3年前の舊正月前、「春運(yùn)」と呼ばれる中國(guó)人の大移動(dòng)時(shí)期、私は朝3時(shí)半から北京駅の切符売場(chǎng)で並び、発売開始の9時(shí)を待っていた。この春運(yùn)の時(shí)期、汽車の切符を買うのは至難の業(yè)。私の周りは西安や武漢行きの切符を狙っている男子大學(xué)生ばかりだった。彼女と來ている子もちらほらいたが、ほとんどが友達(dá)と一緒に來ていた。並んでいるだけなので、暇。雑談をしながら、彼らの服裝を無意識(shí)のうちにチェックしていた。

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「中國(guó)人の男の子、かっこよくなったなあ！靴やかばん、マフラーもきちんとコーディネートされていて、おしゃれになった」と感動(dòng)。雑誌に出てくるコーディネートを參考にしているみたいに全身、決まっている。正直言って10年前の中國(guó)の男の子は超がつくほどださかった。ハンサムなのに髪型は微妙、服は茶色や黒など暗い色でしかも幾何學(xué)模様付きのセーター、変な折り山がついたパンツをはいている子が珍しくなかった。若者なのに、服裝は中年のおじさんだった。それが、いつのまにか、中國(guó)の男の子はおしゃれになっていた。

2013年12月成都のユースホステルのドミトリーに泊まっていた。そこは長(zhǎng)期滯在の中國(guó)人の男の子が數(shù)人いる部屋だった。最近は転職の合間に長(zhǎng)期旅行をする中國(guó)人の若者が増えているが、その部屋の中國(guó)人の男の子もまさにそうだった。ユニクロ風(fēng)の定番さわやかコーディネートの子から、くりくりパーマの髪型に似合うモデル風(fēng)？のファッションの子もいる。みんな、本當(dāng)にかっこいい。しかも部屋の男の子たちはドライヤーを持ってきていて、シャワーのあとは髪型もちゃんと整える。ドライヤーなんて必要なさそうな髪型の男の子もドライヤー持參。10年前ならごく普通だった、中年のおじさんのような服を著ている子は今では、まわりがおしゃれになったので浮き上がってしまうほどだ。

わずか10年弱でこんなにも中國(guó)の男の子の服裝が大きく変わった訳はなんだろう？中國(guó)の男性も認(rèn)めているけれど、中國(guó)の女性は強(qiáng)い。その強(qiáng)い女にもてるためには、もっと強(qiáng)い男になる必要があった。みかけだけでも。すると、服裝が香港映畫に出てくる裏社會(huì)のやくざ風(fēng)の男の子も少なからずいた。強(qiáng)い男を目指していても、今はそんなやくざ風(fēng)の服裝の男の子はいない。女の子にもてる男の子のタイプが変わってきたのだろうか？豊かな時(shí)代に生まれ、一人っ子政策のため、お小遣いも十分もらえる。服裝にも気を遣う余裕ができた。見た目がおしゃれでないと今時(shí)のやはり豊かな時(shí)代しか知らない女の子にもてないのだろう。ただ、中國(guó)の女性は「最近の中國(guó)の男性は女みたいになった」とよく言う。それも言えている。

■筆者プロフィール：浜井幸子（はまい?さちこ）

1966年神戸市生まれ。19才の時(shí)、初めての海外旅行で行った中國(guó)の魅力にはまり、90年代の中國(guó)をバックパック旅行する。その後、中國(guó)やアジアの食を中心に書くライターとして活動(dòng)中。著書に「中國(guó)おもしろ商人スクラップ」、「中國(guó)まんぷくスクラップ」など。