<直言!日本と世界の未來>年の初めに考える=國際協(xié)調(diào)「復活」の年に―立石信雄オムロン元會長

立石信雄    2021年1月3日(日) 8時51分

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新しい2021年がスタートした。2020年は日本と世界にとって厳しい年だった。新型コロナウイルスの蔓延により、世界のあちこちで軋み(きしみ)が生じた。今年はトンネルを抜け出る「復活」の年にしたい。

新しい2021年がスタートした。2020年は日本と世界にとって厳しい年だった。新型コロナウイルスの蔓延により、経済活動が停滯し、世界のあちこちで軋み(きしみ)が生じた。今年はトンネルを抜け出る「復活」の年にしたい。

少子高齢化や潛在成長率の低下などにより経済低迷に陥っている日本。デジタル化や雇用?産業(yè)構(gòu)造の改革の遅れなどもコロナ禍で顕在化した。世界全體を見渡しても、米國と中國の対立、貧富の格差拡大、グローバル化の弊害など、かねて取りざたされていた問題が浮き彫りになったと思う。今年の最優(yōu)先課題はコロナ感染食い止めであることは言うまでもない。世界各國は感染対策として、程度の差はあるものの人為的に経済活動を停止することを余儀なくされた。

厳冬期に入り北半球の日米歐で再び感染が拡大した。英國など歐州は厳しい外出制限をとり、日本も観光需要喚起策「Go To トラベル」事業(yè)の一時停止や、飲食店への営業(yè)時間の短縮要請などに追い込まれた。コロナ禍の経済への影響は、業(yè)種や地域、雇用形態(tài)などでばらつきが多く、格差を生じやすいとされる。

製造業(yè)はグローバルな生産活動の再開で回復がみられる一方、サービス業(yè)は飲食?観光業(yè)などを中心に厳しい狀況が続く。各國は異次元の財政金融政策により経済の落ち込みの抑止に動くが、一律のばらまきではなく、真に困っている人に支援が屆くような目配りが必須である

希望はコロナワクチンの開発が世界で急速に進んでいること。歐米では接種も始まった。日本でも米製薬大手ファイザーがワクチン承認を申請した。中國でも、國有製薬大手、中國醫(yī)薬集団(シノファーム)傘下企業(yè)が開発した新型コロナウイルス不活化ワクチンを同國政府が承認。春節(jié)(舊正月、今年は2月12日)までに、醫(yī)療従事者やライフライン労働者など9種類の重點グループへの緊急接種を完了する予定という。すでに開発途上國へのワクチン供與も始まったとの報道もある。

日本経済の再生には、単にコロナ前に戻すだけではなく、デジタル化や雇用市場の改革など新たな経済?社會を切り開く戦略が必要だ。最重點課題として取り組んでいる菅政権の踏ん張りに期待したい。

コロナ対策でも、米國に比べ、強権的な都市封鎖や外出制限などの介入策をとった中國のような統(tǒng)制國家のほうが効果を上げているとの見方もあるようだ。コロナの発生源とされた中國だが、その後の経済回復は早く、日本を含む世界各國の中國頼みが鮮明になっている。

「米國第一主義」を掲げるトランプ政権の登場以降、多國間協(xié)調(diào)は大きく後退した。1月20日に就任するバイデン次期米大統(tǒng)領(lǐng)は、協(xié)調(diào)路線に回帰する意向を示しており、米國の「Uターン」を期待したい。その試金石となるのが、コロナ対策と地球溫暖化対策だ。いずれも一國だけでの解決は難しい地球規(guī)模の問題だ。バイデン氏はトランプ氏が脫退を決めた世界保健機関(WHO)と、溫暖化対策の國際的枠組みのパリ協(xié)定に復帰する考えを表明している。コロナ対策では資金の乏しい途上國へのワクチン供給が急務であり、溫暖化対策では世界最大の溫暖化ガス排出國の中國の協(xié)力も必要になる。

日本は米國が脫落した環(huán)太平洋経済連攜協(xié)定(TPP)を主導し、中國?韓國?豪州?東南アジア諸國などと東アジア経済連攜協(xié)定(RCRP)を締結(jié)してきた。今後も國際協(xié)調(diào)の再構(gòu)築に積極的に関わるべきだ。

<直言篇144>

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任?!弗蕙庭弗幞螗趣?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=ノーベル賞'>ノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽會長。エッセイスト。

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