八牧浩行 2013年12月7日(土) 8時(shí)20分
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6日、バイデン米副大統(tǒng)領(lǐng)の東アジア訪問が終了した。中國が東シナ海上空に設(shè)定した防空識(shí)別圏を巡り、中國に撤回を迫るとの見方もあったが、結(jié)果的に「追認(rèn)」。米中は「新しい大國関係」をともに志向することになった。寫真はバイデン副大統(tǒng)領(lǐng)と習(xí)國家主席。
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2013年12月6日、バイデン米副大統(tǒng)領(lǐng)の東アジア訪問が終了した。中國が東シナ海上空に設(shè)定した防空識(shí)別圏を巡り、中國に撤回を迫るとの見方もあったが、結(jié)果的に「追認(rèn)」。米中は「新しい大國関係」をともに志向することになった。
【その他の寫真】
日本政府は沖縄県の尖閣諸島を中國領(lǐng)土に含むような識(shí)別圏設(shè)定を認(rèn)められないと撤回を要求したが、米政府は中國の一方的な決定の仕方や運(yùn)用面の安全性を問題視したにとどまった。日米が力を合わせて中國に識(shí)別圏を撤回させるという日本政府の思惑は完全に肩すかしを食らった格好だ。
バイデン米副大統(tǒng)領(lǐng)は、4日の習(xí)近平國家主席との會(huì)談で「深い懸念」を伝えたものの、強(qiáng)く求めたのは運(yùn)用改善を含む緊張緩和措置。バイデン氏と習(xí)氏は夕食會(huì)を入れて約5時(shí)間半をともに過ごしたにもかかわらずである。
ヘーゲル米國防長官は同日のワシントンでの記者會(huì)見で「中國識(shí)別圏の最大の懸念は一方的になされたことだ。賢明なやり方ではない」と懸念を表明しながらも、「識(shí)別圏の設(shè)定自體は新しくも珍しくもない」と指摘。國際法に合致しているとの中國の主張を容認(rèn)してしまった。
この記者會(huì)見に同席したデンプシー統(tǒng)合參謀本部議長も「実際に地域を不安定化させているのは、防空識(shí)別圏の宣言ではなく、中國領(lǐng)空に入ろうとしているかどうかにかかわらず、防空識(shí)別圏を通過するすべての航空機(jī)に飛行計(jì)畫を通報(bào)させようという中國の主張だ」と明言。防空識(shí)別圏の設(shè)定そのものではなく、運(yùn)用の仕方が問題だと強(qiáng)調(diào)したのである。
これら一連の米政府発言は日本政府関係者に大きな衝撃を與えた。識(shí)別圏が尖閣諸島を中國領(lǐng)土に含んでいるため、日本が運(yùn)用改善で米國に同調(diào)すれば、中國が設(shè)定した識(shí)別圏を認(rèn)めることになってしまうからである。
バイデン氏が安倍晉三首相との會(huì)談で求めた「日中間の偶発的な衝突を避ける危機(jī)管理」についても、中國の防空識(shí)別圏が既成事実化される懸念もあり、米國の仲介や中國側(cè)からの協(xié)議提案があっても簡単には応じにくい。尖閣諸島は中國領(lǐng)で、その上空も領(lǐng)空だというのが中國の主張。中國が設(shè)定した防空識(shí)別圏は尖閣諸島を含んでおり、日本としては到底容認(rèn)できないためだ。
◆シェールガス開発など経済協(xié)力推進(jìn)で一致
中國の防空識(shí)別圏そのものを米國が容認(rèn)した背景として、米中による「新しい大國関係」にオバマ政権が力點(diǎn)を置き始めたことが挙げられる。バイデン副大統(tǒng)領(lǐng)と習(xí)近平中國國家主席は4日の會(huì)談で、米中両國の「新しい形の大國関係」について協(xié)議した。バイデン氏は「米中関係は21世紀(jì)で最も重要な2國間関係であり、この2國は信頼と積極的な意志に基づいて行動(dòng)しなければならない」と言明。これに対し習(xí)主席は、米中関係について「世界平和と安定、人類の発展と進(jìn)歩に共同の責(zé)任を有している。対話と協(xié)力の進(jìn)展が両國の唯一の選択であり、互いに衝突せず、対抗しない『ウィンウィン関係』を構(gòu)築したい」と強(qiáng)調(diào)した。
バイデン副大統(tǒng)領(lǐng)は5日、李克強(qiáng)中國首相と會(huì)談し、経済協(xié)力の一段の推進(jìn)で一致した。シェールガス開発などエネルギー分野の協(xié)力強(qiáng)化でも合意。自由で公正な投資環(huán)境を保障するため、米中投資協(xié)定の締結(jié)に向け本格的に交渉することを確認(rèn)した。
李首相は、2014年1月に米中國交樹立から35周年を迎えることに言及。バイデン副大統(tǒng)領(lǐng)は「新しい形の大國関係」の構(gòu)築に向けて中國と共に努力する考えを示した。
これに先立つ11月20日、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)の側(cè)近のライス大統(tǒng)領(lǐng)補(bǔ)佐官(國家安全保障政策擔(dān)當(dāng))は講演で、対中外交について「新たな大國関係を機(jī)能させようとしている。米中の競爭は避けられないが、利害が一致する問題では協(xié)力関係を深めていく」と言明、米中の「新たな大國関係」に意欲を示した。中國の習(xí)近平國家主席が6月のオバマ大統(tǒng)領(lǐng)との會(huì)談で提案した米中の二大大國で世界を仕切る「G2論」を容認(rèn)する考えを示唆したと注目されていた。
中國の防空識(shí)別圏問題をきっかけにクローズアップされたのは、東アジアでの日米中の「新しい関係」である。米國は來年開催されるリムパック(太平洋共同軍事演習(xí))に中國人民解放軍を呼び入れる。この地域で、経済だけでなく、政治、軍事分野も含め、大きな地殻変動(dòng)が起きていることを見逃してはならない。
<「コラム?巨竜を探る」(「巨象を探る」改題)その36>
<「コラム?巨竜を探る」はジャーナリスト八牧浩行(Record China社長?主筆)によるコラム記事。著書に「中國危機(jī)―巨大化するチャイナリスクに備えよ」(あさ出版)など>
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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