米國との関係が急速に悪化する中、中國國內(nèi)で、ドルを中心とする國際通貨システムから中國が締め出される恐れがあるとの不安が高まりつつある、とロイター通信が報(bào)じた。こうした懸念から中國政府は過去5年間停滯させていた人民元國際化の取り組みを再び強(qiáng)化しているという。

ロイター通信によると、中國がドル決済の枠組みから遮斷されたり、米國政府が中國の膨大なドル建て資産の一部を凍結(jié)ないし差し押さえたりするような最悪シナリオが中國の當(dāng)局者やエコノミストの間でここ數(shù)カ月、公然と論じられるという異例の光景が見られるようになった。

中國政府系シンクタンク?中國社會(huì)科學(xué)院のエコノミストで以前、人民銀行（中央銀行）のアドバイザーだったユー?ヨンディン氏は「広範(fàn)な金融戦爭はもう始まっている。（だが）最も致命的な手段はまだ使われていない」と話した。ユー氏は米國が発動(dòng)する究極の制裁は中國が保有するドル建て資産の接収になるとみている。

中國政府は1兆元（1400億ドル）超相當(dāng)の米國債を持っている。実際に接収するのは難しいし、米國政府にとって自滅行為にもなる。それでもユー氏は、現(xiàn)在の米國の指導(dǎo)層を「過激主義者たち」と定義し、デカップリング（分?jǐn)啵─慰赡苄预吓懦扦胜ひ陨?、中國は備えを固める必要があると訴えた。

中國証券規(guī)制當(dāng)局幹部のファン?ジンガイ氏は、中國は米國の制裁に対して脆弱（ぜいじゃく）であり、「早期」かつ「現(xiàn)実的」な準(zhǔn)備を整えるべきだと主張。6月に獨(dú)立系メディアの財(cái)新が主催したフォーラムでは既に多くのロシアの企業(yè)や金融機(jī)関が米國の制裁に対するもろさを露呈していると説明した。

中國が行う國際貿(mào)易は現(xiàn)在、ほとんどドル決済方式のSWIFT（國際銀行間通信協(xié)會(huì)）を経由しており、中國國內(nèi)の一部から、いざという場合に苦境に立ってしまうとの聲が出ている。中國政府は人民元國際化の取り組みを再び強(qiáng)化。人民銀行の上海事務(wù)所は7月、金融機(jī)関に人民元建て取引を拡大し、直接投資でローカル通貨を優(yōu)先使用するよう促した。

人民銀行の易綱総裁は9日、人民元國際化が順調(diào)に進(jìn)み、今年上期の國際間決済額が前年同期比36．7％増加したと公表した。易総裁によると、第1?四半期の世界の外貨準(zhǔn)備に占める人民元の比率は2％を突破。SWIFTのデータを見ると、6月には國際間決済で人民元がスイスフランを抜いて利用順位で世界第5位に上がった。

経済規(guī)模で世界第1位の米國と第2位の中國が完全にたもとを分かつ事態(tài)が起きる公算は少ないとはいえ、実現(xiàn)した場合の影響は甚大だ。ロイター通信は「米政府が中國をドル體制から排除し、その報(bào)復(fù)として中國が大量の米國債を売卻すれば、金融市場が大混亂して世界経済が痛手を受けかねないとアナリストは警戒している」と伝えた。（編集/日向