恐らく、歐米のハイスクールまたはジュニアハイスクールの歴史の授業(yè)の一コマなのだろう。一人の少女がデモクラシー（民主主義）に関する授業(yè)で、スピーチをすることになった。スピーチの課題は「人類の統(tǒng)治形態(tài)の歴史」である。

だが、その少女の意表を突いた結(jié)論に、先生をはじめクラスメートたちは大いに沸き立つ。

その「意表を突いた結(jié)論」とは何か?，F(xiàn)代人の僕らが知るデモクラシーというのは、実のところ人類の統(tǒng)治形態(tài)の史上最高の最終形態(tài)ではなく、自由を愛してやまない人類が最終的に辿り著いた末期的な混亂狀態(tài)なのだという。

一方でこの少女は「自由を愛してやまない」世のただ中にあって、小さい頃から親の「指導(dǎo)と助言」を受け、長じてからもそれることがない。

最近、「中國人がコロナ統(tǒng)制を受け入れる訳（The Economist）| 日本経済新聞」という記事を読んで、このミュージックビデオのことを思い出した。

つまり英國エコノミスト誌によれば、「自由を愛してやまない」歐米人目線で中國を見た時(shí)、中國という國は清の時(shí)代このかた「感染病については國家の統(tǒng)制が歴史的に深く根付いている」國であるという烙印を押されてしかるべきなのだという。

うーん。まあ、近からず遠(yuǎn)からず、なのかもしれない。

というのも最近、學(xué)校から突然「（コロナ対策のため）小區(qū)（日本の公団の街區(qū)のようなもの）の北大門が閉鎖されました。鍵が取り換えられたため學(xué)校側(cè)も開けることができませんので、明日は（こちらの門を）使えません」というウィーチャットメッセージ（日本のLINEメッセージに相當(dāng)）が來て、中國人の妻と思わず顔を見合わせた。

僕らの小學(xué)校1年生になるハーフの娘が通う小學(xué)校は、僕らの住む小區(qū)の隣にある。その小區(qū)の「北大門」から小學(xué)校にまっすぐ行けば200メートル程度で著くのだが、今回指定された東門まで行ってぐるっと回って行ったりすれば1キロメートル前後は歩くことになる。

どうやら中國式の3密回避（特に密集）ということらしいのだが（以前は小區(qū)の門の內(nèi)側(cè)で子どもを迎えに來た數(shù)十人の父兄たちが待機(jī)していた）、門の內(nèi)側(cè)で數(shù)十人が待っていたのが門の外側(cè)になっただけなので、あまりというかほとんど意味がない。

とはいえすでに決まってしまった。僕が即座に妻に答えて言う?！袱袱忝魅栅显绀幛顺訾毪椤埂￥饯欷舜黏à破蓼预?、「北の小門が開いてないかどうか、ちょっと見てきてね」。

僕は內(nèi)心、そりゃ無理だろう、東門から出なさいって言っているんだから開いているはずがない、と思っていた。

この點(diǎn)、僕は中國に來て、これまでさんざん煮え湯を飲まされたため、もう懲りている。

一體何に懲りているのか。中國では、規(guī)制を守らせるための施策というものが徹底しているのである。

たとえば少し前まで、學(xué)校施設(shè)などの前の道路には減速帶（減速パネル）が埋め込まれ、ドライバーに無理やり減速させていた。今でも道路の中央線には延々とフェンスが設(shè)置され、道交法や周囲のひんしゅくではなく物理的手段によって進(jìn)路変更が遮られている。

これは何も道路だけの話ではない。ファストフード店內(nèi)などはもちろん街中のあちこちに監(jiān)視カメラが設(shè)置され、全國規(guī)模の巨大な天網(wǎng)系統(tǒng)（天網(wǎng)監(jiān)控系統(tǒng)つまりネットワーク監(jiān)視システム）を作り上げている。

