米國(guó)のポンペオ國(guó)務(wù)長(zhǎng)官は13日、中國(guó)が南シナ海のほぼ全域で領(lǐng)有権を主張していることについて、「完全に不法」と拒否する聲明を発表した。米政府が公式に中國(guó)の主張を否定するのは異例。翌14日には南シナ海のスプラトリー（中國(guó)名?南沙）諸島の周辺海域で「航行の自由」作戦を?qū)g施した。

ポンペオ長(zhǎng)官は聲明で、中國(guó)が領(lǐng)有権を爭(zhēng)う周辺國(guó)に対して威圧したり武力を行使したりしていると指摘し、「南シナ海を自らの海洋帝國(guó)として扱うことを世界は許さない」と厳しく非難した。中國(guó)が人工島を造成し、滑走路を整備したスプラトリー諸島のミスチーフ礁について「完全にフィリピンの主権?管轄権下にある」と言明し、中國(guó)の領(lǐng)有権主張を否定した。ベトナムやマレーシア、インドネシアなどとの係爭(zhēng)海域での中國(guó)の主張についても「拒否する」と強(qiáng)調(diào)した。 　

南シナ海問(wèn)題をめぐっては、オランダ?ハーグの仲裁裁判所は2016年年7月12日、南シナ海のほぼ全域を囲い込む「九段線」の內(nèi)側(cè)に自らの主権が及ぶとする中國(guó)の主張に法的根拠がないとする判決を出した。ポンペオ長(zhǎng)官はこの判決が「最終的かつ當(dāng)事國(guó)を法的に拘束するものだ」として、中國(guó)に受け入れるよう迫った。

聲明翌日の14日、米太平洋艦隊(duì)は第7艦隊(duì)（神奈川県橫須賀市）所屬のミサイル駆逐艦「ラルフ?ジョンソン」がスプラトリー諸島の周辺海域で「航行の自由」作戦を?qū)g施したことを明らかにした。米メディアによると、同艦は中國(guó)が人工島を造成し人民解放軍の部隊(duì)を常駐させるクアテロン（華陽(yáng)）礁とファイアリークロス（永暑）礁から12カイリ（約22キロ）內(nèi)を航行したという。

フィリピンのロレンザーナ國(guó)防相は14日、「南シナ海にはルールに基づいた秩序があるべきだという國(guó)際社會(huì)の認(rèn)識(shí)に強(qiáng)く同意する」との聲明を発表。「中國(guó)が國(guó)際法を順守し、既存の國(guó)際協(xié)定を尊重することは、地域の安定にとって最善の利益だ」と主張した。

ポンペオ長(zhǎng)官委8日にも中國(guó)による沖縄県?尖閣諸島（中國(guó)名?釣魚(yú)島）周辺海域への領(lǐng)海侵入や南シナ海への進(jìn)出を挙げ、「中國(guó)は領(lǐng)土紛爭(zhēng)をあおっている。世界はこのいじめを許すべきではない」として、対決姿勢(shì)を強(qiáng)めていた。

ポンペオ長(zhǎng)官の聲明に対し、中國(guó)外交部の趙立堅(jiān)報(bào)道官は14日の定例記者會(huì)見(jiàn)で「米國(guó)は南シナ海で騒ぎを引き起こし、中國(guó)と南シナ海の沿岸國(guó)を離間させようとしている」と述べ、「強(qiáng)烈な不満と斷固とした反対」を表明した。南シナ海は習(xí)近平政権にとって臺(tái)灣やチベットなどと並びどうしても譲れない「核心的利益」。米國(guó)が南シナ海問(wèn)題で旗幟（きし）を鮮明にし、大きく一歩踏み込んだことにより米中対立は新たな段階を迎えた。（編集/日向）