<羅針盤>中國の「月の女神=嫦娥」の成功に驚く=17年前を想起―立石信雄オムロン元會長

立石信雄    2020年12月20日(日) 7時(shí)0分

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中國の無人月面探査機(jī)「嫦娥5號」が、月の土壌2キロの持ち帰りに成功した。嫦娥は中國の神話に出てくる月の女神というからロマンがあるが、米國に対抗して開発を加速すると聞くと現(xiàn)実の厳しい世界に引き戻される。

中國の無人月面探査機(jī)「嫦娥(じょうが)5號」が12月17日、月の土壌2キロの持ち帰りに成功した。嫦娥は中國の神話に出てくる月の女神というからロマンがあるが、米國、舊ソ連に次ぐ3カ國目で、米國に対抗できる「宇宙強(qiáng)國」に向けて宇宙開発を加速すると聞くと現(xiàn)実の厳しい世界に引き戻される。

中國は、さらに7月に打ち上げた火星探査機(jī)が、中國共産黨の結(jié)黨から100年を迎える2021年の5月に火星に著陸する予定とか?;鹦扦湫』笮扦瓮翂触单螗抓毪虺证翈ⅳ胗?jì)畫や木星探査も計(jì)畫しているという。

中國獨(dú)自の宇宙ステーションを今後2年間かけて完成させる計(jì)畫とか。宇宙ステーションを構(gòu)成する中心設(shè)備や実験設(shè)備などを送り込むため、有人を含めてロケットで11回打ち上げるとしており、22年までの運(yùn)用開始をめざすという。

中國はハイテク産業(yè)育成策「中國製造2025」で宇宙開発を重點(diǎn)分野に位置づける。月探査では2013年に月面著陸に成功し、19年に世界で初めて月の裏側(cè)に著陸した。月探査では今回の成功をテコに月面基地を建設(shè)し、有人探査や資源開発も計(jì)畫しているというから驚きを禁じ得ない。

というのも、今から17年目の出來事が脳裏に染み込んでいるからだ。中國が初の有人宇宙飛行に成功した2003年10月16日、私は講演するため上海交通大學(xué)を訪問していた。

講演の冒頭、有人宇宙飛行成功へのお祝いの言葉を述べると、學(xué)生たちから大きな拍手がわいた。聞いてみると、教授も含めみんな朝5時(shí)に起きてテレビに見入っていたとのこと。上海交通大學(xué)は江沢民元國家主席の母校でもある有力大學(xué)であり、宇宙飛行プロジェクトにも多くの卒業(yè)生がかかわっている。當(dāng)時(shí)新型肺炎(SARS)騒ぎで少し沈滯気味だった雰囲気を一気に振り払い、國民に自信と誇りを與える歴史的な瞬間だったことは、學(xué)生たちの自信に満ちた顔を見てもはっきりと感じ取ることができた。

その後中國経済は高度成長を達(dá)成、2008年の米リーマンショック時(shí)には大規(guī)模な投資により大恐慌以來の世界同時(shí)不況を救ったとされ、2010年には世界第2の経済大國に発展した。

世界はコロナ禍という未曽有の難局に直面している。中國は宇宙分野の発展などで國威も大いに発揚(yáng)されたが、ソフト面の充実という新たな発展の段階に差し掛かっている。天空の世界だけでなく、格差是正や農(nóng)村地域開発など地上の世界での社會的諸課題の克服が待ったなしである。

<羅針盤篇60>

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機(jī)販売に入社。1965年立石電機(jī)(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任?!弗蕙庭弗幞螗趣?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=ノーベル賞'>ノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽(yù)文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽(yù)會長。エッセイスト。

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