だから小區(qū)の門も普通であれば監(jiān)視カメラないしは門衛(wèi)の人によって守られ、しかも入ったら出られない袋小路な構(gòu)造になっている小區(qū)がほとんどである。つまり中國の小區(qū)というのは監(jiān)視された門をくぐって中に入ると、その門（ともしあれば別の監(jiān)視された門）以外に出口がない。

僕もこれまで何度となく日本人的な勘に頼って小區(qū)を橫切り向こう側(cè)に出ようとして、何度遮られたことか。

そんなわけだから、もし小區(qū)で門が閉められた場合、出入りはほぼ不可能になる。コロナ禍が始まったばかりの時(shí)はこれが奏功し、門のところに24時(shí)間待機(jī)の「受付」を設(shè)置するだけで、人の流れをほぼ100％遮斷することが可能になった。

それで、その翌日。娘と共に朝早めに出て、娘に言う。「今日は東門からだよ。仕方がない。パパは愛ちゃん（娘の名前）を?qū)W校に送ってから、北小門が開いているかどうか見てくるから」。

そしたらなんと、北小門が開いていた。この門の隣には門衛(wèi)の人の詰め所があることからして、偶然ではなく公認(rèn)のようである。結(jié)果、今のところ通知上では1キロメートルのところを、実質(zhì)500メートルで済んでいる。

ところで、日本の皆さんは上述のような、中國で「規(guī)制を守らせるための施策というものが徹底している」ことをどう思われただろうか?！笇g質(zhì)500メートル」のような融通も（時(shí)には）利かせてもらえるのだから、別にいいのではなかろうかと僕は思ったりするのだが。

その一方で、先に引用した英國誌には「プライバシー侵害ともいえる中國の新型コロナ対策は、あまりに厳しいため人々は感染をより恐れるようになっており、そのことが対策がより受け入れられていくという好循環(huán)を生んでいる」とある。

こちらのお國では基本的にすべてが監(jiān)視?記録されているから、日本のような高感染率地域でもし仮に感染したなら、何処の何某は何月何日に何処で何を食べましたといった情報(bào)までもが公にされ、感染者に接觸したと特定された人々は皆即刻検査を受けさせられる。

では、「あなたたち中國の人たちはそれでいいんじゃないでしょうか？」と思ったあなたに質(zhì)問したい。

もし仮に、上述の「規(guī)制を守らせるための施策というものが徹底している」ような狀況が日本で生じた場合、あなたはそれを受け入れられるだろうか。見たところ「あまりというかほとんど意味がない」ように思える上からの指示に対してはどうだろう。

「自由を愛してやまない人類が最終的に辿り著いた末期的な混亂狀態(tài)」が當(dāng)たり前な現(xiàn)代人の僕らにとって、こうした中國の狀況は確かに異質(zhì)かもしれない。仮にそれが奏功していても、である。

幸い僕らは中國にいるため、そんな「中國コロナ統(tǒng)制」を家族で受け入れ、結(jié)果として（今のところ）事なきを得ている。

「事なきを得ている」というのは、コロナ禍でも「まあ」普通の生活を送りつつ、「自由を愛してやまない」人々に同調(diào)したがために自由を制限されるということもない、という意味である。日本経済新聞に掲載されたエコノミスト誌の中でも、北京大學(xué)第六醫(yī)院院長で著名な精神科醫(yī)の陸林教授が言う?！溉簸と摔摔献苑证韦长趣坤堡扦悉胜埭辘稳摔韦长趣饪激à胜丹い戎腋妞筏郡ぁ?。

そして僕としては、僕らのハーフの娘があのミュージックビデオの少女のような「大人」になることを願(yuàn)っている。日本を過度にうらやむことも中國を過度に禮賛することもない、「長じてからも指導(dǎo)と助言からそれることがない大人」へと成長してほしい。

■筆者プロフィール：大串 富史

本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級(jí)を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。

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