2014年4月9日、インドネシアで起きた100萬(wàn)人大虐殺の真相に迫るドキュメンタリー映畫(huà)「アクト?オブ?キリング」が4月12日公開(kāi)される。事件の被害者に話を聞くのではなく、加害者に自らの行為を演技で「再現(xiàn)」させることにより、人間の心の闇と大量殺人の狂気をあぶり出した。ジョシュア?オッペンハイマー監(jiān)督は「現(xiàn)代社會(huì)は巨大な暴力の上に成り立っている」と語(yǔ)った。

【その他の寫(xiě)真】

1965年、インドネシア。9月30日の深夜、スカルノ初代大統(tǒng)領(lǐng)派の陸軍左派がクーデター未遂を起こした。後に大統(tǒng)領(lǐng)となるスハルト少將（當(dāng)時(shí)）が鎮(zhèn)圧?！甘录吸\幕は共産黨」と斷定され、インドネシア全土で同黨支持者とされた人々や華僑ら100萬(wàn)人以上が殺害された?！?月30日事件」と呼ばれる一連の出來(lái)事は、その後30余年にわたるスハルト獨(dú)裁體制の下でタブーになり、加害者の訴追も行われていない。

オッペンハイマー監(jiān)督は當(dāng)初、事件の被害者を取材していたが、軍の妨害で中斷を余儀なくされた。そこで加害者──殺人の実行部隊(duì)となった地元のギャングたちに「あなたが行った虐殺を演じてくれませんか」と要請(qǐng)。スマトラ島メダン市で「1000人以上は殺した」と豪語(yǔ)する殺人部隊(duì)リーダーのアンワルらが、喜々として大虐殺の方法を「演じて」みせた。

2012年トロント國(guó)際映畫(huà)祭などを皮切りに、同作は世界の映畫(huà)祭を席巻。ドキュメンタリー映畫(huà)の名匠で今回製作総指揮を務(wù)めたヴェルナー?ヘルツォーク監(jiān)督が「映畫(huà)史上類(lèi)を見(jiàn)ない作品」と絶賛するなど、世界的に高い評(píng)価を得ている。

──加害者たちは人を殺すのにまったく迷いがありません。なぜブレーキもなく虐殺が行われたのでしょうか。

殺人を犯す行為は、人間が恒常的に持つ資質(zhì)だと思う。地球上のほかの生物には見(jiàn)られない。同類(lèi)を殺すことができるのが人間だ。効率良く、勢(shì)い良く、仲間を殺し、トラウマを感じるのもまた、人間の資質(zhì)だ。

人を殺す場(chǎng)合、対象と距離をどの程度を置けるかが鍵になる。たとえば米軍はアフガニスタン、イエメンで無(wú)人機(jī)を使い、人々を殺りくしている。（オバマ米）大統(tǒng)領(lǐng)が毎週長(zhǎng)いミーティングを行い、リストの中から殺す人間を決める?！袱长稳宋铯仙皮い欷薪襻幛长欷坤比碎gを殺す。だから先に殺してしまったほうがいい」という論理を使う。大統(tǒng)領(lǐng)自身は哲學(xué)のセミナーに出席し、指示しているような気持ちだろう。それが距離の取り方の一つの方法だ。

（インドネシア大虐殺の）加害者にインタビューする過(guò)程で、アンワルは41人目の取材対象だった。ほかの人々は「軍からウイスキーを與えられ、感覚が鈍った狀態(tài)で人を殺した」などと話していたが、アンワルは違った。映畫(huà)が大好きで、自分のヒーローであるエルビス?プレスリーに感情移入し、明るく踴りながら殺りくしていた。つまり彼にとって「アクト?オブ?キリング」は、殺人という行為そのものであると同時(shí)に、演じることで殺人と距離を取る作業(yè)になっていたわけだ。

あなたがもし「誰(shuí)かを殺せ」と言われたら、心の中でブレーキがかかるかもしれない。しかし問(wèn)題は、どこで誰(shuí)を殺すかではなく、いかに殺人という行為から距離を取れるかなのだ。

──虐殺の被害者は「共産黨関係者」のレッテルを張られました。権力者が人々の個(gè)性を消し、名もなき集団にしたうえで命を奪う。世界各地で起きている現(xiàn)象です。

そうだ。哲學(xué)者のマックス?ウェーバーは「現(xiàn)代の國(guó)家は巨大な暴力を獨(dú)占している」と言った。國(guó)家はそういう資質(zhì)を持っている。65年のインドネシアで起きたことは、別の場(chǎng)所でも起きたこと。（大虐殺が）カンボジア、ルワンダ、ドイツで起きた時(shí)は、加害者が権力の座から引きずり降ろされた。しかし、世界的には例外的な結(jié)末だ。むしろインドネシアのように、加害者が権力を握り続けているケースが多い。

政治家は暴力を使うことにより、物事を集約したり、権力の座に居座るのが法則となっている。現(xiàn)代社會(huì)は巨大な暴力の上に築かれている。今回描いたことはその法則に合致し、加害者は裁かれずに罪を逃れている。加害者が自慢気に語(yǔ)る多くのシーンは、まさにその法則を表しているんだ。

