2020年11月11日、中國(guó)メディアの環(huán)球網(wǎng)は「やはり逆転した！」と題し、ブラジルで新型コロナウイルスの中國(guó)製ワクチンの治験が再開(kāi)されたことを伝えた。記事は騒動(dòng)の背景に「政治的な大闘爭(zhēng)が存在している」と報(bào)じている。

記事は、ブラジル政府が9日に「深刻な有害事象が発生した」として、中國(guó)企業(yè)シノバック?バイオテックが開(kāi)発している新型コロナワクチンの臨床試験中斷を発表したものの、その後「重大な有害事象」が実は自殺による死亡事案だったと現(xiàn)地メディアに報(bào)じられ、11日にはわずか2日で臨床試験が再開(kāi)されたと伝えた。

そして、この「ドタバタ劇」は単なるミスで片付けられる問(wèn)題ではなく、その背景にはブラジル政界に渦巻く激しい政治闘爭(zhēng)があるのだとしている。

記事は、政治闘爭(zhēng)の主役の1人がかねてより過(guò)激な言論や人種差別、性差別に関する言論を繰り返し、中國(guó)を「略?shī)Z者」と批判してきたボルソナロ大統(tǒng)領(lǐng)であり、もう1人が同大統(tǒng)領(lǐng)の強(qiáng)力なライバルで、22年の大統(tǒng)領(lǐng)選挙での激しい爭(zhēng)いが予想されるジョアン?ドリア?サンパウロ州知事であると紹介した。

その上で、両者はたびたび政治的に対立しており、新型コロナウイルスの感染拡大以降、同知事が同大統(tǒng)領(lǐng)を何度となく批判してきたと説明。また、同州のブタンタン研究所とシノバックとの提攜を促し、中國(guó)製ワクチンの早期導(dǎo)入を提唱する同知事に対し、同大統(tǒng)領(lǐng)は「ドリアの中國(guó)ワクチンなど市民は安心できない」と批判していたと伝えた。そして、臨床試験が一時(shí)停止した際にはSNS上で「（ドリア氏に対する）新たな勝利だ」と発言したとしている。

環(huán)球網(wǎng)の記事は、両者の激しい爭(zhēng)いや同大統(tǒng)領(lǐng)の言動(dòng)についてブラジル社會(huì)で大きな議論を巻き起こしているとしたうえで、経済評(píng)論家や免疫學(xué)の専門(mén)家からは「ワクチン治験を政治化すれば、大統(tǒng)領(lǐng)自身の足を引っ張ることになる」「科學(xué)に政治的な偏りはない。ヘイト感情を持ったり、入手先によってワクチンを蔑視したりしてはならない」との意見(jiàn)が出ていることを伝えた。（翻訳?編集/川尻）