高野悠介 2020年10月10日(土) 8時(shí)20分
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アリババ系金融會(huì)社アント?グループは9月末、新しい貿(mào)易と金融サービスプラットフォーム「Trusple」を発表した。寫真はアリババ本社。
アリババ系金融會(huì)社アント?グループは9月末、新しい貿(mào)易と金融サービスプラットフォーム「Trusple」を発表した。ブロックチェーン技術(shù)によって、國際貿(mào)易における信用問題の解決を目指す。しかし貿(mào)易金融ブロックチェーンでは、國際的なコンソーシアムがいくつも形成され、中國國內(nèi)でも官製プラットフォーム「跨境金融區(qū)塊鏈服務(wù)平臺(tái)」が稼働している。その中で「Trusple」はどういう立ち位置を取るのだろうか。
■Truspleとは
アナリストは、Truspleは世界の中小企業(yè)に開放され、國內(nèi)ブロックチェーン技術(shù)にブレークスルーをもたらすという。
貿(mào)易は、未だ紙媒體に頼るアナログの世界だ。最大の難題は、買い手と売り手の信用を繋ぐことだ。例えばLC(信用狀)決済による貿(mào)易では1つのコンテナを運(yùn)ぶのに36種類、240ページの書類に合計(jì)27人が関與し、その処理には10日以上かかっている。
Truspleとは、Trust Made Simpleの略語で、こうした事情をストレートに表現(xiàn)している。Truspleでは、売買注文は自動(dòng)的にプラットフォームへアップされる。銀行は合意した支払い條件に基付いて自動(dòng)的に融資や支払いを行い、書類をオフラインで転送する必要はない。國際貿(mào)易のデジタル化に大きな貢獻(xiàn)をするはずだ。
Truspleテストに參加した浙江省?義鳥の貿(mào)易商は、主力のクリスタル製品をメキシコに輸出したが、翌日には代金を受け取った。従來は書類のやり取りだけで1週間以上かかっていた。
Truspleには、BNPパリバ、シティバンク、DBS銀行(シンガポール)、ドイツ銀行、スタンダードチャータード銀行など、海外の有力銀行が參加している。
■官製プラットフォームとバッティング?
進(jìn)む貿(mào)易金融ブロックチェーン。官製プラットフォームはすでに実績(jī)を積みつつある。
しかしこれだけでは、他の貿(mào)易金融プラットフォームとの差はわからない。例えば有力な國際コンソーシアム、コンツアー(Contour)は5月、中國最大の鉄鋼會(huì)社「寶武鉄鋼」と鉄鉱石輸入のテストを行った。中國では2020年中に正式ローンチする予定だが、中小企業(yè)には少し敷居が高そうだ。
一方、官製ブロックチェーンプラットフォーム「跨境金融區(qū)塊鏈服務(wù)平臺(tái)」は、中小企業(yè)の利用を前提としている。2018年以降、広東省、浙江省、山東省など、貿(mào)易の盛んな沿海省から稼働を開始。2020年に入り、融資実績(jī)を大きく積み上げている。9月には內(nèi)陸の山西省でも利用をスタートした。こちらがTruspleともバッティングしそうに見える。
■越境Eコマース試験區(qū)
アリババグループのアドバンテージは、創(chuàng)業(yè)以來積み重ねてきた、中小企業(yè)向けサービスの蓄積にある。
中國には105カ所の跨境電商(越境Eコマース)総合試験區(qū)がある。立役者はアリババ創(chuàng)業(yè)者のジャック?マー前會(huì)長だ。彼は杭州に“世界電子商務(wù)総部”を作る、との意気込みで、2013年に杭州跨境電子商務(wù)試験區(qū)を設(shè)立した。それが2015年3月、杭州市政府と組み、最初の跨境電商総合試験區(qū)に発展する。
2016年、上海、天津、重慶等12都市、2018年、北京、瀋陽、長春等22都市、2019年12月、南通、福州、洛陽など24都市で追加され、全59カ所、それが今年105カ所まで増殖した。ジャック?マーは、國家プロジェクトも創(chuàng)業(yè)していた。それらの試験區(qū)では、次のような課題に取り組んでいる。
稅制面―試験區(qū)內(nèi)の越境EC輸出企業(yè)は、増値稅や消費(fèi)稅の減免。
管理面―輸入商品の保稅倉庫業(yè)務(wù)。限度內(nèi)なら優(yōu)遇関稅を適用。
決済面-限度額以內(nèi)のスピード決済。
■國際送金に取り組む
アリババは、スピード決済を重視、國際送金に熱心に取り組んでいる。
アリババと直接の資本関係はないが、2015年に杭州呼[口彭]智能技術(shù)(PingPong)という送金會(huì)社を杭州試験區(qū)內(nèi)に設(shè)立している。海外送金手?jǐn)?shù)料を海外勢(shì)の2分の1から3分の1、1%以下に抑える目標(biāo)を掲げた。
その海外勢(shì)にも觸手を伸ばす。まず2017年、アメリカの送金サービス會(huì)社「マネーグラム」を買収しようとしたが、これは対米外國投資委員會(huì)に卻下された。その後2019年2月、英國の送金會(huì)社「ワールドファースト」の買収に成功した。2萬社の中國企業(yè)と取引を持ち、好都合だった。さらに2020年7月には、オーストラリア拠點(diǎn)の國際送金決サービス「AirWallex(空中雲(yún)匯)」にも出資した。
PingPongは今やユニコーン企業(yè)(企業(yè)価値10億ドル以上、設(shè)立10年以內(nèi)のベンチャー)に成長した。ワールドファーストは手?jǐn)?shù)料0.5%を?qū)g現(xiàn)した。AirWallexは連続して資金調(diào)達(dá)に成功するなど、どの送金企業(yè)も活発に動(dòng)いている。
■まとめ
アリババの創(chuàng)業(yè)事業(yè)は、B2Bであり、今も多くのB2B通販サイトを運(yùn)営している。それらは中小企業(yè)にも公平な事業(yè)機(jī)會(huì)を提供する、という思想で設(shè)計(jì)されている。総合試験區(qū)や、海外送金企業(yè)も、より大きなプラットフォーム作りの一環(huán)だ。そのためアリババには、全國レベルの莫大な中小企業(yè)データが集まる。世界のバイヤーデータもある。
地方政府や地元銀行を主體とする「跨境金融區(qū)塊鏈服務(wù)平臺(tái)」とは、全國區(qū)と地方區(qū)として棲み分けができそうである。選択肢が増えるのは、いいことに間違いない。中國の貿(mào)易改革は一歩進(jìn)むだろう。日本では「貿(mào)易改革」で検索してもヒット數(shù)は少ない。デジタル庁に期待するしかないのだろうか。
■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書:2001年「繊維王國上?!箹|京図書出版會(huì)、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會(huì)、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。
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