わずか10カ月の間に、香港の「逃亡犯條例」改正案をめぐるデモ、新型コロナウイルスの流行、中國(guó)政府による「香港國(guó)家安全法」制定方針の採(cǎi)択という歴史的な出來事に相次いで直面した日本人留學(xué)生がいる。留學(xué)計(jì)畫が大いに狂ったことから「世界一かわいそうな留學(xué)生」を自稱し、YouTubeで活動(dòng)中のリンモクさんだ。レコードチャイナはリンモクさんに激動(dòng)の留學(xué)生活を聞いた。

◇香港に留學(xué)しようと思ったのはなぜですか？

2015年に深セン大學(xué)に留學(xué)し、香港にもよく出掛けていました。出會(huì)った香港人と交流していくうちに、外向きな思考や逆境にめげない姿勢(shì)など、私にはないものを香港人が持っていると感じるようになり、魅了されました。そのため香港に根を張って長(zhǎng)く生活したいと思い、留學(xué)を決めました。

◇香港のデモは留學(xué)生活にどのような影響を與えましたか？

香港には昨年の8月中旬に來ました。當(dāng)初からデモは生活の一部で、授業(yè)初日は學(xué)校も抗議活動(dòng)の開催地でした。前期課程はデモの影響で入學(xué)から2カ月で休校になってしまいました。それからは教授が録畫した?jī)?nèi)容を元に家で勉強(qiáng)したり、家で黙々と課題をこなしたりしました。個(gè)人的には學(xué)校で英語(yǔ)でのプレゼンテーションやディスカッションなどを練習(xí)したかったのですが、仕方ないと考えています。

◇デモに鉢合わせたそうですが、どのような狀況でしたか？

繁華街で買い物をしていた時(shí)、デモ現(xiàn)場(chǎng)の中心に居合わせてしまい、催涙弾を浴びました。浴びた直後はワサビのような辛さを感じて涙が止まらなくなり、すぐに露店で水を購(gòu)入して目を洗い流しました。もう二度と浴びたくないです。

◇新型コロナウイルスに感染した疑いで強(qiáng)制隔離されたそうですが、直前はどのように過ごしていましたか？

河南省信陽(yáng)市近郊の農(nóng)村にある友人の実家に行っていました。河南省は湖北省の隣で、武漢市から高速鉄道で約1時(shí)間（約200キロ?東京都から靜岡県中部ほどの距離）ですが、當(dāng)時(shí)友人からは新型コロナウイルスの影響は出ていないと聞いていました。1月23日に往路で封鎖された直後の武漢市を通りましたが、翌日無事に農(nóng)村に到著し、友人や地元の人々から熱烈な歓迎を受けました。

◇當(dāng)時(shí)は新型コロナウイルスの流行が加速していたと思います。帰り道はいかがでしたか？

滯在先が封鎖される恐れがあったため、予定よりも早く帰ることにしました。ところが、普段は1～2萬(wàn)円の航空チケットが8萬(wàn)円程に高騰していました。お金がなかったので、ルートを大幅に変更してなんとか帰りました。

◇なぜ強(qiáng)制隔離されたのですか？

帰宅後、熱っぽくなったので病院に行きました。直前に武漢市を通過していたことも決め手となり、新型コロナウイルスに感染した疑いで醫(yī)師から強(qiáng)制隔離を言い渡されました。病棟に案內(nèi)されるまでに時(shí)間がかかった上、翌朝5時(shí)にPCR検査を受けるまで眠れず、精神的にも身體的にも疲れました。

さらに入院中、香港の日本領(lǐng)事館から私の感染が確定したら香港で初の日本人感染者になると説明を受け、不安になりました。しかしその日のうちに看護(hù)師さんがうれしそうに検査結(jié)果が陰性だったと教えてくれ、退院が決まりました。かなりホッとしましたね。

◇退院後の生活はいかがでしたか？

新型コロナウイルスの感染予防のため、後期課程の授業(yè)はオンラインになりました。結(jié)局、學(xué)校で授業(yè)を受けられたのは始めの2カ月だけです。就職活動(dòng)にも影響が出ており、厳しい狀況です。

◇中國(guó)政府が「香港國(guó)家安全法」の制定方針を採(cǎi)択して以來、香港はどのような狀況ですか？

再びデモの動(dòng)きが高まっています。私は一度催涙弾を浴びた経験から、デモがある日は基本的に家にいるか、近づかないようにしています。デモの規(guī)模や過激さは昨年11月以前ほどではありません。ただ、警察とデモ隊(duì)が衝突したり、逮捕者が出たりしており、徐々に勢(shì)いが増していっている印象です。今後も引き続き様子を見ていく必要があると考えています。

◇香港では今、どのように新型コロナウイルスの感染予防をしていますか？

暑くなってきましたが、今もみんなマスクを著けています。暑くても徹底している姿に、香港人の感染予防意識(shí)の高さを感じます。私自身も外出の際はどんなに暑くてもマスクを著用しています。

◇「かわいそうな留學(xué)生活」を振り返って、得たものはありますか？

いろいろな出來事に直面しましたが、客観的に中國(guó)社會(huì)を考えるきっかけになったと前向きに考えています。情報(bào)が錯(cuò)綜（さくそう）する中、メディアリテラシーを意識(shí)するようにもなり、成長(zhǎng)できました。強(qiáng)制隔離中は看護(hù)師さんと広東語(yǔ)の練習(xí)をすることもでき、貴重な體験になったと思います。今後も長(zhǎng)く香港で生活して人々とのつながりを築き、日本人視點(diǎn)で香港の魅力を伝え続けたいです。（取材/毛利）