2019年末から中國(guó)湖北省武漢市で大流行を始めた新型コロナウイルスは、WHOのパンデミック宣言（2020．03．11）を経て今や世界規(guī)模で広がり、既に十?dāng)?shù)萬(wàn)人以上の死者が出ている。ほぼ百年前1918年に同じく世界的に感染が広がった「スペインかぜ」によって世界で5000萬(wàn)人が死亡し、日本でも40萬(wàn)人近い犠牲者が出た。名前から歐州のインフルエンザの感じがするが、第一次世界大戦中に中國(guó)から護(hù)送された約9萬(wàn)人のクーリー（苦力）から発生したともいわれ、起源は同じく中國(guó)にあるという説もある。

4000年に渡る中國(guó)王朝を顧みるに、王朝の滅亡には必ず洪水等地震?自然災(zāi)害→大飢饉→疫?。ù笠撸U済破綻→農(nóng)民運(yùn)動(dòng)が繰り返された。歴史書を調(diào)べると、周王朝末「大疫」発生、後漢末道教的治病を行った太平道による「黃巾の亂」、三國(guó)時(shí)代魏末全國(guó)的疫病発生、西暦207年赤壁の戦いで周瑜の火計(jì)で曹操を破るが、その前に魏軍內(nèi)で飢餓と疫病発生とある。隋朝末7度の疫病発生、唐朝末洪水から大飢饉が起こり大疫となる。南宋末西暦1276年湖北黃岡で疫病、元朝末12回の疫?。ē讠攻?天然痘）で一千萬(wàn)人以上死亡、明朝末西暦1641年北京?呉江（蘇州）で疫病、李自成農(nóng)民奮起反亂時(shí)明軍內(nèi)で疫病、清朝末雲(yún)南の風(fēng)土病であったペストが広州全域に広がる。これらの中國(guó)史の調(diào)査で、大飢（飢饉）と大疫（疫?。─醭螠缤訾舜螭い碎v與したことが明確である。

14世紀(jì)に全ヨーロッパで流行した黒死?。ē讠攻龋─?、モンゴル軍が中東?歐州制覇にともない中央アジア起源のペストをもたらしたのが原因といわれ、當(dāng)時(shí)の歐州人口の1/3が死亡するという大パンデミックであった。この黒死病は歐州で西暦1347年頃から大流行するが、その13年前西暦1334年に中國(guó)浙江流域で500萬(wàn)人が死亡したとする大疫が発生という中國(guó)資料があり、その後7年かけて中央アジアに達(dá)し、それから歐州に広がったという説がある。何となく世界の感染病起源は全て中國(guó)大陸にあるかのようだ。

中國(guó)王朝は早くから、地震、旱魃、洪水、蝗害、疫病といった社會(huì)不安を引き起こす災(zāi)害の際に救済政策を行うものとされ、その原形は2700年前の西周時(shí)代に確立し、財(cái)を分かつ、遠(yuǎn)征を控える、刑罰を緩める、労役を減免する、狩を解禁する、稅を免ずる、儀式を減らす、歌舞音曲を控える、華美を控える、防犯などが挙げられた。先秦代には、すでに饑饉救済のため、富者から穀物を徴収し、貧者に配布するという制度が出現(xiàn)している。

疫病から発する國(guó)難に対しては古今東西同じで、2700年前から実施されている救済策に習(xí)い、富の分配（國(guó)家財(cái)産の分配）、減稅（消費(fèi)稅等の軽減）、歳出の低減（無(wú)駄な事はしない）、そして全國(guó)民の安全?安心を守る。これだけであると歴史は教えている。（寫真1）は西暦1493年にミハエル?ヴォルゲムートが黒死病の恐怖を描いた「死の舞踏」である。

■筆者プロフィール：工藤 和直

1953年、宮崎市生まれ。1977年九州大學(xué)大學(xué)院工學(xué)研究科修了。韓國(guó)で電子技術(shù)を教えていたことが認(rèn)められ、2001年2月、韓國(guó)電子産業(yè)振興會(huì)より電子産業(yè)大賞受賞。2004年1月より中國(guó)江蘇省蘇州市で蘇州住電裝有限公司董事総経理として新會(huì)社を立上げ、2008年からは住友電裝株式會(huì)社執(zhí)行役員兼務(wù)。2013年には蘇州日商倶楽部（商工會(huì)）會(huì)長(zhǎng)として、蘇州市ある日系2500社、約1萬(wàn)人の邦人と共に、日中友好にも貢獻(xiàn)してきた。2015年からは最高顧問として中國(guó)関係會(huì)社を指導(dǎo)する傍ら、現(xiàn)在も中國(guó)関係會(huì)社で駐在13年半の経験を生かして活躍中。中國(guó)や日本で「チャイナリスク下でのビジネスの進(jìn)め方」など多方面で講演會(huì)を行い、「蘇州たより」「蘇州たより2」などの著作がある。