テンセントの小売事業(yè)がすこぶる元?dú)荬?。とはいっても、直接乗り出しているわけではなく、出資企業(yè)が絶好調(diào)なのである。テンセントは、2018年の組織変更によりB2Bシフトを鮮明にした。そして小売企業(yè)のスマート化を目指す新組織「智慧零售戦略合作部」を立ち上げた。その効果か、出資したB2C型企業(yè)の業(yè)績(jī)向上は著しい。一部のグループ企業(yè)は、ライバルのアリババにハードパンチを浴びせ始めた。世界を巻き込む地殻変動(dòng)が起きているようにも見(jiàn)える。最新情勢(shì)の分析から、近未來(lái)を見(jiàn)通してみよう。

■投資機(jī)構(gòu)テンセント

テンセントはただの事業(yè)會(huì)社ではなく、中國(guó)で最有力の投資機(jī)構(gòu)の1つでもある。投資先企業(yè)は國(guó)內(nèi)外1000社以上に及び、その中には、上場(chǎng)企業(yè)約100社、ユニコーン企業(yè)約100社を含む。2020年には、上場(chǎng)企業(yè)分の含み益だけで1200億ドル（13兆円）に達(dá)したという。

出資企業(yè)は多方面にわたるが、小売企業(yè)に限っても、総合通販「拼多多」、「京東」、女性向け通販「蘑菇街」、アウトレット通販「唯品會(huì)」生活総合サービス「美団」、生鮮通販「毎日優(yōu)鮮」シンガポールのネット通販「Shopee」などの有力企業(yè)がある。また、ショートビデオ大手「快手」のライブコマースも好調(diào)だ。2021年3月には、楽天にも出資した。こうして見(jiàn)ると、東アジアのEC上位企業(yè)は、アマゾン、アリババを除けば、ほとんどテンセント系である。実際にいくつかのシチュエーションでは、アリババより優(yōu)位に立ち始めた。

■國(guó)內(nèi)ECビジネス…拼多多、京東、美団が注目集める

テンセントの微信支付（WeChat Pay）の畫面には「拼多多」「京東優(yōu)選」「美団外売」「蘑菇街女裝」「唯品會(huì)特売」のアイコンがずらりと並ぶ。11億人が利用するスーパーアプリのポータルを飾る。コンシューマービジネスにとって、最高のロケーションである。

「拼多多」はSNS?微信の力を存分に利用した共同購(gòu)入サイトを構(gòu)築し、地方都市の市場(chǎng)を開(kāi)拓した。2020年のアクティブユーザー數(shù)は7億8840萬(wàn)人、アリババを940萬(wàn)人上回り、衝撃を與えた。

「京東」は、京東本體の香港W上場(chǎng)、子會(huì)社?京東健康、京東物流の新規(guī)上場(chǎng)を成功させた。Fintechの京東數(shù)科は、アント?グループ上場(chǎng)延期の余波を受け仕切り直しになっているが、いずれの會(huì)社も評(píng)価は高い。このうち京東健康は、GMV（流通総額）では、はるか上の阿里健康を、時(shí)価総額で上回った。

「美団」は、シェアサイクル、配車アプリ、口コミサイト、旅行?ホテルなど多彩なサービスを展開(kāi)している?？窗迨聵I(yè)のフード?デリバリーでは、アリババ系「餓了蘑」を大きく引き離した。アリババにとって目の上のたん瘤のような存在である。

■東南アジア…系列のShopeeが時(shí)価総額トップへ

東南アジアのEC界も、アリババVSテンセントの代理戦爭(zhēng)が鮮明だ。共にシンガポール本社のLazadaとShopeeである。

Lazadaは2011年、シンガポールでドイツのインキュベーターにより設(shè)立された。2016年、アリババが出資し、経営権を握った。

Shopeeは2015年、やはりシンガポールでSea Groupが立ち上げた。Sea Groupの元は天津出身の李小冬（フォレスト?リー）が2009年設(shè)立したゲーム會(huì)社である?，F(xiàn)在ではゲームのGarena、ネット金融のSeaMoney、EコマースのShopeeを運(yùn)営する巨大グループに成長(zhǎng)した。

テンセントは當(dāng)初のゲーム會(huì)社つながり時(shí)代からSea Groupを支え、今では発行済み株式の39．8％を持つ筆頭株主だ。Shopeeの株価は2020年を通じて4倍以上に上昇、東南アジアで最も時(shí)価総額の高いIT企業(yè)となり、テンセントの含み益拡大に多大な貢獻(xiàn)をした。

現(xiàn)在、シンガポール、マレーシア、フィリピン、臺(tái)灣、インドネシア、タイ、ベトナム7カ國(guó)市場(chǎng)で事業(yè)展開(kāi)している。Eコマースにおける成長(zhǎng)戦略は、ライブコマース、SNS、ゲームの3つという。

ライブコマースは「快手」の、SNSを存分に利用する販促テクは「拼多多」の、ゲームではテンセント本體のノウハウがある。テンセントグループのノウハウを、あますところなく利用し盡している。中でもゲームにハマる男性をECへ誘うモデルは、獨(dú)自のアドバンテージだ。そして各國(guó)市場(chǎng)でアリババ系Lazada を凌駕し始めた。

■日本…楽天、テンセントグループへ

2021年3月中旬、日本郵政と楽天の資本業(yè)務(wù)提攜のニュースが伝わった。しかし出資は、日本郵政の1500億円だけではなかった。テンセントが657億円、ウォルマートが166億円を出資した。

これより先、2019年2月下旬、楽天と京東は、無(wú)人配送で提攜していた。さらにさかのぼる2018年8月上旬、テンセントとウォルマートは戦略提攜を結(jié)んでいる。その一環(huán)としてウォルマートは、京東グループの「京東到家」に5億ドルを出資し、ウォルマートは中國(guó)店舗のデリバリーを「京東到家」に委託した。

今回の提攜は、楽天と、テンセント（時(shí)価総額世界6位）とウォルマート（同17位）のグループとの提攜が、いよいよ資本面に及んだということだ。

楽天にしてみれば、ヤフー（孫正義）とアリババ（ジャック?マー）が緊密である以上、提攜相手はテンセントしかなかった。楽天と中國(guó)のテンセント系EC、Shopeeとの関係は今後どうなるのだろうか。楽天は1つのピースとなった。楽天の海外進(jìn)出は、グループ內(nèi)において優(yōu)れたノウハウを持っているかにかかる。とにかく東アジアのEコマース界が、新しいフェーズに入ったのは確かなようだ。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書：2001年「繊維王國(guó)上海」東京図書出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。