中國の都市化で欠かせないテーマは、「統(tǒng)籌城郷」（都市農(nóng)村一體化）です。この方針は2003年の第16期三中全會(huì)で打ち出されました。都市と農(nóng)村の一體化の具體的內(nèi)容は、農(nóng)民の都市住民化、農(nóng)地の都市建設(shè)用地化です。

【その他の寫真】

中國の都市化では、「人の都市化」という戸籍制度を代表とする二元制度の制約の打破が1つの焦點(diǎn)です。もう1つの焦點(diǎn)は耕地の保護(hù)という制約のもとでの都市化です。土地供給に制限のある中でどのように都市化を行うのか、中國の事例は他の途上國の都市化を考える上で、非常に參考になります。

■18億ムー（約1億2000萬ヘクタール）の耕地を保護(hù)する

中國の土地管理は、2002年の土地請負(fù)法、2004年の憲法、土地管理法の3つの法律によって行われています?；镜膬?nèi)容は、都市の土地は國家所有、農(nóng)村の土地（宅地も含めて）は農(nóng)民集団所有という二元制度になっているということです。

農(nóng)村の農(nóng)地は、土地経営請負(fù)制度によって農(nóng)村の集団や個(gè)人での使用が認(rèn)められています。そして農(nóng)民のこの土地使用権は譲渡可能になっていますが、非農(nóng)業(yè)建設(shè)用地としての利用は制限されています。都市化に必要なマンションや住宅の建設(shè)用地は國家所有に変更しないと利用できないことになっています。

なぜこのような複雑な制度になっているのでしょう。それは農(nóng)業(yè)を保護(hù)するために、18億ムーの耕地を保存するという重要な國策があるからです。農(nóng)業(yè)の発展は経済発展にとって土臺です。農(nóng)業(yè)の生産性が向上しないまま工業(yè)化が行われると、工業(yè)化原料を供給する農(nóng)業(yè)部門製品の価格が上昇し、工業(yè)の利潤を減少させ、再投資を不可能にします（これをリカードの罠という）。農(nóng)業(yè)と工業(yè)のバランスとれた発展が持続的成長に不可欠なのです。そのため、工業(yè)化による土地の亂開発を抑えるため、農(nóng)地の所有権を農(nóng)村集団所有という形にしています（これを農(nóng)村の管理という側(cè)面から支援しているのが戸籍制度）。

■都市化による土地需給問題

中國の耕地面積は減ってきています。19．88億ムー（約1億3260萬ヘクタール、1985年）から19．14億ムー（約1億2770萬ヘクタール、2001年）へ、それが2005年には18．31億ムー（約1億2210萬ヘクタール）、2010年には18．26億ムー（約1億2180萬ヘクタール）と2000年代前半に大きく減少しました。耕地はすでに18億ムーというレッドライン（紅線、死守すべき一線）すれすれという狀態(tài)になっています。

それに対して、都市建設(shè)用地の需要は高まっています。都市建設(shè)用地面積は2001年から2010年までの10年間で1億4081萬平方キロメートル（約2100萬ムー）の増大です。これは過去最高の數(shù)字でした。

國土資源部が2011年に通達(dá)した建設(shè)用地の指標(biāo)は670萬ムー（約44萬7000ヘクタール）です。ところが全國31省の用地需要の合計(jì)は1616萬ムー（約107萬8000ヘクタール）でした。つまり國家が用意する建設(shè)用地の供給は潛在需要の40％しかないということになります。

葉裕民（「中國城郷建設(shè)用地流轉(zhuǎn)的原因與効果」アジア経済研究所研究會(huì)配布資料、2013年11月25日）の推計(jì)によると、2030年までに都市化水準(zhǔn)の目標(biāo)が70％、総人口が15億人とすれば、都市人口は10．5億人になります。2010年の年人口が6．6億人ですので、都市人口はこれから3．9億人増加させる計(jì)算です。

都市の面積/人口が1平方キロメートル/萬人とすると，単純に3．9萬平方kmの都市建設(shè)用地が必要となります。2010年の耕地面積は18．2億ムーです。つまり18億ムーのレッドラインまであと0．2億ムー（約1．33萬平方キロメートル）しか殘っていません。つまり今後都市化をする上で、2．57萬平方キロメートルの土地が足らないということになります。（続く）

◆筆者プロフィール：岡本信広（おかもと?のぶひろ）

大東文化大學(xué)國際関係學(xué)部教授。1967年徳島県生まれ。著書に『中國?奇跡的発展の「原則」』アジア経済研究所、『中國の地域経済?空間構(gòu)造と相互依存』日本評論社がある。