大串 富史 2020年12月3日(木) 21時20分
拡大
小學校入學3カ月目を迎えた娘の數學と國語の宿題?!钢袊摔椁筏け緢訾沃袊Zの発音」ができる娘の日本語は中國なまりが若干あるものの、父親である僕を通して「日本人らしい本場の日本語の発音」を學べる。
(1 / 4 枚)
ここ中國で小學校に上がったばかりの僕らの日中ハーフの娘は、當然のことながら中國語が母語である。日本語は第二母語になるのだが、その日本語は日本人の僕から言わせれば中國語で「還行」、つまり、まあそれなりである。
【その他の寫真】
もっとも僕自身は、娘の第一母語が中國語で、日本語が第二母語になったことを內心喜んでいる。
一方で中國人の僕の妻は、僕らが6年後に日本に帰る時に、娘が日本の學校についていけるのか?と心配しているのだが、その辺はまあ大丈夫なのではないかと思う。
というのも、中國でおなじみの英語や數學の早期詰め込み教育(小學校3年生から必須の英語は教師の資格を持つ友人が今から教えてくれており、數學は幸いなことに相応に好きである)は日本の比ではないからだ。これが逆だったら-日本で生活させてから中國のスパルタな中學校や高校に通うとしたら-それこそ心配である。
ちなみに娘の日本語だが、僕が言っていることが大體分かるし、日本語を自分から話すこともある。
欲を言えば日本語のひらがなの絵本あたりがスラスラ読めて、中國語並みに日本語のひらがな?カタカナ?漢字が書ければいいのだが、僕らの生活の優(yōu)先順位からすれば日本語學習は第三であるから、まあこんなものだろう。
ではなぜ、第一母語が日本語で第二母語が中國語では、僕的に不安なのか。
僕は以前に「中國語超學習法」という、ごくごく簡単な電子書籍を書いた。その中で何度も白狀している通り、日本人で語學オンチな僕自身が、中國語學習に本當に泣かされたからだ。
多年にわたり中國語と格闘し、中國人の妻と共に暮らし、その助けを得て新HSK6級を取得し、10年以上中國にいても、中國語は僕にとって、いまだ容易ではない。
それはなぜか。「日本人が中國語を學ぶのがこんなに大変なのはなぜ? | サーチナ」という記事にもあるように、「まずは発音の難しさ」がある。
「中國語を話せる日本人でも、発音はやはりどうしても「日本式」になってしまう」というのはその通りで、たとえば北方の中國の人々の「ying」(普通であれば「イン」なのだが、どう聞いても「イョン」と聞こえる)など、中國人らしい本場の中國語の発音は僕にとって今でも難しい。
ではこの中國人らしい本場の中國語の発音を、中國の人々はどうやって學ぶのだろうか。
たとえば中國では、下校時に小學校低學年の子供たちが、一緒に大聲で唐詩などを暗唱しながら下校していたりする。
その日に勉強した內容を大聲で復唱しているのだが、どちらかといえば靜かなのが好きな日本人の僕などに言わせれば、正直ただただうるさくてたまらない。
ところが、僕らの小學校に上がった娘がこれとほぼ同じことを、宿題という形で毎日、家の中でする。
しまいには、カエルが鳴いて「呱!呱!呱?。ē?!クワ!クワ?。工胜嗓龋ㄟ[び半分で)大聲でするものだから、娘の宿題をみている中國人の僕の妻までが(隣の部屋で日本語レッスンをしている僕のこともあって)「いい加減にしなさい!」とキレ気味になってしまう。
もっともこの「呱!呱!呱!」には、プラス効果も確かにある。
というのも小學校入學3カ月目にして、既に「この字は何て読むの?」という僕ら親に対する執(zhí)拗な質問攻めが始まっており(結果として僕自身の中國語の勉強にもなる)、加えて漢字の読み書きの練習を通し、これまで頭の中で音だけでとらえていた中國語が、一つ一つ漢字に置き換わっていく。
つまり、日本語は幼少時の発音練習などというものをする必要がほとんどなく、ひらがなとカタカナ(と振り仮名)で當面は困らない言語であるのに対し、中國語は就學と同時に何度も何度も発音練習をさせられ、その発音すべてを順次漢字に置き換えていく言語なのである。
とはいえ、日本語には日本語獨特の難しさがないでもない。詳しくは別コラムに譲るが、たとえば日本語の用法と文法などがそうである。
もちろん、中國語にも上述の発音の難しさに加え、漢字の意味の多重性また多様性という、中國語獨特の難しさがある。これについても、ぜひ別コラムをご參考いただきたい。
では結局のところ、日本語と中國語、習得しにくいのは一體どちらなのか。
厳密な比較は容易ではないものの、日本語教師として中國の人々を教えるようになって思うに、日本人が中國語をゼロから勉強するのと、中國人が日本語をゼロから勉強するのは、見たところ同じぐらい難しい。
意外に思えるかもしれないが、日本語と中國語は共に、特に発音が(そして聞き取りが)同じぐらい難しいのだ。
これは僕にとっても意外な結論なのであるが、恐らくどの言語であってもそうなのではなかろうか。つまりは、あの有名な「バベルの混亂」である。どの言語であれ、即聞き取って即理解し即話すなどという神業(yè)は、誰にとっても容易ではない。
