前中國(guó)共産黨政治局常務(wù)委員、前中國(guó)共産黨政法委員會(huì)書(shū)記の周永康（ジョウ?ヨンカン）が自宅に軟禁され、取り調(diào)べを受けていると報(bào)じられています。日経新聞のiPhone報(bào)道よろしく、これまでに何度も「逮捕された！」との誤報(bào)が繰り返されてきましたが、今度こそ現(xiàn)実となるのでしょうか？（文：水彩畫(huà)）

【その他の寫(xiě)真】

■周永康、3回目の正直でついに拘束か？！容疑は「政変を企図」

「周永康拘束」の報(bào)道は今年だけで3回目となります。ただし前2回は香港英字紙サウス?チャイナ?モーニング?ポストの報(bào)道でしたが、今回は臺(tái)灣の聯(lián)合報(bào)が火種です。また星島日?qǐng)?bào)がスクープした中國(guó)共産黨高官（司庁局級(jí)以上）のみに伝達(dá)された機(jī)密文書(shū)によると、その容疑は「政変を企図したこと、汚職」だといいます。

政変ということは、つまり失腳した薄熙來(lái)（ボー?シーライ）元重慶市委書(shū)記がらみの問(wèn)題だったことを強(qiáng)く裏付けるものとなりました。これまでの報(bào)道では汚職がらみばかりがとりあげられてきましたが、元政治局常務(wù)委員が経済犯罪で捕まるとは考えられません。本當(dāng)の容疑は軍事力の私用などの問(wèn)題だろうと考えていたので、今回は本命ではないかと盛り上がるものがありました。

ただ聯(lián)合報(bào)の1日の報(bào)道を受け、2日にも中國(guó)當(dāng)局が正式発表するのではとも噂されていたのに、いまだに公式な発表はないままです。

■沈黙する中國(guó)國(guó)內(nèi)報(bào)道、盛り上げる海外メディア

しかし正式発表はなくとも、海外メディアによる外堀を埋める報(bào)道が続きます。

5日、ロイターは、周永康の息子が9月に帰國(guó)し、すでに雙規(guī)（共産黨紀(jì)律部局による拘束、取り調(diào)べ）されている蔣潔敏（ジアン?ジエミン）前國(guó)有資産監(jiān)督管理委主任の件で調(diào)査に協(xié)力していると報(bào)じています。ちなみに周永康の息子の名前は諸説あるようで、法輪功系メディアの大紀(jì)元は周斌（ジョウ?ビン）と表記していますが、最近では周濱（ジョウ?ビン）と表記するメディアが増えてきました。

中國(guó)政府批判で知られる在米華字メディアの博訊も參戦。4日に「中共「二號(hào)特別案件」決著非合法的國(guó)家権力掌握の周永康夫婦拘束」、5日に「「二號(hào)特別案件」決著周永康運(yùn)転手が郭永祥と前妻殺害共謀を供述」との報(bào)道?！副∥鮼?lái)と謀って習(xí)近平（シー?ジンピン）の殺害を計(jì)畫(huà)した」「前妻を事故死に見(jiàn)せかけて殺した」という容疑が加わりました。まあ以前にも「薄が総書(shū)記、重慶市長(zhǎng)で薄の片腕だった黃奇帆が総理」「周はその後ろで院政」ともくろんでいたというクーデター畫(huà)策話は流れていたので、目新しい情報(bào)ではありませんが。

またちょっと面白いのは周永康に拘束を言い渡した瞬間について、まるで見(jiàn)てきたかのような描寫(xiě)をしている點(diǎn)です。栗戦書(shū)（中央弁公庁主任）が指揮権を持つ中央警衛(wèi)局が出動(dòng)。周に雙規(guī)を言い渡すとその場(chǎng)に卒倒したのだとか。ちなみに中央警衛(wèi)局を使ったのは、周が警察、司法の全権を握る政法委員會(huì)書(shū)記だったためです。そのため警官や武裝警察を酒、中國(guó)全土から500人集めたとのことです。

■反日デモも周永康の仕業(yè)、過(guò)熱する海外メディア報(bào)道

海外メディアの報(bào)道はさらに過(guò)熱します。

6日、星島日?qǐng)?bào)は博訊網(wǎng)をソースとして周の兄弟姉妹3人が全員拘束されたと報(bào)道。その際、數(shù)億元の現(xiàn)金預(yù)金が見(jiàn)つかったのだとか。ただし中國(guó)政治ゴシップに強(qiáng)い香港紙はこのネタを完全にスルーしています。

