香港でも17日に封切りを迎えたディズニー最新作「ムーラン」だが、ボイコットの聲が拡大した影響か初日の興行収入は振るわず、公開中の米中合作の話題作「TENET テネット」に大きく水をあけられている。

映畫「ムーラン」については、主演した中國出身の女優(yōu)リウ?イーフェイ（劉亦菲）が昨年、香港の民主化を求めるデモを亂暴な手段で制圧しようとした香港警察に対し支持を表明したことや、少數(shù)民族?ウイグル人への中國政府による迫害問題も絡(luò)み、世界各地でボイコットの聲が広まった。

11日の中國公開に続き、香港でも17日に封切りを迎えたが、夜9時の時點(diǎn)で興行収入は12萬4000香港ドル（約168萬円）と振るわず。10日から公開されている「TENET テネット」が同137萬香港ドル（約1850萬円）で、10倍の差をつけられている。

デモの重要拠點(diǎn)にある有名な映畫館「旺角百老匯戯院」によると、17日の「ムーラン」は毎回、3割程度しか座席が埋まらず。同じ17日に封切られたアーロン?クォック（郭富城）主演の香港映畫「麥路人」と大きな差がついたという。

中國では公開7日目となった17日夜、興行収入は2億元（約31億円）に到達(dá)した。中國でも公開初日から、當(dāng)初の予測ほど數(shù)字が伸びないことが話題になり、興行ランキングでも初日は1位につけたが、その後はすぐに後退。昨年公開された同じディズニー映畫「ライオン?キング」の公開7日目と比較しても、數(shù)字は半分程度にとどまっている。

なお、「ムーラン」は中國の敘事詩「木蘭辭」を基にしたストーリーだが、中國では多くの人が學(xué)校で學(xué)び、広く知られた物語だ。それだけに米國人が描くムーランの世界に違和感を覚え、さらには史実と異なる演出が多いことに不満の聲もある。バラエティー誌、デッドライン、USAトゥデイ、AP通信といった米メディアがこぞって「ムーラン」を稱賛する記事を掲載したことに対し、中國版ツイッターでは「私たちの國で上映されているのは、本當(dāng)に同じ映畫なのだろうか？」といった話題も注目され、厳しい批判の意見も多く見られる。（Mathilda）