高野悠介 2020年12月23日(水) 10時0分
拡大
中國の小売業(yè)界のトレンドは目まぐるしく変化する。2021年の主役は社區(qū)団購といわれている。再びソーシャルコマースに焦點が當(dāng)たるという予想だが、メインは社交電商ではなく社區(qū)団購に変わっている。資料寫真。
中國の小売業(yè)界のトレンドは、目まぐるしく変化する。2019年春は社交電商、社區(qū)団購など、ソーシャルコマースが中心だった。それが2019年夏以降、直播電商(ライブコマース)の話題一色になる。そして現(xiàn)在、2021年の主役は、社區(qū)団購といわれている。再びソーシャルコマースに焦點が當(dāng)たるという予想だが、メインは社交電商ではなく社區(qū)団購に変わっている。それらの事情も含め、2021年の中國小売業(yè)界を展望してみよう。
■2019年の社交電商ブーム
社交電商とは、ユーザーがユーザーを誘客する“行為誘発”システムである。
2019年春は、社交電商の時代であり、その代表は「拼多多」だった。2015年の設(shè)立以來、たった3年で米國ナスダック市場へ上場し、ユーザー數(shù)は3億人を突破した。トップのアリババは3億達(dá)成まで10年、2位の京東は5年かかっていた。メディアはこのスピードに驚愕し、拼多多モデルの分析が盛んに行われた。
従來型ネット通販は、ユーザーが需要に基づき、商品を検索し購入する。これに対し、拼多多型モデルは、行為誘発システムと言い、ユーザーが商品を検索後、他のユーザーと交流することで需要を掘り起こす。
まず購入畫面で、味やサイズ(食品の場合)を選ぶ。ここでは納期にこだわらないことがポイントだ。注文するとシェア畫面に、あとX人の購入が必要と表示される。そしてSNS(微信)で友人グループへシェアするよう誘導(dǎo)される。何人かがそれに応じ、共同購入が成立すると、小さな達(dá)成感を得られるらしい。友人と違う味やサイズを選ぶことも可能だ。誘われた方もせっかく友人が自分を選んでくれたのだから、とスルーせず、いずれ必要なものだから、とつい買ってしまう人も多いという。支払いは、微信支付(WeChat Pay)で行う。SNS內(nèi)で全プロセスが完結(jié)する。
■2021年の社區(qū)団購とは
?社區(qū)団購はコミュニティ単位のミクロの社交電商
社區(qū)団購は2013年ごろに登場した概念で、Community group buyingと英訳される。2013年ごろから登場した。コミュニティ居住者による購買、消費活動を指す。団長を中心としたコミュニティ範(fàn)囲內(nèi)の社交電商である。発注した食品や日用品を、翌日コミュニティで受け取るイメージだ。ネットメディア「疆湖科技」は、次のアドバンテージを挙げている。
事業(yè)者
1.在庫ゼロ、廃棄ロス少なく、キャッシュフローは良好。
2.団長(グループリーダー)の人脈を利用するため、顧客獲得コストが低い。
3.シンプルな運用モデル、運営費をあまり必要としない。
4.団長はパートナーとして採用するため、人件費はほぼかからない。物流はコミュニティまでの配送で済み、高度なシステムは不要。
5.投資家の支持を得られやすい。大規(guī)模にコピーすることが可能なモデル。
消費者
1.中間業(yè)者が存在しない分、低価格を?qū)g現(xiàn)した。
2.団長は身近な存在、たとえ商品に問題があったとしても、顔を突き合わせて解決できる。アフターサービスが手厚い。
■主力メンバー…IT巨頭系
2020年、IT巨頭が社區(qū)団購に続々と參入した。
2020年6月、配車アプリトップの滴滴出行が「橙心優(yōu)選」をスタート、7月には生活総合サービスの美団が「美団優(yōu)選」、8月には、拼多多が「多多買采」、9月にはアリババが「盒馬優(yōu)選」を立ち上げた。京東も2021年1月「京東優(yōu)選」をスタート、TikTokのバイトダンスも「今日買菜」を準(zhǔn)備している。コロナ終息後、進出の動きは一気に活性化した。
美団優(yōu)選…微信小程序(WeChatミニプログラム)で発注。午後11時受付分まで、翌日ピックアップ可能。年內(nèi)20省、1000都市をカバーする予定。
橙心優(yōu)選…當(dāng)日発注分は翌日ピックアップ。直近10月末で14省市で展開。
多多買采…午後11時までの発注は、翌日コミュニティへ。全國1000の生産者と提攜。10月末、13省31都市で展開。
盒馬優(yōu)選…10月末、武漢市でスタート、1萬グループを組織へ。
■主力メンバー創(chuàng)業(yè)系
投資機構(gòu)によるスタートアップ投資が活発化している。
興盛優(yōu)選…2017年3月、湖南省?長沙市でスタート。すでに5つの投資シリーズで資金調(diào)達(dá)。テンセント出資。湖潤研究院の「2020年世界ユニコーン企業(yè)ランキング」351位。
食享會…2017年12月、武漢でスタート。同じく4シリーズで資金を調(diào)達(dá)。テンセント、ソフトバンク出資。2020年末、100都市、5萬コミュニティで展開予定。
同程生活…2018年3月、蘇州市でスタート。同じく5シリーズで資金調(diào)達(dá)。
十薈団…2018年10月、北京でスタート。4シリーズで資金調(diào)達(dá)。アリババ出資。
創(chuàng)業(yè)系大手へは、活発な投資が行われている。
■混戦の行方は
その他、名の知れぬ中小の組織が無數(shù)にある。微信と商品背景さえあれば、誰でも開業(yè)できる形態(tài)だ。主力メンバー各社は、そうした有能な“団長”を陣営に取り込もうとしている。大手だけの競爭に限定されず、局面は複雑だ。12月中旬には、官製メディアに、大手の“橫暴”を告発する記事も出た。それを機に食品卸會社の反亂(値引き要請に応じない)も伝えられた。
そうした混戦の中でも、美団優(yōu)選、橙心優(yōu)選、多多買采、興盛優(yōu)選の4つが中心と見る向きは多い。美団は大量の人員と資金を投入し、フードデリバリーなど豊富な2Cビジネスのノウハウを持つ。滴滴も同様にビッグデータがあり、拼多多はソーシャルコマースの本家だ。これらに対し、投資家の期待を一身に集める創(chuàng)業(yè)系がどう戦うか。やはりここが最大の焦點だろう。
■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王國上?!箹|京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。
この記事のコメントを見る
Record China
2020/12/3
2018/10/12
高野悠介
2020/12/1
2019/10/15
2020/8/31
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら
業(yè)務(wù)提攜
Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る