──將來(lái)的に被害者が口を開(kāi)き、和解に向かうと思いますか。

（舞臺(tái)となった）メダンは、他の地域に比べて事実を語(yǔ)ることが難しい。今回告発されたギャングたちが地域を仕切り、獨(dú)占的に力を握っているからだ。ただし、今回の映畫(huà)で狀況は少し変わった。新聞などメディアが「虐殺は間違っていた」とはっきり書(shū)けるようになってきた。ギャングが権力を握っている現(xiàn)狀も、少しずつだが問(wèn)題視できるようになってきた。

──宗教と事件の関連性をどうとらえますか。

今回のケースでは虐殺の後、自らの行為を正當(dāng)化するため宗教が利用された。彼らの言い分では「被害者は無(wú)神論者だった。そのままにしておくと彼らは他人を殺す。だから先に殺してしまう」という論理だ。

しかし、それが本當(dāng)ではないことは、映畫(huà)を見(jiàn)れば分かる。イスラム教の祈りの聲が町の放送で流れてきた時(shí)、彼らは「いま話しているのは共産黨員だったんだぞ。俺の手にかからず運(yùn)がいいやつだ」と話している。犯罪や薬物にも手を染め、宗教的な規(guī)範(fàn)を守っていない?？证椁摔椁暇搐堡螭圣ぅ攻楗嘟掏饯扦悉胜?。その証拠に下品な話をした後すぐ、お祈りをしていた。見(jiàn)れば分かることだ。

歴史をひもとくと、宗教の名のもとに行われた集団的暴力の中には、実は権力者が野心や強(qiáng)欲にかられ、名目で宗教を使った例がみられる。今回の加害者たちは宗教を口にしながら、敵を抹殺し、金銭を得るため人を殺していた。後づけで宗教や反共産主義などを理由にしたわけだ。

この問(wèn)題は、結(jié)果的にインドネシアの政権を支持してきた日本を含む各國(guó)にも関係している。インドネシアの大虐殺は、一つの「冷戦」の産物だったのではないか。日本を含む先進(jìn)國(guó)は、南の豊かな土地を支配したいがために政権を支援した。安い賃金と資源が魅力で、自らの行為を正當(dāng)化するため、「反共」の旗印を掲げたのだと思う。

──暴力は一貫して取り組んできたテーマですね。

特に暴力に魅力を感じているわけではない。むしろ「人は何かを語(yǔ)ることにより、どうやって自分を正當(dāng)化するか」に興味がある。うそをついた痛み、真実から逃れようとする人間の側(cè)面、うそが與える影響に関心がある。だから「アクト?オブ?キリング」は物事を語(yǔ)ること、「自分はこういうものを見(jiàn)たくない」という否定についての映畫(huà)でもある。

人が自分の見(jiàn)たくないものを、見(jiàn)ないようにするために、どんな方法を使うか。どう物語(yǔ)をうまく使うか。今回はうそを一枚ずつはがしていって、本當(dāng)は見(jiàn)たくなかったもの、つらい真実と痛みを発掘する作業(yè)でもあった。本物の自分と和解するためには、つらい真実と向き合わなければならない。

作品の中で暴力の再現(xiàn)シーンが目につきやすいが、65年に起きたことを伝えようとしたわけではない?，F(xiàn)場(chǎng)でどんな暴力が行われたかを見(jiàn)てもらうためでもない。彼らが自分の頭の中で、あの出來(lái)事をどう再現(xiàn)しているのか。どう「物語(yǔ)って」いるのかを見(jiàn)せた。私は當(dāng)時(shí)起きた出來(lái)事に興味はない。今現(xiàn)在、彼らが生きていくために、どんなうそをついているのか。どう語(yǔ)っているのかに興味があったんだ。

──自分の罪に向き合ったアンワルは、勇気がある人間といえるのでしょうか。

自分の気持ちに正直になる勇気があったともいえるが、やはり人を殺すことは自己中心的な行為だ。むしろ臆病だったのだと思う。ほかの加害者たちは痛みを心の奧底に隠している。しかし、アンワルは毎晩トラウマで悪夢(mèng)を見(jiàn)ていた。痛みが心の表面近くにある。だから正直にならざるを得なかったのでは。勇気があるとはいえないだろう。（文/遠(yuǎn)海安）

ジョシュア?オッペンハイマー(Joshua Oppenheimer)1974年、米テキサス州生まれ。米ハーバード大、英ロンドン大に學(xué)ぶ。政治的暴力と想像力の関係性を探るため、10年以上にわたり民兵や暗殺部隊(duì)、犠牲者たちを取材。監(jiān)督作品は「THE GLOBALIZATION TAPES」（03）など多數(shù)。英蕓術(shù)?人権研究評(píng)議會(huì)ジェノサイド?アンド?ジャンル?プロジェクト上級(jí)研究員。関連著書(shū)も多數(shù)。

「アクト?オブ?キリング」（2012年、デンマーク?ノルウェー?英國(guó)）

監(jiān)督：ジョシュア?オッペンハイマー