中國(guó)ではこのところ、笑気ガスの亂用を問(wèn)題視する報(bào)道が相次いでいる。新華社系の新華網(wǎng)は2020年6月9日付で「笑いの中に刀がある」などの文言を使って同問(wèn)題を扱う記事を掲載し、18日にも続報(bào)を掲載した。その他、澎湃新聞や銭江晩報(bào)なども各地の狀況を伝えている。

笑気ガスとは亜酸化窒素の通稱で、18世紀(jì)末ごろから全身麻酔薬として醫(yī)療目的で使われるようになった。中國(guó)でのこれまでの報(bào)道によると、笑気ガスを亂用するのは主に若年層で「吸引すると甘ったるい気分になり、時(shí)間が停止したように感じる」などの、陶酔感を求めて使用するという。

笑気ガスは醫(yī)師の指示のもとに醫(yī)療目的に使うならば健康に対する影響はないが、常用すると體內(nèi)におけるビタミンB12の代謝を阻害するため、各種の欠乏癥の原因になり、重癥になれば精神錯(cuò)亂、知力障害、視聴の生涯、筋力の低下、さらには全身まひをもたらす場(chǎng)合もあるという。

中國(guó)では國(guó)家に指定された麻薬類や覚せい剤が「毒品（ドゥーピン）」と呼ばれ密造や密売をした場(chǎng)合には厳しい刑事処罰の対象になるが、中國(guó)人の法律専門(mén)家によると笑気ガスは今のところ「毒品」には含まれていない。ただし「危険化學(xué)品目録」には掲載されており、2017年12月には笑気ガスをSNSを通じて販売していた業(yè)者が、同目録の掲載化學(xué)品を「無(wú)許可で扱った」として、笑気ガスの販売に関連して初めて摘発されている。

また中央政府の関連部門(mén)はこれまでに、笑気ガスを個(gè)人に販売したり個(gè)人が購(gòu)入したり使用することを禁止することを発表している。しかし、醫(yī)療や産業(yè)のために必要な物質(zhì)でるため、製造許可を持つ企業(yè)が「橫流し」して販売することを撲滅するのは難しいとの見(jiàn)方もある。

澎湃新聞の18日付報(bào)道によると、山東省政府は同日、省內(nèi)で笑気ガスの違法売買で摘発された案件は2017年には3件、18年には5件、19年には20件発生しており、20年には現(xiàn)時(shí)點(diǎn)までで51件に達(dá)した。笑気ガスを亂用していたと分かった人は17年には8人だったが、20年には現(xiàn)在までに239人に達(dá)した。これまでの累計(jì)で、笑気ガスを亂用していた人の中で18－35年の年齢層が全體の約95．8％を占めるという。

寫(xiě)真は広東省仏山市と吉林省長(zhǎng)春市の警察の合同捜査で押収された、違法販売されていた笑気ガス。液化笑気ガス約3700リットルがあったという。（翻訳?編集/如月隼人）