中國(guó)が取り組む「以人為本」の都市化、計(jì)畫経済が殘した宿題の解消へ

Record China    2014年1月16日(木) 14時(shí)14分

拡大

中國(guó)の都市化は「新型都市化」と言われるように、今までの都市化ではない、新たな都市化を目指しています。この新型の含意について考えてみます。

(1 / 2 枚)

中國(guó)の都市化は「新型都市化」と言われるように、今までの都市化ではない、新たな都市化を目指しています。この新型の含意について考えてみます。

その他の寫真

■人間本位の経済開発

この新型が意味するのは胡錦濤政権では「以人為本(人を以って本となす)」と呼ばれていた、人間本位の経済開発です。新型都市化は「人を中心とした都市化」という意味を含んでいます。

なぜ人に注目するのでしょうか。それは中國(guó)の都市化は「都市建設(shè)だと理解されてきた」(関志雄(2013)『中國(guó) 二つの罠』日本経済新聞社,p.72)ために、都市で働き生活する人々の生活向上が考えられてきませんでした。計(jì)畫経済時(shí)代には農(nóng)村から労働を調(diào)達(dá)し都市建設(shè)と稱して國(guó)有企業(yè)建設(shè)やそれにまつわるアパート群の建設(shè)が行われてきました。しかし都市建設(shè)が一段落すると農(nóng)民は農(nóng)村に帰されたのです。

実は、現(xiàn)在でも似たような狀況が続いています。いわゆる都市部で経済建設(shè)に従事する農(nóng)民工です。

都市の常住人口は6億6570萬(wàn)人です(2010年)。しかしそのうち半分近くの3億960萬(wàn)人が農(nóng)業(yè)戸籍のままです(2010年人口センサス)。農(nóng)業(yè)戸籍のまま都市に住んでいる農(nóng)民たちは都市部で差別的待遇にあっています。これまで農(nóng)民は都市に住むためには「暫定居留証」や「就業(yè)許可証」がないと住むことができません。この條件を満たさない農(nóng)民は強(qiáng)制的に農(nóng)村に追い返されます。日本でいう不法滯在扱いです。農(nóng)民は都市建設(shè)を支えるものの、その目的を達(dá)成すればあくまで帰村してもらうという対象だったのです。

「新型都市化」は都市部に住む農(nóng)民の定住化、都市住民化を目指します。ただ都市建設(shè)としての労働者ではなく、都市に住む住民としてもともと都市に住んでいる人々と同じ待遇になるということが必要なのです。

■新型都市化を阻む制度的障害

単純に私たち日本人は思います。戸籍制度を撤廃して農(nóng)民を都市住民にして、平等な教育、社會(huì)保障を都市に住む農(nóng)民に提供すればいいじゃないかと。なぜさっさとやらないのかと。

実はこの裏には中國(guó)の計(jì)畫経済時(shí)代から持ち越している大きな制度的な障害が複雑に絡(luò)み合っているために戸籍制度を撤廃すれば簡(jiǎn)単に問題解決というわけにはいかないのです。

1:戸籍

農(nóng)業(yè)戸籍と非農(nóng)業(yè)戸籍(都市戸籍)の分離は有名です。でも戸籍の改革は進(jìn)んでいます。とくに2011年からの第12次五カ年計(jì)畫以降は,大都市(北京,上海,広州)などは除いて基本的に條件の揃っている農(nóng)民には都市戸籍を與えるとしています(「中國(guó)の戸籍制度改革が進(jìn)展???」)。

都市部で定住場(chǎng)所があり、ある程度の収入と職がある農(nóng)民工は都市住民になることが可能になりました。もっとも制限が緩んだといっても教育の低い農(nóng)民が都市で安定的な仕事を持つことは難しいですし、職の安定しない農(nóng)民が安定した居住場(chǎng)所を持つことも難しいです。

