<羅針盤>コロナ禍で苦境の音楽文化活動にもっと光を―立石信雄オムロン元會長

立石信雄    2020年6月28日(日) 5時20分

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文化蕓術(shù)は生活を潤し、豊かな感性を養(yǎng)い不可欠である。ところが新型コロナウイルス感染拡大を抑えるための政府イベント自粛要請により、コンサートや演劇公演は軒並み延期や中止となり苦境に陥っていると聞く。

文化蕓術(shù)は生活を潤し、豊かな感性を養(yǎng)い、人間社會に不可欠である。ところが新型コロナウイルス感染拡大を抑えるための政府イベント自粛要請により、コンサートや演劇公演は軒並み延期や中止となり苦境に陥っていると聞く。

最近になって劇場やホールは再開へ動き出したが、感染癥対策のガイドラインに従って「3密」を避けるため、客席を大幅に減らしている。同時に映像をオンライン配信する試みも広がるが、採算面は厳しい。

ふと想い出すのは世界各國で聴いたコンサートである?!敢魳Sに國境がない」ことを?qū)g感したのは米國の首都ワシントンでの演奏會だった。國際會議のあと、時間をつくってナショナル交響楽団を楽しんだ。コンサートホールは、あの桜で有名なポトマック川沿いにある軍艦のように大きなJ?F?ケネディセンターの中にあった。ちなみにこのケネディセンターの名譽(yù)會長にはブッシュ、レーガン、カーター、フォード、ニクソン、ジョンソンといった歴代の大統(tǒng)領(lǐng)夫人が名を連ね、多くの財(cái)団、企業(yè)、個人からの資金で運(yùn)営されている。その層の厚さにさすがに米國という感を持った。

ワシントンでのコンサートはチヤイコフスキーの壯大な「戴冠式」で始まり、同じく「ピアノ協(xié)奏曲第一番作品23」「ロココによる主題の変奏曲」ラベルの「ラプソディー」と続いた。 指揮者はロストロポピッヂであった。ソルジェニーツィンを擁護(hù)したことで舊ソ連から追放され米國に亡命、人権主義者としても有名であった。ときに繊細(xì)にタクトを振り、ときにはのけぞらんばかりに両手を振り回すジェスチャーに何か祖國への熱き想いを訴えているように感じた。

曲が終わると、カーテンコールごとにその曲での主役を演じた団員の人たちに自ら握手を求める心配りや感性の豊かさ、その指揮者への畏敬と敬慕の入り混じった団員のまなざし等、その醸し出す雰囲気に私自身熱いものを禁じ得なかった。  

またピアノはキューバ生まれのアメリカ人、チェリストはブラジル人、バイオリニストはアルゼンチン人、団員の申に日本、中國、韓國の人たちの名前もある。これこそ國境超えて創(chuàng)り出すハーモニーなのだ。世界で紛爭が多発し、悲しいニュースが絶えない昨今、國連加盟の約200カ國の音楽家が「世界の平和」を奏でる日が一日も早く來てほしいものである。

コロナ禍に揺れる2020年の世界に戻ると、打撃を受けた文化蕓術(shù)分野に、各國が手厚い支援をしている。日本でも、第2次補(bǔ)正予算で、年間の文化予算額の半分にあたる約560億円が計(jì)上された?;扭溲菽郡碎vする資料購入など、公演に向けた活動を後押しするほか、動畫収録や配信などの取り組みを積極的に行えば、最大150萬円の支援が受けられるという。

活動自粛を余儀なくされていたプロのフリーランスや20人以下の小規(guī)模団體への支援を手厚くしたとされる。數(shù)カ月にわたって収入源が途絶えたままで、活動するための経済的な體力がほとんどないケースも多いと聞くが、要望していた給付金にはほど遠(yuǎn)いという。安心して劇場やホールに足を運(yùn)ぶことができる環(huán)境整備も必要だろう。

(羅針盤篇56)

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機(jī)販売に入社。1965年立石電機(jī)(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽(yù)文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽(yù)會長。エッセイスト。

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