新型コロナウイルスの流行によって大きな打撃を受けている飲食店にとって、1つの救いになっているのが出前サービスだ。グルメメディア「ヒトサラ」を運(yùn)営するU(xiǎn)SEN Mediaが1日に発表したアンケート結(jié)果によると、回答した176店舗のうち、約30％が出前、または出前とテイクアウトの両方を新たに始めたという。新型コロナウイルスの流行が終わらない中、消費(fèi)者からの需要も高い。しかし、すでに出前サービスが普及している韓國と中國では今、問題點(diǎn)が浮き彫りになっている。

▼韓國社會に根付く「配達(dá)文化」

韓國には新型コロナ禍以前から出前や物品の配達(dá)システムが生活の中に深く根付いていた。種類の多さ、スピード、気軽さ、安さを兼ね備え、韓國社會に欠かすことができないものになっている。

出前メニューは多彩で、ラーメンやピザをはじめ、キンパ（韓國風(fēng)のり巻き）、ジャージャー麺、チキン、酒やつまみまで注文できる。営業(yè)時(shí)間內(nèi)なら深夜でも配達(dá)してもらえ、場所も自宅以外に公園や海などどんな場所でも屆けてくれる。食器も、配達(dá)員が殘飯用のバケツをのせたバイクで回収に來る。

スマートフォンの専用アプリを使ったサービスも普及している。その一つ「配達(dá)の民族」では、さまざまな料理の出前や食材の配達(dá)を頼むことができるほか、出前を取り扱っていないレストランの料理も配達(dá)してくれる。

また、2015年に登場した「早朝配送」は30～40代のライフスタイルを完全に変えたとの評価を受けている。翌日の朝食用のおかずなどを就寢前に注文すると早朝には自宅に屆く。仕事と育児に忙しいワーキングマザーを中心に支持を得ているそうだ。利用者の一人は「新鮮な食品を受け取って冷蔵庫に入れてから出勤できるため繰り返し利用している」と話している。

▼競爭激化が事故を誘発、配達(dá)員の死亡も

便利さが広がる一方、業(yè)界內(nèi)の競爭は激化した?！赴菠?、早い」を追求する中、配達(dá)員の事故が多発しているほか、配達(dá)バイクが歩道を通るなど危険走行も問題になっている。

配達(dá)員の過重労働の問題も指摘されている。新型コロナの感染拡大を受けて宅配業(yè)者の取扱量はさらに増加。3月にはインターネット通販大手「クーパン」で荷物の配送を擔(dān)當(dāng)していた男性スタッフが、配達(dá)先の前で倒れているのが発見され、その後死亡した。過重労働が原因と見られており、ネットユーザーからは「法整備が必要だ」「夜間配達(dá)は無くすべき」といった聲が上がった。

韓國社會で発展してきた「配達(dá)文化」は今、配達(dá)員の安全管理と労働環(huán)境の改善が喫緊の課題となっている。

▼中國の職場、晝食は弁當(dāng)ではなく出前も

中國でも出前サービスは生活の一部になっている。2017年に中國で流行した言葉「中國の新四大発明（オンライン出前サービスを含む電子商取引、高速鉄道、QRコード決済、ライドシェアサービス）」の一つに挙げられたほど。タピオカドリンクから火鍋、ザリガニ料理まで、さまざまなメニューをアプリで注文できる。注文の最低価格は300円程度の店もあり、「500円以上注文すれば半額」といったキャンペーンも豊富だ。晝食は弁當(dāng)ではなく職場で出前を頼む人も多い。

中國の電子商取引を研究する網(wǎng)経社電子商務(wù)研究センターが今月8日に発表した統(tǒng)計(jì)によると、2019年の中國のオンライン出前サービスの市場規(guī)模は2912億5000萬元（約4兆4165億円）、利用者數(shù)は4億2300萬人に上った。新型コロナウイルスが流行してからは、社會インフラとしてもより重要な存在になっている。

▼手?jǐn)?shù)料の引き上げ相次ぎ、飲食店を圧迫

しかし、サービス開始時(shí)から飲食店が負(fù)擔(dān)する手?jǐn)?shù)料率が上がり続けており、飲食業(yè)界で不満が高まっている。最大手の出前サービス會社「美団點(diǎn)評」の手?jǐn)?shù)料率はもともと8％だったが、現(xiàn)在一部の店では20％以上に跳ね上がっている。このため今年4月には広東省の飲食業(yè)界の団體が手?jǐn)?shù)料率の引き下げを求めて提訴。「飲食店の限界を越えている」などと主張し、「美団點(diǎn)評」との対決姿勢をあらわにした。

手?jǐn)?shù)料は出前サービス會社の主な収入源である上、「美団點(diǎn)評」は手?jǐn)?shù)料の80％を配達(dá)員の給料に當(dāng)てているとしている。中國の人件費(fèi)は右肩上がりに上昇しているため、手?jǐn)?shù)料率を下げるのは難しいだろう。中國の出前サービス業(yè)界は明らかな寡占狀態(tài)で、2019年第3四半期のシェア率は、「美団點(diǎn)評」が65％、次位の「餓了麼」が25％だった?，F(xiàn)狀ではこの2つの業(yè)者とうまく関係を続けるほかなさそうだ。

▼衛(wèi)生面の問題も発生

注文者の目が屆きにくいことから、衛(wèi)生面の問題も発生している。出前専門の店が増えるにつれて場所の確保が難しくなったこともあり、2017年にはトイレで調(diào)理している店の存在がメディアで報(bào)じられた。こうした事態(tài)を受け、中國政府は2018年に「インターネット飲食デリバリーサービス食品安全監(jiān)督管理弁法」を施行?！甘称钒踩ā工飧恼筏骑嬍车辘涑銮哎旦`ビス會社に対する監(jiān)視や取り締まりを強(qiáng)化するなど、解決に向けた取り組みを進(jìn)めている。

中國メディアの央視新聞によると、今年5月には出前で人気のフライドチキン店に鶏肉を提供していた加工場が、大量の腐った肉を扱っていたとして摘発された。消費(fèi)者が安心して利用できるのはまだ先になりそうだ。（編集/毛利?関）