2:土地

農(nóng)村の土地は「集団所有制」です。農(nóng)村の郷鎮(zhèn)政府が所有する土地です。農(nóng)民は請(qǐng)負(fù)権という農(nóng)地を耕す権利を持っていますが、所有権はありません。また農(nóng)地を耕す権利、請(qǐng)負(fù)権も30年のみです(都市部の住宅地は70年、工業(yè)用地は50年、商業(yè)用地は40年の使用権が認(rèn)められている)。農(nóng)民が都市部で戸籍を転換するとこの請(qǐng)負(fù)権を消失します。農(nóng)民にとって土地は都市部で失業(yè)した場(chǎng)合の社會(huì)保障になっていますので、そう簡(jiǎn)単に都市戸籍を得るわけにはいきません。

この請(qǐng)負(fù)権も第12次五カ年計(jì)畫で転売等が認(rèn)められるようになりました。また2013年11月の三中全會(huì)では農(nóng)民の宅地の所有権を認(rèn)め、それを売買することを可能にするとしています。これは大きな改革です。農(nóng)民は請(qǐng)負(fù)権と宅地所有権を売ることによってキャピタルゲインを得ることが可能だからです。これにより社會(huì)保障(年金や失業(yè)保険)の原資にすることが可能ですし、商売を始める元手にもなります。

3:定住環(huán)境

最後は都市部の定住環(huán)境です。農(nóng)民は都市戸籍がないという理由で都市住民と同じような待遇を得ることができません。例えば、労働政策研究?研修機(jī)構(gòu)は國(guó)家統(tǒng)計(jì)局の陝西チームが行った調(diào)査の結(jié)果を紹介しています。

それによると、陝西省農(nóng)民工の都市部醫(yī)療保険への加入率は4.2%、労災(zāi)保険への加入率は13.7%です。この地域では義務(wù)教育に戸籍制限を設(shè)けていないそうですが、都市部の公立學(xué)校に通學(xué)している農(nóng)民工の子どもは寶鶏市では64.5%,商洛市では89%です。

格差は居住狀況でも見られます。都市部に持ち家を購(gòu)入している農(nóng)民工はわずか0.4%で、80.9%は民間の賃貸住宅または社員寮に住んでいるのです。(獨(dú)立行政法人労働政策研究?研修機(jī)構(gòu)2013年11月)

■絡(luò)み合った複數(shù)の難題

このように新型都市化を妨げているのは、戸籍?土地?社會(huì)保障など中國(guó)が計(jì)畫経済から持ち越してきた制度的な障害です。これらが相互に絡(luò)み合っているために一つを解決すれば全て解決できるというわけにはいきません。

戸籍を緩和しても、農(nóng)民にとっては土地が奪われるだけですし、長(zhǎng)時(shí)間で危険なところで働かされるという就業(yè)問題が解決するわけではありません。土地の請(qǐng)負(fù)権を売買できる、宅地所有権を売買できるといっても、今まで集団所有制であった土地の権利を確定することは他の農(nóng)民との衝突を生むとともに、郷鎮(zhèn)政府の幹部にとって悩ましい問題となります。都市で働いている農(nóng)民の就業(yè)、教育、住宅環(huán)境は差別的です。じゃあこの差別を解消するために、戸籍を緩和しようとしても話は最初に戻ります。つまり問題はそれぞれが複雑に絡(luò)み合っているので、一筋縄で解決できるものとはなりません。

「新型都市化」は、今までの「移行経済」?fàn)顟B(tài)で積み殘されている「計(jì)畫経済」の制度の部分を本當(dāng)になくしていく、いわゆる本當(dāng)の「改革」だと言えるのです。

▼筆者プロフィール:岡本信広

大東文化大學(xué)國(guó)際関係學(xué)部教授。1967年徳島県生まれ。著書に『中國(guó)?奇跡的発展の「原則」』アジア経済研究所、『中國(guó)の地域経済?空間構(gòu)造と相互依存』日本評(píng)論社がある。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