スルーといえば、サウス?チャイナ?モーニング?ポストの“スクープ”の際、他の香港紙は追っかけ報(bào)道せずに黙殺したのですが、今回は香港紙の太陽(yáng)報(bào)、東方日?qǐng)?bào)が參戦しています?！钢埭伽胜趣?度習(xí)近平暗殺を計(jì)畫(huà)」「昨年9月の反日デモは習(xí)近平體制誕生への妨害工作」という內(nèi)容。

もっともその真?zhèn)韦摔膜い皮弦蓡?wèn)もあります。2012年8月に開(kāi)かれた北戴河會(huì)議で長(zhǎng)老から厳しく責(zé)められ、「政治生命オワタ」と察した周が、なぜか習(xí)の暗殺に走るというあまりよくわからないストーリーです。暗殺の手段は會(huì)議室に爆弾を仕掛けたり、三〇一醫(yī)院の定期検診で毒を注射しようとしたとのこと。習(xí)は暗殺を恐れ、國(guó)防部西山軍事指揮センターに身を移したといいます。なお暗殺実行役の譚紅は12月1日に拘束されました。

もう一つの反日デモも疑問(wèn)。黨大會(huì)の開(kāi)催を阻止しようと、政法委と薄支持勢(shì)力を中心に各地で破壊行為を作り出したとのことですが、反日デモの時(shí)點(diǎn)ですでに実権は孟建柱に移っていたはずですが。政権側(cè)もこれを察知し、100萬(wàn)人もの軍、警察を動(dòng)員して封じ込めたと紹介しています。疑わしい話ですが、私も反日デモが政法委が仕掛けたのではとか書(shū)いていましたのであまり強(qiáng)くは責(zé)められません。

そして11日付太陽(yáng)報(bào)は「周永康、司法機(jī)関に身柄移送か」と報(bào)道。実はタイトルに「伝」という文字が入っています。伝聞の「伝」ですね。つまり聞いた話ということで、日本語(yǔ)的には「……か」というやつです?！竵弧工丹à膜堡欷?、何でも書(shū)けちゃうっていう…。

■四人組失腳以來(lái)最大の事件に

というわけで怪しい部分も多い海外メディアの報(bào)道ですが、中國(guó)が公式に態(tài)度表明しないからあることないこと書(shū)かれてしまうという側(cè)面は否めません。通常であれば、トップクラスの失腳などという敏感な話題は即座に否定してしかるべきなのです。

2011年の江沢民死去の誤報(bào)でも、新華社が速やかに訂正報(bào)道を出しています。薄熙來(lái)だって最終的には失腳しましたが、當(dāng)初は「辭表は出していない」と釈明させるなど報(bào)道を否定する姿勢(shì)を見(jiàn)せていました。中國(guó)の論理でいうならば、公式?jīng)Q定が出るまでは「無(wú)傷」でなければならないのです。

元政治局常務(wù)委員を失腳に追いこむというのは一大事。あるいは海外メディアの報(bào)道を追い風(fēng)にするため、訂正報(bào)道をしていないのでは…などとも勘ぐってしまいます。

というわけで、今度こそ本當(dāng)にやばいにおいがぷんぷんする周永康関連をまとめてみました。実際に失腳すれば文化大革命の四人組以來(lái)最大の事件と言えるかもしれません。周が影響力を持っていたのは警察?司法、國(guó)有企業(yè)、石油閥というとてつもない規(guī)模なのです。軍?警察を管轄しクーデターをやりうる武力を持っていたという意味では、ほとんど獨(dú)自の軍事力を持たなかった四人組よりも悪質(zhì)とも言えるかもしれません。

◆執(zhí)筆者プロフィール：水彩畫(huà)（すいさいが）

中國(guó)政治ウォッチャー。ブログ「中國(guó)という隣人」を運(yùn)営。葬式ウォッチなどクラシカル?スタイルの中國(guó)政治ウォッチを続けて、はや＊年。不透明な中國(guó)政治を読み解こうと悪戦苦闘中。