拡大
今年、中國(guó)の一般大學(xué)卒業(yè)生は過(guò)去最高の1076萬(wàn)人に達(dá)する見(jiàn)込みで、前年比で167萬(wàn)人増だ。
中國(guó)教育部の報(bào)道官は4月28日に記者會(huì)見(jiàn)で、「新型コロナウイルスの感染狀況など多くの要素の影響を受け、大學(xué)卒業(yè)生の雇用情勢(shì)は非常に厳しく複雑だ」と述べた?!阜浅¥藚棨筏}雑」という表現(xiàn)は、これまで見(jiàn)られなかったもので、政府の危機(jī)感が伝わってくる。
この報(bào)道官の言葉は中國(guó)の大學(xué)生の就職狀況が非常に厳しいことを中國(guó)政府が公に認(rèn)めたことを示している。
■大卒生が過(guò)去最高に、就職戦線がさらに厳しさを増す
今年、全國(guó)の一般大學(xué)卒業(yè)生は過(guò)去最高の1076萬(wàn)人に達(dá)する見(jiàn)込みで、前年比で167萬(wàn)人増だ。コロナの影響などで経済の下押し圧力が強(qiáng)まる中で、これほど多くの學(xué)生が卒業(yè)するということで、就職活動(dòng)が厳しくなることは容易に想像できる。
一般に大學(xué)生は4年の後期(春節(jié)明けから6月まで)になると、卒業(yè)論文執(zhí)筆と職探しを同時(shí)進(jìn)行し、卒業(yè)シーズンの6月には就職先が決まっている學(xué)生が少なくなかった。だが、今年は例年に比べかなり厳しいようだ。
中國(guó)最大の求人サイト智聯(lián)招聘のデータによると、2022年4月中旬時(shí)點(diǎn)で、自分に合った就職先を見(jiàn)つけ、契約に至った新卒者は過(guò)去最低の15.4%だった。就職活動(dòng)をしている新卒者のうち46.7%が內(nèi)定を獲得したが、この數(shù)字も過(guò)去最低で、2021年の62.8%を大幅に下回っている。內(nèi)定を獲得した學(xué)生のうち、1~3社の內(nèi)定を獲得した學(xué)生は昨年の48.9%を下回る38.1%だった。內(nèi)定を獲得した學(xué)生、契約に至った學(xué)生が減少したことから、中國(guó)の新卒者は仕事を選びにくくなっていることがわかる。
中國(guó)人民大學(xué)中國(guó)就業(yè)研究所が4月に発表した大學(xué)卒業(yè)生のCIER指數(shù)(就職市場(chǎng)景気指數(shù))も過(guò)去最低となり、新型コロナウイルス流行直後の2020年第1四半期を下回った。
どうしてこのような厳しい數(shù)字が出ているのか。
首都経済貿(mào)易大學(xué)準(zhǔn)教授、中國(guó)就業(yè)研究所研究員の毛宇飛氏は、「今年は一線都市が新型コロナの影響を大きく受けた。特に長(zhǎng)江デルタ、珠江デルタは、これまで大學(xué)卒業(yè)生を多く受け入れた都市だった。今年はこれらの都市の卒業(yè)生需要が影響を受けている」と述べた(『経済観察報(bào)』4月28日付)。
毛氏はさらに、政府の規(guī)制政策の影響を受け、これまで多くの雇用を吸収したインターネットや教育産業(yè)では採(cǎi)用ニーズが大幅に減少し、雇用景気指數(shù)をさらに押し下げていることも、卒業(yè)生の就職が厳しくなっている原因の一つだと指摘した。
前出の『経済経観察報(bào)』は、「仕事が見(jiàn)つからないのだから、探したくない。まわりのクラスメートや友達(dá)は大學(xué)院入試に熱を入れている」という大學(xué)生の聲を紹介した。
筆者の勤務(wù)先の學(xué)校でも、大學(xué)卒業(yè)後すぐに就職活動(dòng)をせず、大學(xué)院に進(jìn)學(xué)したいという學(xué)生は少なくない。10數(shù)年前に教えた學(xué)校では、最終學(xué)年に就職活動(dòng)をするという學(xué)生は多かった。當(dāng)時(shí)の中國(guó)は8%ほどの経済成長(zhǎng)率をキープしており、雇用情勢(shì)も現(xiàn)在よりはいくらかよかった。
