仏RFIの中國語版サイトは1日、中國経済は「內(nèi)循環(huán)」を解毒剤として使用しているとする記事を掲載した。

記事はまず、中國で最近、「內(nèi)循環(huán)」がホットワードになっているとし、中國共産黨の習近平（シー?ジンピン）総書記は「（中國経済は）決して閉鎖的な運行ではない」としているが、「國內(nèi)を主體とする産業(yè)の循環(huán)は、技術(shù)の後退や製造コストの増加、失業(yè)率の上昇を引き起こす」との分析もあるとした。

記事によると、新型コロナの流行と米中貿(mào)易戦爭の圧力に直面している習氏は今月、中國の劉鶴（リウ?ホー）副首相の主張を改めて持ち出し、「保護主義が臺頭し、世界経済が低迷し、世界市場が縮小するという目下の外部環(huán)境下で、中國は、國內(nèi)の超大規(guī)模市場という優(yōu)位性を十分生かし、國內(nèi)の大循環(huán)を主體とし、國內(nèi)と國際の二重循環(huán)が相互に促進するという新しい発展の枠組みを形作る必要がある」と強調(diào)した。

記事は、完全に閉鎖的な「鎖國経済」ではなく、長い生産チェーンと消費先が主に國內(nèi)市場に置かれているとしても、中國は果たしてそのような狀況にあるのか、「內(nèi)循環(huán)」が実現(xiàn)した場合、どのような影響をもたらすのかについて、経済専門のセルフメディアで議論の的になっているとした。

記事によると、中國の李克強（リー?カーチアン）首相は5月、「中國では6億人の月収が1000元（約1萬5000円）前後だ」と発言した。中國の深刻な貧富の格差と住宅価格の高騰により財産が「人質(zhì)に取られている」ことも、各産業(yè)が國內(nèi)消費に依存することを不可能にしている。

セルフメディアの「無相財経」は7月31日、「中國の第2四半期の國內(nèi)総生産（GDP）は前年同期比3．2％増加した。そのうちの2ポイントは製造業(yè)と建設(shè)業(yè)によるものだが、消費は前年同期比3．9％減少した。工場は必死に生産しているが、消費者は新型コロナが流行する中で貯蓄に努めているため、中國人の消費能力は依然として不足している」とした。

「內(nèi)循環(huán)」が産業(yè)に與える影響を真っ先に受けるのは輸出志向型の企業(yè)であり、すぐに輸出を國內(nèi)販売に切り替えることは容易ではなく、倒産リスクもある。

無相財経は「セクシー下著」で産業(yè)発展した江蘇省灌雲(yún)県を例として挙げ、「國內(nèi)市場向けは全體の4割に満たない。中國にはそのような特徴的な産業(yè)が數(shù)多くある。一つの県が世界最大の産地となっており、國內(nèi)市場ではそうした産地の生産能力を消化できない」としている。

記事はまた、「企業(yè)が輸出を國內(nèi)販売に切り替えると、國內(nèi)市場での競爭が激化する。國內(nèi)市場でもともと競爭力のない企業(yè)では、失業(yè)や賃金の低下につながるとの見方もある」とし、中國の著名なオンライン経済チャンネル「呉暁波頻道」が7月31日、「內(nèi)循環(huán)により、これまでグローバルな競爭で軽視されてきた中國の中西部できめ細かい開発が可能になる一方で、企業(yè)は中西部という最優(yōu)先ではない地域への転換を余儀なくされる。これはコストの増加を意味するとともに、経営のハードルの高さは業(yè)界の部分的な獨占につながり、中小企業(yè)の発展に不利となる」と指摘していることを取り上げた。

そして、「さらに重要なのは、中國は改革開放以來、外國の資本と技術(shù)との交流から恩恵を受けてきたということだ」とし、呉暁波頻道が「內(nèi)循環(huán)は、技術(shù)交流の遅れひいては停滯さえもたらすことになる。これは産業(yè)の高度化に不利となり、企業(yè)に研究開発コストの増加を余儀なくさせる」との見方を示していることを紹介した。

記事はさらに、「中國は依然として対外開放をしているが、國際環(huán)境がこのような狀況であることから、中國が內(nèi)循環(huán)に力を入れるのは生き殘るためのやむを得ない選択だ。だが『住宅価格を引き下げ、収入を引き上げ、國民生活を守る』方法がない中で、経済の內(nèi)循環(huán)による好結(jié)果は期待できない」との指摘もあると伝えている。（翻訳?編集/柳川）