僕自身はこれまで、中國語の難しさに泣かされ、中國に來て「中國語は世界一難しい言語なんですよ」みたいな話を中國人からさんざん聞かされ、我が娘の「呱!呱!呱!」に直面して、中國語のほうが日本語より斷然難しいと感じていた。
だが日本語を中國人に教える側になり、日本語の用法や文法に加え、なんと日本語の発音が中國人にとって難しいという、意外な事実に気が付いた。
これは、日本人であれば誰もが分かる中國なまり(促音が不明瞭な「ちょとまてください」等)の話だけではとどまらない。
中國語であれほど発音の練習をさせられるせいなのか、日本語を學ぶ中國人の生徒たちは、発音が総じて「重い」または「硬い」のである(たとえば、関西弁とも違う妙なアクセントで話す癖をなかなか直せない)。だからある生徒たちはわざと脫力して発音するのだが、そうすると日本語特有の微妙なアクセントが失われてしまう。
この言語の発音の難しさについて改めて思うのは、以前のコラムにも書いたように、言語上の影響力というのは一番が社會(子どもの場合は學校)、二番目が両親(特に母親)、三番目が教育(特に早期教育)であるものの、こと発音に関しては、二番目の両親の影響つまり出生時から就學前にかけてどんな言語環(huán)境にあったのかが大きい、ということだ。
分かりやすい話をすれば、僕の中國語は「日本式」つまり日本なまりがあり、ハーフの娘の中國語にはそれがない。なぜなら中國人の僕の妻つまり母親また周りの中國人を通して「中國人らしい本場の中國語の発音」に幼少時から慣れ親しんでいるからだ。
娘の日本語は「中國式」つまり中國なまりが若干あるものの、僕の中國語の日本なまりと比べれば全然ないに等しい。そしてこの場合も、父親である僕を通して「日本人らしい本場の日本語の発音」を聞かされている。
もう何十年も前の話になるが、東京外語大の中國語學部に通っていた友人の話していたことを思い出す。彼は非常に優(yōu)秀な學生だったので、中國語に加えヘブライ語?ギリシャ語?ラテン語も勉強していたのだが、「発音以外であれば、まだいくらでもいけそうです」といった趣旨の話をしてくれた。
そう。発音以外は、である。
思うに、どうやら非常に優(yōu)秀で語學的センスに恵まれた一握りの人にとっても、この発音の壁は相応に手ごわそうだ。もちろん発音の點でセンスに恵まれた人もいるだろうが、そういう人とて決して多くはない。
だからここで、この記事をお読みになられる皆さんに、一つご提案をさせていただきたい。
もしあなたが中國語を勉強しているのであれば、子どもを連れて中國においでになられるといい。就學の問題があるだろうから、一番理想的なのは中國で産んで、または産んですぐ中國に來て、就學前まで中國にとどまったらいい??赡埭扦ⅳ欷兄袊蔷蛯Wさせ、少なくとも小學校の間は中國にいるといい。僕らは日中の國際結婚だが、まさにそんな感じである。
実を言えば、これは何も目新しい提案ではない?!赣⒄Zを學んでおくと、中學生で『一気に成績が伸びる』深い理由 | 幻冬舎ゴールドオンライン」という記事の中でも、英語保育園(プリスクール)を経営する中山貴美子氏が僕と全く同じことを言っている。つまり、就學前の「日常生活が英語漬け」の、中國語版である。
もちろん今はコロナがあるから、何事も容易ではない。上述のご提案は、もし事情が許せば、ぐらいの話である。
一方で僕は、娘の第一母語が中國語となり、日本語が第二母語になったことを喜びたい。娘にとって良かったし、なにより中國人の妻が、日本にいるゆえに家族の中で言語的に孤立してしまうという事態(tài)にならなくて済んだ。
え?中國にいる日本人の僕はどうかって?そうですね…「中國人らしい本場の中國語の発音」に少しでも近づけるよう、小學校1年生の娘と一緒に、いまだ中國語と格闘中です… 「呱!呱!呱!」
■筆者プロフィール:大串 富史
本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級を取得後は、共にネット留學を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學習?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。関連サイト「長城中國語」はこちら
この記事のコメントを見る
Record China
2020/11/10
日本僑報社
2020/10/7
2018/11/9
The World Video
2018/8/17
2018/8/2
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら
業(yè)務提攜
Record Chinaへの業(yè)務提攜に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る