このことは、智聯(lián)招聘が大學(xué)生1萬(wàn)8000人を?qū)澫螭藢g施した大學(xué)生就職調(diào)査の數(shù)字にも反映されている。同調(diào)査によると、卒業(yè)生の61%が今年の就職活動(dòng)は「非常に難しい」と答えており、就職が大きなストレスになっているという。
大學(xué)生の就職が難しいのは、経済情勢(shì)もそうだが、卒業(yè)生の數(shù)が増えていることも関係がある。10數(shù)年前に教えていた大學(xué)で、日本語(yǔ)學(xué)科主任から、「今は學(xué)生の就職が厳しいので、面接で通用する日本語(yǔ)を教えてください」と指示されたことがある。當(dāng)時(shí)はリーマンショックの影響を多少受けていたとはいえ、中國(guó)経済は現(xiàn)在よりもよかった。それなのに就職が厳しいのは、競(jìng)爭(zhēng)相手が増えてきたことが関係している。
以前教えていた大學(xué)の作文の授業(yè)で「將來(lái)の夢(mèng)」というテーマで文章を書(shū)かせたが、「いい仕事を見(jiàn)つけて、親を楽させたい」と書(shū)く學(xué)生が多かった?!袱いな耸隆工趣虾韦葘W(xué)生に聞くと、「給料が高い仕事です」と即答した。彼らの言う「いい仕事」は大企業(yè)や政府機(jī)関などを指す。このようなところはポストが限られているため、競(jìng)爭(zhēng)が激しい。一流大學(xué)以外の學(xué)生が「いい仕事」に就ける可能性は、よほど優(yōu)秀でない限り、極めて低い。
昨年、努力したくない若者のことをいう「寢そべり」族という言葉が流行ったが、その背景には、理想とする進(jìn)路は競(jìng)爭(zhēng)が激しく、個(gè)人の努力ではどうにもならないこともあるということがある。
■「いい仕事」に固執(zhí)しなくなった中國(guó)の若者
日本でもそうだが、就職できない若者について、「就職先を選ぶからだ」という社會(huì)の聲がある。筆者も大學(xué)院を卒業(yè)したばかりの時(shí)、就職先を選んでいたし、自分の教え子の言動(dòng)からも選んでいることがわかるため、その社會(huì)の聲は間違ってはないない。
ただ、今の卒業(yè)生は高望みしなくなってきている。
まず、彼らは絶対に高い給料でないとダメだとは考えていない。前出の智聯(lián)招聘の調(diào)査によると、4月中旬時(shí)點(diǎn)で、半分の卒業(yè)生がまだ內(nèi)定を獲得しておらず、彼らの希望月給は減少しており、契約月給はさらに減少している。一部の重點(diǎn)大學(xué)の優(yōu)秀な學(xué)生の昨年の平均契約月給は7395元(約14萬(wàn)4720円)だったが、今年は6507元(約12萬(wàn)7341円)に減少しており、今後さらに減少すると予想される。2022年度卒業(yè)生の平均希望月給は6295元(約12萬(wàn)3193円)で、昨年の6711元(約13萬(wàn)1334円)を約6%下回った。
次に、大企業(yè)に固執(zhí)せず、中小?零細(xì)企業(yè)への就職を希望する學(xué)生が増えている。2022年に中小?零細(xì)企業(yè)を選んだ卒業(yè)生の割合はそれぞれ3.6%、34.4%と、2021年の1.8%、28.7%を上回っている。
その背景には、雇用情勢(shì)が厳しいため、學(xué)生も折り合いをつけたことが挙げられる。また、名の知れた企業(yè)は3年以上の実務(wù)経験が求められることが多く、まずは中小企業(yè)で経験を積み、チャンスが來(lái)たら、より條件の良いところに移籍するという現(xiàn)実的選択をする學(xué)生も少なからずいる。
■新しいタイプの仕事、モラトリアムの道、選択はさまざま
