7月30日に死去した臺(tái)灣の李登輝元総統(tǒng)をめぐる日本と韓國の反応が対照的だったと米誌「ニューズウィーク」が報(bào)じた。日本國內(nèi)からは死を悼む聲が多く寄せられたのに対し、韓國はメディアを含め冷淡。同誌はその理由として中國への忖度（そんたく）や李元総統(tǒng)が「親日家」だったことを挙げた。

同誌によると、李元総統(tǒng)に関する韓國の反応は臺(tái)灣の民主化などに大きく貢獻(xiàn)したにもかかわらず、冷たいのではないかと思われるものだった。文在寅大統(tǒng)領(lǐng)は公式にメッセージを発することもなく、外交部や駐臺(tái)灣韓國代表部もホームページやSNSを通じて李元総統(tǒng)に対する追慕のメッセージを送るどころか、逝去について言及することすらしなかった。

マスコミの報(bào)道も大差ないものだった。公共放送であるKBSは一日の出來事を総括的に振り返る「9時(shí)のニュース」でさえも死去のニュースが伝えられることはなかった。新聞?dòng)浭陇问降膜摔搐?jiǎn)単な李氏の経歴と死を伝えた程度だった。

韓國は1945年の終戦以來、蔣介石総統(tǒng)が率いた國民黨政府を「恩人」と位置付けてきた。日本統(tǒng)治時(shí)代、中國本土に亡命していた朝鮮の抗日運(yùn)動(dòng)家たちを支援してくれたことに対する感謝である。それは國民黨政府が內(nèi)戦に敗れ、臺(tái)灣に移ってからも続いた。そこには過去の「恩」もあったが、朝鮮戦爭(zhēng)以降、臺(tái)灣と韓國には「反共」という共通の価値観を持つ者同士の「絆」があった。

しかし、1992年に韓國は中國と國交を結(jié)ぶ同時(shí)に臺(tái)灣と斷交。そして中國が超強(qiáng)大國として浮上し、中韓の結(jié)び付きが経済を中心に深まった現(xiàn)在、韓國において臺(tái)灣は忘れられた、いや、忘れたい存在となった。在韓米軍に高高度迎撃ミサイル（THAAD）を配備しただけで中國から経済報(bào)復(fù)を受けたという経験、ひどく痛い目にあったことを多くの韓國人は鮮明に記憶している。

ニューズウィークが指摘したもう一つの理由は李元総統(tǒng)と日本の関係だ。李氏は日本軍少尉という経歴を持つのみならず、靖國神社を參拝するなど、韓國の立場(chǎng)から見れば非現(xiàn)実的な人物だ。朝鮮と同じ境遇、つまり植民地支配を受けた人間が何故、親日家でいられるのか、韓國人の目には理解しがたい人物だったのだ。

韓國のある新聞は李元総統(tǒng)が日本軍少尉となったことを「強(qiáng)制徴集」と表現(xiàn)した?！缸苑证我馑激朔搐筏茝?qiáng)制徴集される＝被害者」であることが常識(shí)となっている韓國において李元総統(tǒng)の日本愛は不可解でしかない。同誌は「強(qiáng)制徴集された被害者でありながら、親日家である同時(shí)に、國民から尊敬される人物の存在を韓國マスコミはうまく説明できないのだ」と伝えた。（編集/日向）