2020年6月1日、米華字メディア?多維新聞は「中國(guó)本土で6億人が月収1000元（約1萬5000円）という李克強(qiáng)（リー?カーチアン）首相の話が大きな議論を巻き起こしたのはなぜか」とする記事を掲載した。

記事は、5月28日の全國(guó)人民代表大會(huì)（全人代）閉幕後に人民日?qǐng)?bào)の記者から質(zhì)問を受けた李首相が「毎月の収入が1000元の人は6億人いる」と語ったことを紹介。今年が脫貧困の鍵となる年、全面的な「小康社會(huì)」の目標(biāo)達(dá)成の年と位置付けられてきたこともあり、「6億人が月収1000元」という発言が國(guó)內(nèi)外から注目を集め、中國(guó)のSNS上でもホットワードになったと伝えた。

その上で、実際のところ中國(guó)は自らを「世界最大の発展途上國(guó)」を位置付け続けることで、「発展途上地域」としての経済、貿(mào)易上の優(yōu)遇を得続けようとしていると同時(shí)に、1人當(dāng)たりのGDPでは確かに依然として世界の中間レベルに甘んじていると指摘?！袱长韦长趣?、李首相の話は驚天動(dòng)地の大暴露ではなく、ネットでちょっとでも調(diào)べれば誰もが理解できるような事実にすぎない」とした。

そして、「事実」を述べたに過ぎない李首相の発言がまるで新大陸を発見したかのような反応が世間で見られた背景には、日常的に「中國(guó)モデル」「世界第2の経済大國(guó)」「世界の工場(chǎng)」といった言葉がニュースとして伝えられる一方で、貧困問題に関するデータの露出が相対的に少ないことがあるとした。

また、中國(guó)収入分配研究所の李実（リー?シー）執(zhí)行院長(zhǎng)が「月収1000元」について、総収入から日常の支出を差し引いた可処分所得であること、「6億人」については高齢者、児童、學(xué)生などの被扶養(yǎng)者を含めた人口であることを説明したという。

さらに、貧困問題に関するデータに日常的に觸れている李首相と一般市民の間で「月収1000元」に対する印象がややずれている可能性もあると記事は指摘?！?000元は都市部においては低収入であるものの、農(nóng)村の貧困地域では決して低収入ではない」とし、2016年に定められた貧困ラインが「年収約3000元（約4萬5000円）、月収約250元（約3800円）」となっていることを紹介した。また、中國(guó)政府がしばしば貧困脫出の模範(fàn)として挙げている四川省の村でも、1人當(dāng)たりの年収は6000元（約9萬円）前後、すなわち月収500元（約7500円）前後に過ぎないとしている。

その上で記事は、李首相の発言について「何はともあれ、大風(fēng)呂敷を広げるよりも事実を語る方がいい」と評(píng)価するとともに、「中國(guó)本土の『発展中』狀態(tài)を少しでも理解していれば、『6億人が月収1000元』という表現(xiàn)についてそこまで目くじらを立てることはない」と結(jié)んでいる。（翻訳?編集/川尻）