また、新しいタイプの仕事を選ぶ學(xué)生もいる。中國(guó)の動(dòng)畫(huà)共有サイトbilibiliと智聯(lián)招聘が共同で発表した「2022青年求職行為洞察報(bào)告」によると、88.1%の「00後(2000年以降に生まれた人)」の學(xué)生が、動(dòng)畫(huà)アップロード主、Eコマースブロガーなどの新しい仕事をしたいと望んでいるそうだ。こうした職業(yè)形態(tài)は現(xiàn)在のインターネット時(shí)代の波に乗ってできたものだが、この職業(yè)に將來(lái)性や他業(yè)種へのキャリアアップの可能性があれば、學(xué)生たちの選択肢も広がるだろう。
折り合いをつける學(xué)生がいる中で、モラトリアムの道を選ぶ學(xué)生もいる。
智聯(lián)招聘の調(diào)査によると、2022年度大學(xué)卒業(yè)生のうち、しばらく休んでから、再び就職活動(dòng)をすることを指す「スロー就職」を選択する割合が上昇している。今年「スロー就職」を選択した學(xué)生は前年比3ポイント増の15.9%に達(dá)した。
今年卒業(yè)見(jiàn)込みの修士課程の大學(xué)院生のうち、博士課程への進(jìn)學(xué)を選択する院生の割合が、昨年と比べ顕著に増加した。智聯(lián)招聘の採(cǎi)用データによると、2021年度に博士課程進(jìn)學(xué)を選択した修士課程の院生は4.3%にすぎなかったが、今年は11%に大幅に増加した。今後、「修士課程受験ブーム」が「博士課程受験ブーム」に変わる可能性が高い。
ただ、博士課程に進(jìn)學(xué)する人が増えるということは、博士號(hào)取得者の就職競(jìng)爭(zhēng)がより厳しくなることを意味する。博士の受け皿を増やさなければ、行き場(chǎng)を失う博士が増えることになる。また、競(jìng)爭(zhēng)に敗れた博士が企業(yè)などで活躍できるようにするための職業(yè)紹介?教育體制も必要となる。
「スロー就職」も、博士課程への進(jìn)學(xué)も、來(lái)年や3年後の雇用情勢(shì)好転を期待してのいわば「時(shí)間稼ぎ」だ。だが、その時(shí)の雇用情勢(shì)は好転しているかは誰(shuí)にも見(jiàn)通せないし、今度は新卒との競(jìng)爭(zhēng)になる。
モラトリアムの時(shí)期に、どのようにして自分に付加価値をつけていくかを大學(xué)の頃から教えることが必要だと思う。
■筆者プロフィール:吉田陽(yáng)介
1976年7月1日生まれ。福井県出身。2001年に福井県立大學(xué)大學(xué)院卒業(yè)後、北京に渡り、中國(guó)人民大學(xué)で中國(guó)語(yǔ)を一年學(xué)習(xí)。2002年から2006年まで同學(xué)國(guó)際関係學(xué)院博士課程で學(xué)ぶ。卒業(yè)後、日本語(yǔ)教師として北京の大學(xué)や語(yǔ)學(xué)學(xué)校で教鞭をとり、2012年から2019年まで中國(guó)共産黨の翻訳機(jī)関である中央編訳局で黨の指導(dǎo)者の著作などの翻訳に従事する。2019年9月より、フリーライターとして活動(dòng)。主に中國(guó)の政治や社會(huì)、中國(guó)人の習(xí)慣などについての評(píng)論を発表。代表作に「中國(guó)の『代行サービス』仰天事情、ゴミ分別?肥満?彼女追っかけまで代行?」、「中國(guó)でも『おひとりさま消費(fèi)』が過(guò)熱、若者が“愛(ài)”を信じなくなった理由」などがある。
Record Korea
2022/5/6
池上萬(wàn)奈
2022/5/7
Record Korea
2022/5/3
人民網(wǎng)日本語(yǔ)版
2022/5/2
人民網(wǎng)日本語(yǔ)版
2022/4/29
Record China
2022/4/12
ピックアップ
we`re
RecordChina
この記事のコメントを見(jiàn)る