中國(guó)でIT巨頭BATという呼び方が定著して久しい。バイドゥ（百度）、アリババ、テンセントの頭文字だが、ここ2～3年は、それに疑問(wèn)を呈する向きが増えた。BがATに大きく引き離されたからである。そこで百度を外して、美団を入れ、ATMにしよう、などの議論が盛んになった。それがここへきて、百度の株価は急反発、復(fù)調(diào)の気配を見(jiàn)せている。詳しく分析していこう。

■急激な株価上昇…時(shí)価総額70％増

?百度株の値上がり、2021年1月も継続

中國(guó)IT企業(yè)の株式時(shí)価総額ランキング表がある。2020年12月31日の時(shí)価総額と騰落率だ。

1位 テンセント 4兆5530億元50．6％増

2位 アリババ 4兆0738億元 9．7％増

3位 美団點(diǎn)評(píng) 1兆4589億元 189．1％増

4位 拼多多 1兆4217億元 369．8％増　

5位 京東 8953億元 149．5％増

6位 小米 7042億元 208．0％増

7位 蔚來(lái) 4971億元 1112．4％増

8位 百度 4812億元 71．1％増

テンセント、アリババは別格の存在だ。そして時(shí)価総額から見(jiàn)れば、確かにATMで間違いない。さらにこの1年で最も増加したのは、新興EVメーカーの蔚來(lái)だった。ここも重要なポイントである。そして百度の値上がり分は、年末のほぼ40日でもたらされた。さらに2021年1月も20％以上、上昇した。

■百度のビジネスモデル…10年前と変わらない

?グーグル、テンセントとの違いとは

百度は、検索エンジンの會(huì)社として世に出た。グーグルと同じである。そのグーグルは2015年8月、親會(huì)社アルファベットの傘下會(huì)社という形に改組した。これは資本市場(chǎng)に対する、肯定的アナウンスとなり、グーグルを改めて認(rèn)識(shí)し、しっかり評(píng)価しようというきっかけを作った。

2000年代のテンセントは、パソコン用コミュニケーションツールQQと、コンピューター

ゲームの會(huì)社であった。2010年代、スマホ時(shí)代が到來(lái)したとき、QQをコピーしてモバイルに移植するのではなく、あらたにWeChat（微信）を開(kāi)発した。やがてWeChatは、モバイル決済WeChatPay、ミニプログラムと合わせ、中國(guó)最大のスーパーアプリとなった。

百度には、こうしたアナウンスも変化もなく、乗り遅れ感が漂った。獨(dú)自のエコシステムはあっても、AとTに比べれば、いずれも二番煎じに映った。目立ったのは、動(dòng)畫(huà)視聴「愛(ài)奇蕓」、スマートスピーカーの「百度小度」くらいだろうか。フードデリバリ－の「百度外売」は、アリババ系「餓了蘑」に吸収された。特に「百度はどうした？」という議論の中心は、自動(dòng)運(yùn)転「Apollo計(jì)畫(huà)」の停滯した印象にあった。

■自動(dòng)車(chē)産業(yè)…EVメーカー暴騰

?資本市場(chǎng)の自動(dòng)車(chē)業(yè)界見(jiàn)直し

自動(dòng)運(yùn)転「Apollo計(jì)畫(huà)」は2017年11月、4大國(guó)家AIプロジェクトの1つに選定された。しかし、その後の進(jìn)捗狀況はあまり伝わってこない。そのうち滴滴出行やテンセントなど、他社の自動(dòng)運(yùn)転プロジェクトが、メディアを賑わせた。しかし、百度の停滯した印象は、好転しつつある。自動(dòng)車(chē)業(yè)界そのものがが、新段階へ入ったからだ。

2020年は、テスラ、蔚來(lái)、小鵬などEVメーカーの株価が世界的に暴騰した。これら新エネルギー自動(dòng)車(chē)メーカーの成長(zhǎng)率は34％、伝統(tǒng)的自動(dòng)車(chē)メーカーは3％に満たなかった。続いて市場(chǎng)の目は、自動(dòng)運(yùn)転技術(shù)の見(jiàn)極めに向かった。

新エネルギー車(chē)は、自動(dòng)車(chē)メーカーが、いつ製造に踏み切るかの問(wèn)題だった。これに比べ自動(dòng)運(yùn)転は複雑だ。まず研究開(kāi)発の障壁は、はるかに高い。優(yōu)れた製造技術(shù)やサプライチェーンの刷新だけでは追い付かない。資本市場(chǎng)の支持を得るには、IT企業(yè)としての技術(shù)やサービスリソースとともに、強(qiáng)力なパートナーも必要だ。こう考えると、百度の培ってきたノウハウは、競(jìng)爭(zhēng)力を有していた。

■百度再評(píng)価…積み重ねた自動(dòng)運(yùn)転の実績(jī)

?4大リーディングカンパニーの1つに

2020年4月発表の「百度智能交通白皮書(shū)」によれば、提攜パートナーは、178社、技術(shù)者は3萬(wàn)6000人。自動(dòng)関連特許は、全世界で1800件、テスト走行距離は300萬(wàn)キロに及ぶ。Apollo計(jì)畫(huà)は、當(dāng)初からオープンプラットフォームを目指し、すでにオープンソースコードは56萬(wàn)行以上となっている。

「百度小度車(chē)載OS」、ディ－プラーニングの「飛槳」「百度クラウド」「百度地図」などの自社技術(shù)をインフラとして「自動(dòng)運(yùn)転」「車(chē)路協(xié)同」を確立する。そしてデジタル化、スマート化、自動(dòng)化の応用を進(jìn)め、エコシステムを作る。具體的には、ロボタクシー、ミニバス、自動(dòng)駐車(chē)サービス、スマート信號(hào)機(jī)、高度道路交通システムなどである。

ナビガントリサーチの自動(dòng)運(yùn)転競(jìng)爭(zhēng)力調(diào)査（2020年3月）によれば、百度は、Waymo（グーグル）、Cruise(GM）、フォードと並び、世界のリーディングカンパニーに選ばれている。

■まとめ…百度株は売りか買(mǎi)いか？

?量産化段階へ

百度の停滯イメージには、報(bào)道に問(wèn)題があったかもしれない。それは応用システムの1つ、無(wú)人ミニバスだ。低速でトコトコ走るこのバス動(dòng)畫(huà)を見(jiàn)た視聴者は、失望した。中國(guó)人の好む派手なパフォーマンスとはかけ離れていたためだ。「百度はどうした？」論の裏付けのようになってしまった。

しかし、ここへ來(lái)て、やはり百度ほど自動(dòng)運(yùn)転でノウハウを積んだ企業(yè)はないと再評(píng)価されている。滴滴やテンセントとはレベルが違う。それに従來(lái)のコアビジネスや、広告収入も回復(fù)基調(diào)だ。これらも急騰の原因である。今年に入り自動(dòng)駐車(chē)サービスの量産化が伝えられた。百度株は、売りか買(mǎi)いか、さらに厳しく精査されることだろう。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書(shū)：2001年「繊維王國(guó)上?！箹|京図書(shū)出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書(shū)出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。