<コラム>子どもの面倒、誰がみる?「托管」な中國の子育て事情

大串 富史    2020年11月7日(土) 23時(shí)20分

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小學(xué)校の橫にある中國の「托管」、すなわち特に小學(xué)生を?qū)澫螭趣筏?、日本で言うところの託児所。中國でありがちな夜まで仕事でてんてこまいな親であっても、夜中に子どもをただ引き取りに行くだけでオッケーである。

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いや、もし夫婦で新型コロナウイルスへ感染したら云々の話ではない。コロナ疲れで親も子供も適応障害という話でもない。そうではなく、日中の國際結(jié)婚の僕たちのハーフの子どもの面倒は一體誰がみるのか、という話である。

その他の寫真

というのも、最近の中國の親たちの答えは「子どもの面倒?托管もアリだよね」だからである。

この「托管」とは何か?「管理」を「委託」することであり、この場(chǎng)合の「托管」とは「課後托管班」、すなわち特に小學(xué)生を?qū)澫螭趣筏俊⑷毡兢茄预Δ趣长恧斡殐顾扦ⅳ搿?/p>

この「托管」については、2017年9月に中國の教育局が小學(xué)校における無償の「課後托管」を決めたのだが、これは夕方の下校時(shí)(以前は4時(shí)頃だった)に忙しくて子どもを迎えに行けない親たちのため、5時(shí)半まで學(xué)校側(cè)で子どもを「托管」しましょう、というものだった。

共働きが普通な中國の多くの親が、これを歓迎した。たとえば最近の「無償の課後托管サービスは親にとっての福音 | 中安在線」という記事も、この學(xué)校側(cè)の「無償課後托管」を、親にとっての「良薬」と位置付ける。

とはいえ、この「福音」また「良薬」は、決して萬能ではない。

まず、上述の「無償の課後托管」なるものを中國全國で徹底させるのは容易ではない(ちなみに僕の娘の小學(xué)校でも、いまだ実施される気配がない)。次いで、この「無償の課後托管」ではカバーしきれない部分については、やはり誰かが代わりにカバーをしなければならない。

では「無償の課後托管」ではカバーしきれない部分とは、一體どこなのか。

たとえば「午托」。中國の學(xué)校は(幼稚園や私立學(xué)校を除けば)給食制度がないから、午前の授業(yè)が終わった頃に子どもを迎えに行き、ご飯を食べさせて晝寢をさせ、午後の授業(yè)の前に子どもを?qū)W校に送り屆ける必要がある。

今手元に「課後托管」のチラシがあるのだが、このお晝の一連の「午托」が380人民元/月とある(日本円にして6000円弱)。自営業(yè)や自由業(yè)や在宅勤務(wù)をしていない中國の典型的な共働きの親にしてみれば、この「午托」が學(xué)校や自分たちの代わりというわけである。

さらに、もし殘業(yè)か何かで(日本と同様に中國でも當(dāng)然のように殘業(yè)が、しかも當(dāng)日に降ってわいたかのように生じる)5時(shí)半までに迎えに行けそうもなければ「晩托」となる。これについては、幼稚園や小學(xué)校側(cè)が時(shí)間內(nèi)に迎えに來なかった親に「晩托」の費(fèi)用を請(qǐng)求するのが普通だから、ならばいっそのこと最初から、となる。

そしてこの「晩托」は、晩ご飯を子どもに食べさせたり、子どもに宿題をやらせてチェックする親の代理をしましょう、というオプション付きの場(chǎng)合が多い。

結(jié)果、この「晩托」に任せれば、中國でありがちな夜まで仕事でてんてこまいな親であっても、夜中に子どもをただ引き取りに行くだけでオッケーである。

えーと、「子どもに宿題をやらせてチェックする親の代理」って何ですか?と思われただろうか。

たとえば小學(xué)校に上がったばかりの僕の娘も、毎日のように宿題がある。

もちろんそれは、たとえば唐詩の暗誦とか中國語のピンインの正確な読み上げの練習(xí)といった、ごくごく簡(jiǎn)単なものではあるのだが(とはいえ読み上げた録畫/音聲ファイルを?qū)W校の先生にWeChatで送り、クラスメートの録畫/音聲ファイルがグループチャット內(nèi)でお互いに聴けるようにする、つまり親も交えて競(jìng)爭(zhēng)させる)、中國人の妻がつきっきりで教えても、晩の數(shù)時(shí)間があっという間に過ぎていく。

この「子どもに宿題をやらせてチェックする」という親とその子どもへの負(fù)擔(dān)は學(xué)年が上がれば上がるほど増していき、高考(中國の大學(xué)入試の際の全國統(tǒng)一試験)までずっと続く。

僕らの友人の中學(xué)校に上がった男の子なども、とても良い子で親もしっかりしているのに、この「宿題」の圧力もあって病院の精神科にかかりに行ったと聞き、ただただ同情を禁じ得ない。

