日本時間2日、トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)が新型コロナウイルスの検査で陽性だったことが明らかになった。日本では主に11月3日の大統(tǒng)領(lǐng)選への影響が注目されているが、中國の代表的SNSの一つである「微博（ウェイボー）」には日本時間2日午後2時45分現(xiàn)在、「爆笑」「頑張れよ！」などと皮肉る聲が次々に投稿されている。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)の感染は中國でも速報され、主要メディアは次々に、「微博」に関連情報を投稿した。中國人ユーザーもたちまち反応して、大量のコメントを投稿した。その多くが、大統(tǒng)領(lǐng)の感染を皮肉るものだ。

「なぜだか分からないが、私の周囲の人全員が、大爆笑している」「トランプ大統(tǒng)領(lǐng)先生、頑張れ！」といった書き込みが並ぶ。中には前日の10月1日が中國の建國記念日（國慶節(jié)）であったことから、「新中國成立71周年に対してのプレゼント」といった書き込みもある。

新型コロナウイルスの問題に対して中國中央政府は1月20日に、湖北省武漢市などでの流行が深刻な狀態(tài)にあると認(rèn)識すると直ちに、全國から大量の醫(yī)療スタッフを武漢や湖北省に送り込むことや、醫(yī)療施設(shè)の迅速な設(shè)立と稼働開始、醫(yī)療用物資の大増産、全國各地における移動禁止や外出禁止令など、強(qiáng)力な措置を講じた。

強(qiáng)力な措置が奏功し、中國では感染癥の流行が抑え込まれていった。1月23日に始まった武漢市の都市封鎖も4月8日には解除された。現(xiàn)在でも集団感染は散発的に発生しているが、危険な狀況は脫していると判斷してよいだろう。強(qiáng)力な措置に対する不満が皆無だったと考えるのも不自然だろうが、中國人の圧倒的多數(shù)は、「政府の斷固たる措置があったからこそ、感染を抑え込むことができた」と認(rèn)識していると考えてよい。

一方、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)やポンペオ國務(wù)長官など米國政府上層部は、新型コロナウイルス問題について、中國非難を続けた。しかし米國國內(nèi)では感染者も死者も激増していった。中國政府は米國に対して「中國非難は完全な中傷」「自國內(nèi)の感染者急増から自國民の目をそらせることが目的」「そんなことをする精力があるのなら自國民救済を最優(yōu)先すべき」といった反論を繰り返してきた。

微博には、「これぞ、感染癥対策を軽視して、隔離策やマスク著用を一顧だにしなかった結(jié)果」との書き込みも寄せられた。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)がマスク著用を頑なに拒否して、7月になってやっと著用の姿を見せたことなどに対する批判であり、コロナを巡る自國と米國の論爭で、米國側(cè)に強(qiáng)い反感を持つことを反映した書き込みと言ってよい。

中國では、普段は自國當(dāng)局に対する批判的な意見を述べる人も珍しくないが、自國政府と外國との論爭や対立が発生した場合には、SNSなどに自國側(cè)を熱烈に支持する意見が大量に寄せられることが多い。（如月隼人）