2014年3月20日、米國(guó)に本社を置く多國(guó)籍企業(yè)フォード?モーターの「クーガ」が今月15日の「世界消費(fèi)者権利デー」のイベントに加わらず、膨大な費(fèi)用をかけて広告を打ったことが、中國(guó)メディアの怒りを買(mǎi)っている。人民日?qǐng)?bào)を含む多くの大型メディアが、長(zhǎng)安フォードを批判し、國(guó)家質(zhì)量監(jiān)督検験検疫総局（質(zhì)検総局）に資金を拠出して調(diào)査を行うよう提案するなどし、こうした動(dòng)きを多くのメディア、ネットユーザー、企業(yè)関係者が「微信」（WeChat）や「微博」（ウェイボー）を通じて次々に広めている。中國(guó)経済網(wǎng)が伝えた。

【その他の寫(xiě)真】

▽長(zhǎng)安フォードの何がメディアの怒りを買(mǎi)ったのか

長(zhǎng)安フォードのクーガやフォーカスに問(wèn)題が露見(jiàn)している。特にクーガにはシャフトの破損という深刻な問(wèn)題が明らかになった。その問(wèn)題に対する長(zhǎng)安フォードのオーナーや消費(fèi)者に対する反応は、このほどたびたび報(bào)道されていた。クーガのシャフト破損をめぐる公式の対応は奇妙なもので、前後に矛盾があり、最終的にはリコール（回収）することになった。ナックルが破損したためシャフトも破損したとして、原因を原材料の問(wèn)題に帰し（業(yè)界では設(shè)計(jì)の問(wèn)題が疑われている）、消費(fèi)者は自らの権利を守ることが出來(lái)なかった。その後、発売からまもないモンデオでもシャフト破損が起こり、これにフォーカスのオイル漏れへの対処が不十分だったことが加わり、長(zhǎng)安フォードのシャフト破損をめぐる一連の問(wèn)題とその対応は、2013年から現(xiàn)在まで、中國(guó)の自動(dòng)車(chē)業(yè)界で最も「有名」な事件となり、自動(dòng)車(chē)産業(yè)、消費(fèi)者、オーナーの間で語(yǔ)りぐさとなっている。

こうした事件の過(guò)程で、人々が最も理解に苦しんだことは、長(zhǎng)安フォードが製品の欠陥に対して繰り返しみせた矛盾した態(tài)度だ。クーガのオーナーである凌さんへの奇妙な対応は、人々を驚かせ、疑問(wèn)を抱かせている。これは成熟した、長(zhǎng)い歴史をもつ多國(guó)籍企業(yè)が中國(guó)市場(chǎng)で取る態(tài)度なのだろうかという疑問(wèn)だ。

態(tài)度といえば、4年前に日本のトヨタ自動(dòng)車(chē)が米國(guó)と中國(guó)の両市場(chǎng)で「相次ぐリコール」や「ブレーキ故障」に見(jiàn)舞われた際に取った態(tài)度が思い起こされる。トヨタもフォードと同じく多國(guó)籍企業(yè)だ。

2010年3月2日、トヨタの豊田章男社長(zhǎng)は米國(guó)下院議會(huì)の公聴會(huì)で謝罪すると、すぐさま中國(guó)へ移動(dòng)し、メディア発表會(huì)を開(kāi)催して、フロアマット、アクセルペダル、制動(dòng)裝置の問(wèn)題について説明するとともに、中國(guó)の消費(fèi)者に対して公開(kāi)の場(chǎng)で頭を下げて謝罪し、問(wèn)題から逃げなかった。また中國(guó)でのトヨタの成長(zhǎng)スピードが早すぎたこと、品質(zhì)のコントロールが不十分であったことを認(rèn)めるとともに、問(wèn)題の発生を確認(rèn)した時(shí)に重要なのは隠さないことであり、顧客の安全を優(yōu)先順位の一番目に置き、現(xiàn)地の法律に基づいて適切な市場(chǎng)対策を取り、問(wèn)題発生の原因を必ず深く掘り下げて検討し、再発防止に務(wù)めなければならないということを認(rèn)めた。