精神科に行かざるを得ないほどの圧力を我が子に毎日毎日かけなければならないのだから、親も親で大変だ。そこで登場(chǎng)するのが「晩自習(xí)」。子どもが自分で宿題をするのをきちんと見守ります(つまりつきっきりで監(jiān)視して親の代わりにやらせます)、というものだ。

そして「晩補(bǔ)」とくる。「晩補(bǔ)」とは「晩托」(親の代わりに宿題をチェックし指導(dǎo)する)程度ではクラス上位にはなれないので、ワンランク上を目指す小學(xué)生の親の皆さんのため、「補(bǔ)導(dǎo)班」(學(xué)習(xí)塾のこと)も「晩托」と一緒にセットにしました!というものである。

ではここで少し、中國でありがちな、こんな狀況を思い描いてみる。

「ごく普通の中國人夫婦の子どもが、小學(xué)校に入學(xué)する時(shí)が來た。親は共働きだから「午托」は否応なし。子どもの宿題が親子にとっていよいよきつくなってくると「晩自習(xí)」、次いで「晩托」の助けを借りざるを得なくなる。

「大學(xué)出でないと就職もままならないからと、小學(xué)校中高學(xué)年からは「晩補(bǔ)」も始めることにする。當(dāng)然のことながら相応の費(fèi)用が必要であるから、夜遅くまで必死に働いて、さらに「托管」におんぶにだっことなる」

実はこの「托管」な中國の子育ては、小學(xué)校に入學(xué)するもっとずっと前から始まっていたりする。

後述するように僕ら自身もよく知るところなのだが、「中國での子育てが楽な三つの理由|人民中國」という記事の中で、6カ月の息子さんと4歳の娘さんのいる在中日本人の斎藤淳子氏が言う。

「こちらの子育てが楽な理由は、とにかく大勢(shì)が子育てに関わってくれる點(diǎn)です。(中略)さらに頼りがいがあるのは幼稚園です。朝8時(shí)から夕方5時(shí)まで三食付で、祭日以外無休、2歳半から隨時(shí)入園可能で、子どもが少々風(fēng)邪気味でも、持參した薬とともに預(yù)かってくれます。共働きを前提とした環(huán)境が整っています?!?/p>

つまり中國では2歳半から、幼稚園に「托管」をお願(yuàn)いできる。

だが僕らはこれまで中國で、親族や友人の力を借りつつも、極力自分たちの手で娘を育ててきた。中國であっても日本であっても、子どもにとっての一番の「福音」また「良薬」とは、やはり親自身の世話だと思うからだ。

だから幼稚園には就學(xué)前に1年だけ行かせましょうということになった時(shí)、コロナ禍のためこれも結(jié)局半年だけとなったため、その分娘と一緒に過ごせたと(そしてそれが思ったほど負(fù)擔(dān)でなかったことを)中國人の妻と共に喜んでいる。

とはいえ問題は、これからである。「托管」にお願(yuàn)いしないから、僕らの毎日はこんな感じになる。

早朝。娘を起こして準(zhǔn)備をさせ、家族で食事をし、簡(jiǎn)単な討議をしてから送り出す。僕らの家は學(xué)校から至近なので、最近は窓から娘を見送るだけ。午前11時(shí)には窓際に立って娘が帰ってくるのを見守る。妻が食事を作っている間、僕は娘と一緒にボードゲームをしながら學(xué)校での様子をさりげなく聞き、食事をさせて寢かしつける。午後1時(shí)半にはまた起こして學(xué)校に送り出す。

そして夜。僕が日本語教師の仕事をする隣の部屋で、中國人の妻がかなり必死になって娘の宿題をみる。妻も中國語教師の仕事が途中で入るので、今度はレッスンが終わった?jī)Wが娘の宿題をみる。すると娘が言う?!福ㄈ毡救摔蝺Wの中國語の発音が)そうじゃないよ違うよ、○○だよ!」。仕方がないので、妻のレッスンが終わる前までに歯磨きから何から全部終わらせて、やっと妻とバトンタッチする。

これは正直なところ、けっこう疲れる。日本の親の皆さんの「コロナ疲れ」ではないのだが、コロナ前から既に、「托管」の「晩自習(xí)」よろしく、つきっきりである。

だが興味深いことに,工業(yè)化が進(jìn)む前の米國では,育児書は一般に母親向けではなく父親向けだったという。それほど遠(yuǎn)くない昔、子どもの面倒は親が、特に道徳面は父親がみると決まっていた。

ではコロナ禍がほぼ終息した「托管」な現(xiàn)代中國で、子供の面倒は誰がみればいいのか。

僕自身はやはり父親として、これからも娘につきっきりを甘んじて受け入れたい。妻と共に、娘の成長(zhǎng)を積極的に見守りたい。

■筆者プロフィール:大串 富史

本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級(jí)を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長(zhǎng)城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。

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