Record China 2014年1月7日(火) 19時(shí)56分
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「天安門事件以來最大の政治事件」と呼ばれる薄熙來事件。全體の見通しを示すようなまとめは何度かチャレンジしたものの、まだ書けていない。というのもあまりに膨大な噂やデマがあり、すっきりとした筋書きを描くのが困難なのだ。
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「天安門事件以來最大の政治事件」と呼ばれる薄熙來(ボー?シーライ)事件。全體の見通しを示すようなまとめは何度かチャレンジしたものの、まだ書けていない。というのもあまりに膨大な噂やデマがあり、すっきりとした筋書きを描くのが困難なのだ。
【その他の寫真】
だが、今回ご紹介する『紅の黨 完全版』(朝日新聞中國(guó)総局)を読んで、再び刺激を受けてまとめにチャレンジしようと思っている。
目次:
プロローグ
第1部 薄煕來
第2部 赤い貴族
第3部 指導(dǎo)者たち
第4部 エリート
第5部 中南海
エピローグ
付記
?薄煕來事件の顛末
?第18回黨大會(huì)
?「習(xí)李體制」の発足
■ゴシップネタを本気で調(diào)査
本書は朝日新聞中國(guó)総局による連載記事をまとめたもの。連載後の新動(dòng)向などについて解説している付記もついている。その特徴としてはたんなるストレートニュースを踏み越えて、香港などの中國(guó)政治ゴシップ紙が扱っているような怪しげなネタを本気で追いかけている點(diǎn)だ。
中國(guó)の政治ゴシップを報(bào)じるメディアには大ホームランが含まれていることも少なくないが、一方でまったくのデマも大量に含まれている。そうしたあやふやなネタを日本メディアらしいきまじめさで、できるかぎり真相に迫ろうとしているわけだ。薄熙來の息子、瓜瓜(グアグア)くんの英國(guó)生活を探るため、わざわざ英國(guó)出張までして調(diào)査していたりと、人手とお金がかかっている感が素晴らしい。一般の書籍でこれだけのコストをかけることはできないわけで、コストパフォーマンス的なお得感が半端ない。
ただし、そこまでしても怪しげな噂のすべての裏を取ることができるわけではないし、大手新聞社的な慎ましさからか大きな見取り図を描けているわけでもない。それでも相當(dāng)多くのネタに手を出し、限界まで接近しようとした努力を認(rèn)めるべきだろう。
■薄熙來事件とはなにか
いわゆる薄熙來事件とはなんだったのか。中國(guó)の政治にどのような影響を及ぼしたのか。と質(zhì)問されてすらすら答えられる人はそういないはずだ。個(gè)人的には薄熙來事件とは、「妻?谷開來(グー?カイライ)の英國(guó)人毒殺→王立軍(ワン?リージュン)重慶市副市長(zhǎng)の亡命未遂→薄熙來の失腳→令計(jì)畫息子がフェラーリで事故→習(xí)近平(シー?ジンピン)體制の誕生と団派勢(shì)力後退の人事→これから始まる周永康(ジョウ?ヨンカン)の処分」までがワンセットになったものと考えている。
そしてこの一連の事件の中には無數(shù)の偶然が詰まっている。薄熙來が王立軍をビンタしなかったら。令計(jì)畫息子がフェラーリで事故らなかったら。おそらく習(xí)近平體制の現(xiàn)狀は大きく変わっていたはずだ。
ビンタや事故と政局の因果関係はわからないと言われるかもしれない。しかし中國(guó)の政治はそういう見えにくい力関係や取引で動(dòng)いているのも事実なのだ。例えば2008年に呉儀(ウー?イー)副首相(當(dāng)時(shí))は引退後、名譽(yù)職など一切の職から退くことを宣言し絶賛されたが、実は「わたしは引退するから、薄熙來を副首相にするのはやめてな」という取引だったという。どう考えても呉儀の引退と薄熙來の昇進(jìn)につながりはないはずなのだが、「呉さんがそうおっしゃるなら」と共産黨元老たちがその話をのみ、薄熙來は地方どさ回りコース、重慶市委書記へと転出することになる。中國(guó)の政局ではこうした腹蕓というか、よくわからない駆け引きが頻繁に行われているわけだ。
本書はそうした腹蕓の連鎖が作り出した全體像について見取り図を描くことを慎んではいるが、しかし理解するための貴重なヒントが多數(shù)含まれている。
特に胡錦濤(フー?ジンタオ)の懐刀、令計(jì)畫(リィン?ジーホア)についてここまで掘り下げた本は他にないのではないか。詳細(xì)については本書を読んでほしいが、田舎の天才くん、令計(jì)畫が共産主義青年団への參畫を通じて出世。習(xí)近平體制でもさらなる出世が期待されていたのに、ばかぼんの息子がフェラーリで事故ったことで將來を閉ざされるというストーリーは涙なしでは読めない。
なおフェラーリに同乗していた女性はチベット人で、しかも衣服を身に著けていなかったという情報(bào)もあったのだが、そこについては觸れられていないのが殘念ではあった。
◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち?こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中國(guó)経験を活かし、海外の視點(diǎn)ではなく中國(guó)の論理を理解した上でその問題點(diǎn)を浮き上がらせることに定評(píng)がある。獨(dú)自の切り口で中國(guó)と新興國(guó)を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運(yùn)営。
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