2020年の雙11獨(dú)身の日セールは、成功裏に終わったが、その直後から當(dāng)局の動(dòng)きが風(fēng)雲(yún)急を告げている。ターゲットは、今年、全盛を誇る直播電商（ライブコマース）である。ライブコマースはここへ來(lái)て、急発展のひずみが顕在化しているのは間違いない。當(dāng)局はどのような未來(lái)図を描き、ライブコマース界はどうなるのだろうか。

■中國(guó)消費(fèi)者協(xié)會(huì)の分析レポート

ライブコマースへの否定的意見(jiàn)を集約

官製組織の中國(guó)消費(fèi)者協(xié)會(huì)は11月20日、消費(fèi)者保護(hù)と世情分析のレポートを発表した。それによれば、雙11のプロモーション活動(dòng)に関する否定的意見(jiàn)は33萬(wàn)4083通だった。多かったのは、ライブコマースと、その不合理なルールだ。

協(xié)會(huì)は、インターネット取引におけるグレーゾーンを封じるため、消費(fèi)者は不當(dāng)な価格設(shè)定や取引を拒否すべきと呼びかけている。また業(yè)界に対しては、出店での二者択一を迫ったり、他サイトへの出店を妨害しないよう警告した。いずれ法律や規(guī)則により、責(zé)任の追及に直面するからだ。トラフィック重視のプロモーションは、もはや古く、協(xié)會(huì)は変化の必要性を強(qiáng)調(diào)している。

■國(guó)家?guī)陔娋t局の通知

ライブコマース業(yè)界への要求とは

消費(fèi)者協(xié)會(huì)レポートの3日後、國(guó)家?guī)陔娋t局（総務(wù)省に相當(dāng)）は「関干加強(qiáng)網(wǎng)絡(luò)秀場(chǎng)直播和電商直播管理的通知」を公布した。ここでは、ライブコマースプラットフォームとトップライバー雙方への“要求”を列挙している。內(nèi)容は以下の4つに集約される。

1．ライブプラットフォームは、2020年11月末までに、経営主體の情報(bào)、業(yè)務(wù)展開(kāi)狀況を「全國(guó)網(wǎng)絡(luò)視聴平臺(tái)信息管理系統(tǒng)」へ登録する。

2．関連プラットフォームは、50回のライブに最低1人の監(jiān)督者を置かなければならない。また監(jiān)督人員を育成し、「審核員信息管理系統(tǒng)」に登録する。

3．展示會(huì)等直播ライブイベントも、服務(wù)管理規(guī)程の対象となる。イベント14日前までに、招待客、ライバー名、內(nèi)容、設(shè)備等の情報(bào)を、広電総局の擔(dān)當(dāng)部門(mén)へ屆ける。

4．ライブコマースは、クリック數(shù)、成約総額、懸賞金など、大幅な水増しや、偽情報(bào)が問(wèn)題となっている。これらの拡大を防ぐため、原因と世論を分析し、タイムリーな対策を取る。

例えば某企業(yè)は、10萬(wàn)元の料金を収めライブコマースを?qū)g施した。當(dāng)日1323臺(tái)の家電を成約したが、翌日1012臺(tái)が返品された。売り上げの偽裝だが、これらにその場(chǎng)で対処できるようにする。

■やり玉に上がった辛巴“燕の巣”事件

辛巴“燕の巣”事件の報(bào)道がヒートアップ

時(shí)を同じくして、ライブコマースの今後を暗示する事件が起こった。ショートビデオ「快手」の男性トップライバー、辛巴のトラブルだ。辛巴は全國(guó)的にも、李佳［王奇］、薇［女亜］に次ぐ知名度を誇る。10月25日に行った彼のライブが、問(wèn)題とされた。販売したのは、高級(jí)食材、燕の巣原料を使用した飲料である。

雙11の後、某女性ユーザーから、ビデオ投稿が寄せられた。燕の巣成分特有の粘り気はなく、大部分が砂糖水だ、という主張だった。辛巴と関連組織は10日間にわたり調(diào)査を行った結(jié)果、やはり鳥(niǎo)の巣成分はほとんど入っていなかった。辛巴は11月27日に聲明を出し、ライブパフォーマンスの誇大広告を認(rèn)めた。

そして賠償を申し出たのである。売り上げのうち、6198萬(wàn)3040元（9億8800萬(wàn)円！）を返金するという。この金額も大きな話題を提供し、象徴的事件と化した。

■李佳［王奇］、薇［女亜］を“重點(diǎn)管理”

李佳［王奇］、薇［女亜］の今後の構(gòu)想とは

當(dāng)局の目的は、ライブパフォーマンスとトップライバー本人を“重點(diǎn)管理”下に置くことにある。メディアは、人気ライバーの名を冠し「重點(diǎn)管理される薇［女亜］と李佳［王奇］」などの見(jiàn)出しで報(bào)じている。管理強(qiáng)化により、やりにくくなるのは間違いない。彼らは今後について、どのような構(gòu)想を持っているのだろうか。

李佳［王奇］は、“スター路線”を発展させていく。この1カ月、映畫(huà)出演、トークショー出演、ケンタッキーの新製品広告に登場(chǎng)している。最終的な目標(biāo)は、世界的な國(guó)産ブランドを立ち上げることだ。そのために2020年3月、上海妝佳電子商務(wù)有限公司を設(shè)立した。ライブコマースだけでなく、従來(lái)型メディアへも進(jìn)出し、多元的展開(kāi)を図る。

薇［女亜］は、ライブルームにこだわり、進(jìn)化の可能性を追求する。年末には新しいモデルを試す。商品サプライチェーンの拠點(diǎn)を自らの手で確立し、多くのブランドとライバー、インフルエンサーをマッチングする。ブランド、ライバー、インフルエンサーがつながり、コラボレーションのプロセスや進(jìn)捗狀況をモニターできるようにする。そのための新プラットフォームをスタートする。しかし具體的內(nèi)容の詰めは、まだこれからだ。

李佳［王奇］はより広く、薇［女亜］はより深く、という異なる指向をしているようだ。ともかく2020年11月、ライブコマースは當(dāng)局の指導(dǎo)により、ターニングポイントを迎えた。間もなく、その方向性が明らかとなることだろう。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書(shū)：2001年「繊維王國(guó)上?！箹|京図書(shū)出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書(shū)出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。