事をしたり、喫茶店で友達と駄弁るというような形は、今はほとんど見られない。感染者が直接出てない地區(qū)であっても(たとえば天安の中でも筆者の地區(qū))、無癥狀でありながら保菌者がいつどこにいるかわからないため、みんな用心して、口を開いてものを食べたりしゃべったりするような場所に行かないようにしているためだ。だから、食堂やカフェなどは経営の危機を迎えている。國からの補助金が出るようになっているけれど、高々5萬円(これは自治體によって異なる)くらいなので、これではとうていやっていけそうもない。小売業(yè)の人たちはこれからも危機的狀況は継続する。
マスクは、5部制といって、生まれた年によって月から金曜日までに分けられ、筆者の場合は最後の數(shù)字が4なので、木曜日に薬局に買いに行けば外國人登録証を提示してマスクが2個買える。それも「KF94」というハイレベルのマスクだ。2個で3000ウォン(300円くらい)。外國人登録証を提示しないとマスクは買えない。これでチェックされ、別の店に行っても買えないことになる。
ネット上の連攜がものすごく整っているなと感じる。外國人でも問題なく買える點、非常に安心だ。1週間に1人2個のマスクが買えれば、この狀況が長く続いたとしてもマスク確保に問題はない。筆者の場合は、PM2.5対策としてコロナ禍になる前にすでにマスクを50個以上買っておいたので、マスク問題は生じないだろうと思われる。50個以上あるのに、なんでわざわざ買いに行くのかというムキもあるかもしれないが、コロナ禍がいつまで続くかわからないため、念のために薬局に買いにいくわけだ。妻と合わせると1週間に4つのマスクが確保される。たぶん、今後、韓國ではマスクの供給は今よりも増えるものと予想されている。1人2個から1人3個とか5個とかになるはずだし、さらに好転すれば何個でも買えるというふうに変わっていくものと予想されている。
マスクがコロナには効果はない、などというコメントがネットで一時流れていたが、それは違うと思う。ナノのレベルだとは思うけど、マスクを隙間なくぴしっとやっていれば、コロナウイルスが飛んでいても、體の中に入るのは抑えることができると思う。
韓國も、もともとマスクをしたがらない性向をもっていたのだが、今や日本人以上にマスクをしているといっても過言ではない。今回のコロナの前、筆者がPM2.5がちょっと多いときは必ずマスクをして家を出るのだが、PM2.5の數(shù)値が相當(dāng)悪くてもマスクをしている人はほとんど見かけなかった。しかし今はどうだ。100%の人がマスクをしている。この変わりようは驚くばかりだ。それだけコロナの威力が強いからとも言えるわけだけれど。
また、消毒液が20階建てのアパート(日本式にはマンション)の1階の入り口に置かれている。液がなくなるころ、必ず新しいものと交換されている。その徹底ぶりは驚嘆に値する。韓國ってこんなにてきぱきとなんでもできるお國柄だった??と思わず立ち止まって沈思黙考に浸ってしまうほどだ。
またあるデータでは、今年の2月の新規(guī)の企業(yè)登録が過去の2月に比べて最高に多かったという。マスク業(yè)者の企業(yè)立ち上げなのか、IT企業(yè)なのか、ちょっと種類は今わからないけど、今年の2月が過去最高だったようだ。
コロナ対応をめぐって世界が韓國を評価しはじめている。G20の首脳間のネット會議でも、他の國の首脳らからの質(zhì)問もあって、文大統(tǒng)領(lǐng)が胸をはって自國の対応について紹介していたというじゃないか。コロナが韓國の位相を高めるという現(xiàn)象が見られ始めているというわけだ。
最初にも書いたように、韓國は感染者、死亡ともにまだまだ終息のついた段階ではないけれど、次から次へと検査しているのにもかかわらず、歐米の國々と比べてその數(shù)値がずっと低くなってしまった?,F(xiàn)政権に対して筆者はそれほど好感はもっていないけれど、コロナに対するこの政府のやりかただけは、「おお、よくやってるぜ」とほめてあげたい。隠したり噓を言ったりしている形跡はない(少なくともコロナに関しては)。
日本の場合、東京オリンピックが1年延長された瞬間から、急に感染者が増えるような現(xiàn)象が見られている。なぜなのかはわからないが、今後、検査拒否などがないよう、また、陽性と出たら入院なり自宅待機なりの処置を徹底してとり、アメリカやイタリア、スペインみたいに急に拡大しないことを、半島の空の下より切に祈る次第だ。日本には、家族もいるし友も多い。愛する日本だ。今現(xiàn)在のままで、少ない數(shù)値をそのまま持続していってほしい。
■筆者プロフィール:木口 政樹
イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓國』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。 著書はこちら(amazon)Twitterはこちら※フォローの際はメッセージ付きでお願いいたします。
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