豊田社長(zhǎng)が中國(guó)に來(lái)たのは、米國(guó)の公聴會(huì)で涙ながらに謝罪したのとは異なり、ただ火消しに來(lái)ただけではないかという聲もあるが、豊田社長(zhǎng)の態(tài)度や事故発生後にトヨタが取った措置は、中國(guó)の消費(fèi)者やメディアにトヨタは消費(fèi)者に誠(chéng)意を盡くす多國(guó)籍企業(yè)だと感じさせるに十分なものだった。

トヨタの事故発生後、業(yè)界はトヨタが再起不能になるのではないかと見(jiàn)守った。米國(guó)と中國(guó)は世界の二大市場(chǎng)であり、トヨタにとっても最大の海外市場(chǎng)だ。製品に重大な問(wèn)題が起きたトヨタが泥沼を抜け出せるかどうかに注目が集まった。トヨタは確かに市場(chǎng)で一連の反発を受けたが、世界で最も有名で最もブランド価値の高いトヨタが取った誠(chéng)意ある態(tài)度は、世界最大の自動(dòng)車(chē)企業(yè)の名に恥ずかしくないものだった。トヨタは逃げ隠れせず、問(wèn)題にまっすぐ向き合い、消費(fèi)者の信頼を獲得し、難関を乗り切り、早いペースで世界一の座に駆け上った。

それに比べて今のフォードはどうか。同じく100年の歴史をもつ多國(guó)籍自動(dòng)車(chē)ブランドが、品質(zhì)の欠陥という問(wèn)題に遭遇した時(shí)に取った態(tài)度は、トヨタとまったく違う。

13年上半期にクーガのオーナーらが初めてシャフト破損に遭遇してから現(xiàn)在まで、フォードのムラーリー最高経営責(zé)任者（CEO）が中國(guó)に來(lái)て謝罪するのはもちろんのこと、アジア太平洋地域や中國(guó)エリアの責(zé)任者、または長(zhǎng)安フォードの上層部でもよいから姿を見(jiàn)せて謝罪すれば、中國(guó)の消費(fèi)者は理解を示すと思われるが、フォードはお高くとまって、欠陥について決して頭を下げようとしない。中國(guó)の消費(fèi)者のことは眼中にないといえる。

トヨタとフォードを比較するのは、どちらも多國(guó)籍企業(yè)であり、中國(guó)市場(chǎng)に進(jìn)出してから10年以上経ち、製品をめぐる重大な問(wèn)題に遭遇しているからで、トヨタとフォードの大きさを比べようとしているのではない。実際、トヨタのサービスや消費(fèi)者に対する態(tài)度は、フォードに見(jiàn)習(xí)わせたいと思わせるものだ。トヨタがなぜ長(zhǎng)期にわたり世界一の自動(dòng)車(chē)メーカーの座を維持していられるのか、その原因はここにある。トヨタは米國(guó)でも中國(guó)でも、消費(fèi)者に対して賞賛すべき態(tài)度を取る。傘下の高級(jí)車(chē)ブランド?レクサスなどは、高いサービス水準(zhǔn)と誰(shuí)もが評(píng)価する態(tài)度で、消費(fèi)者の間に浸透し、一つのシンボルになった。

フォードは中國(guó)市場(chǎng)進(jìn)出以來(lái)、平坦な道を歩んでは來(lái)なかった。ここ數(shù)年は、製品の投入を増やし、生産能力の拡大を急ぎ、フォーカス、クーガ、モンデオ、エコスポーツなどのリニューアル車(chē)をうち出しており、中國(guó)市場(chǎng)で遅れを取るまいとする決意をうかがわせるが、製品がすべてではない。ましてや製品に重大な欠陥がある時(shí)、その企業(yè)が誠(chéng)意ある態(tài)度をみせなかったとしたら、消費(fèi)者はどう思うだろうか。

企業(yè)が成功するには、実力ある製品を擁するだけではなく、消費(fèi)者に対して誠(chéng)実な態(tài)度を示すことも必要だ。中國(guó)には、「水は船を浮かべることもできるが、ひっくり返すこともできる」ということわざがある。消費(fèi)者は水、企業(yè)は船だ。船がどこまで進(jìn)むか決めるのは消費(fèi)者であり、時(shí)には船をひっくり返すのも消費(fèi)者だ。（提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?翻訳/KS?編集/武藤）