2020年12月13日、中國メディアの環(huán)球網(wǎng)は、日中戦爭時に中國の戦場に赴き、終戦後戦犯として中國で裁かれた後に帰國した舊日本兵の「その後」について紹介する記事を掲載した。以下はその概要。

1970年代生まれの日本人學(xué)者である石田隆至氏は2005年から、かつて戦犯として捕らえられその後釈放されて帰國した舊日本兵に対するヒアリング調(diào)査を続けてきた。石田氏の祖父も太平洋戦爭に參加したが、話を聞いても「苦しかった、つらかった」と言うだけで具體的に戦場でどんなことをしたのかについては語ってくれなかったという。

石田氏の印象に深く殘っている一人が、湯淺謙さんの証言だ。湯淺さんはかつて山西省で陸軍軍醫(yī)として活動し、現(xiàn)地の捕虜に対する人體実験を行っていたという。戦犯として身柄を拘束された當初は全く罪の意識を持っていなかった湯淺さんだったが、ある日殺された農(nóng)民の母親が警察に寄せた「わが子を殺され生きる希望が無くなった。死刑にしてほしい」といった內(nèi)容の手紙を読んで初めて自身の行為の殘虐さを知り、涙を流したという。

その後釈放されて帰國した湯淺さんは、亡くなるまでに600回以上の講演を行い、自らが行った生體解剖の様子を具體的に語り続けた。その様子がメディアによって広く紹介されると、家には脅迫の電話や手紙が數(shù)多く寄せられたというが、決して各地での講演を止めなかったそうである。

また、戦爭末期に最下級の兵士として湖北省で物資の輸送などの後方勤務(wù)にあたっていたという難波靖直さんの話も印象深かったと石田氏は語る。難波さんは撫順の戦犯管理所に送られた際に「自分は誰も殺していないのにどうして戦犯扱いされるのか」と抗議したという。しかし、管理所で他の戦犯の供述を翻訳、記録する中で、日本兵たちが行ってきた殘虐な行為を初めて知り「帰國したら、日本社會が中國に謝るよう導(dǎo)かなければならない」と決心した。

やがて帰國した難波さんだったが、その後日本で待っていたのは苦難の日々だった。「中共からの帰還者」ということで仕事が得られず、「侵略戦爭反対」「日中友好」を主張したことで警察に目を付けられ、長きにわたり監(jiān)視下に置かれたと振り返っている。

「戦犯たちの心からの謝罪姿勢から、日本社會に一體どんな行動が足りないかを考えてもらうことができる」と語る石田氏は、中國で裁かれた戦犯の研究を通じて日本社會が問題の在りかをはっきり認識して、しかるべき謝罪を行うことを望んでいる。（翻訳?編集/川尻）