2015年に技能実習(xí)生として日本を訪れた中國人の鹹海斌（シエン?ハイビン）さんが無斷で離職した問題で、中國の裁判所は身元保証人の叔父?楊超（ヤン?チャオ）さんに労働派遣契約を結(jié)んだ企業(yè)に対する違約金20萬元（約300萬円）の支払いを命じた。中國メディア?澎湃新聞が5日付で報(bào)じた。

記事によると、鹹さんは友人から海外で働く方が稼げるとして技能実習(xí)生の派遣などを行う青島泰成対外経済技術(shù)合作有限會社（以下、泰成社）を紹介された。2015年4月8日に同社と労働派遣契約を結(jié)んだという。

2015年8月、鹹さんは泰成社に渡航費(fèi)などを含むサービス料4萬2000元（約64萬円）を支払い、愛知県の建設(shè)現(xiàn)場の技能実習(xí)生となった。しかし鹹さんは、「現(xiàn)地の企業(yè)は安全対策を行わずに高所で危険性の高い作業(yè)を行っていた。さらに、日本人の作業(yè)員から頻繁に暴言を浴びせられた」などとして、就労から半月後に無斷で離職。その後、國內(nèi)の別の都市で不法就労したが、1年後に警察に摘発され、送還されたという。

鹹さんが渡航する前、泰成社は無斷離職などを防ぐために鹹さんに保証人を立てることを要求。楊さんが保証人となって、「保証人責(zé)任確認(rèn)書」にサインした。この確認(rèn)書は、技能実習(xí)期間中の無斷離職、期間終了後の無帰國、不法滯在といった問題を起こした場合、保証人の楊さんは泰成社に違約金60萬元（約920萬円）を支払うことを規(guī)定している。

2019年4月12日、泰成社は鹹さんと連絡(luò)が取れないため、楊さんに違約金の支払いを求めて提訴した。青島市黃島區(qū)人民法院は同年9月、楊さんに泰成社に対して違約金60萬元を支払うことを命じたが、楊さんは判決を不服として控訴。二審を経て、今年4月3日、楊さんに違約金20萬元の支払いを求める判決文が屆いた。

なお、3月10日時點(diǎn)で、人民法院の判決文公開サイト「中國裁判文書網(wǎng)」は、楊さんの控訴を棄卻し、原審を維持するという判決文を掲載していた。楊さんはこれを見て「天地が崩れる」と感じるほどのショックを受けたが、その後、二審判決を下した青島中級人民法院が、「業(yè)務(wù)上のミスにより、掲載された判決文は最終版ではない」と認(rèn)めた。

違約金の金額について、上海大邦法律事務(wù)所の弁護(hù)士、金（ジン）氏は「鹹さんは仲介會社が実際に受けた損失を賠償しなければならないが、60萬元は不合理だ」と指摘?！钢袊伍v連法では、企業(yè)はサービス料の徴収や擔(dān)保の要求は禁止されている。このため、鹹さんと泰成社の間で結(jié)ばれた違約金60萬元を支払う契約は無効で、その契約に基づいて賠償を行う根拠はない」との見解を示した。

湖南金州法律事務(wù)所のパートナー弁護(hù)士、●鑫（シン?シン）（●＝「形」の左側(cè)におおざと）氏は、「企業(yè)は外國に派遣する職員から契約保証金を受け取ってはいけない。管理費(fèi)などの追加徴収や、他の方法で擔(dān)保や抵當(dāng)権の設(shè)定を求めることも禁止されている」とし、「鹹さんの擔(dān)保契約は成立せず、違約金の支払い義務(wù)は無効」としている。

なお、澎湃新聞の調(diào)査によると、泰成社が関係している訴訟は合わせて293件見つかったという。（翻訳?編集/毛利）