中國當局は19日、2020年6月に発生した中印両軍の衝突で中國軍人4人が犠牲になったと初めて明らかにした。米國に拠點を置く華字メディアの多維新聞は同日、同発表には中國側(cè)の「意図」が込められているとする見方を紹介した。

中國共産黨中央軍事委員會の機関紙である解放軍報は19日付で、2020年6月に発生したインド軍との衝突で、中國人民解放軍の陳紅軍中隊長と陳祥榕、肖思遠、王焯冉の兵士3人の計4人が犠牲になり、4人にはそれぞれ栄譽稱號あるいは勲章が授與されたと報じた。

衝突の発生後、中國の軍報道官は「中印雙方に死傷者が出た」と説明したが、詳細については明らかにしなかった。

多維新聞によると、アジアの安全問題を?qū)熼Tとするオーストラリアのマッコーリー大學ベイツ?ジル教授は、中國がこの時期になってインド軍との衝突により発生した死傷者を発表した目的は、インドとの対峙に対する決意を示すものと述べた。

中印両軍は、インド側(cè)のラダックと中國側(cè)のチベット自治區(qū)ルトク県の間にある宗法の実効支配線にあるパンゴン湖畔でにらみあっていた。2021年1月には、雙方の間で「小規(guī)模な対峙が発生」したとされる。しかし、中印とも緊張緩和の試みは一貫して続けてきており、中國政府?國防部は2月10日に、インドとの合意が成立したことにより、雙方はすでにパンゴン湖畔から撤退し、接觸狀態(tài)を解除する動きを始めたと発表した。

多維新聞によると、米國の民間會社が1月30日に撮影した衛(wèi)星寫真には、中國がパンゴン湖畔に配備した多くのミサイルが寫っていたが、2月16日に撮影された最新の寫真では、中國軍の車両數(shù)重大や建築物も撤去され「空地狀態(tài)」になっていたという。

ジル教授は、中國側(cè)が2020年6月の衝突による犠牲者を発表したことは「さらに大きな一つの努力の一部分である可能性がある」と説明。さらに、「中國はそのために「（民衆(zhòng)の）愛國主義による支持をかきたて、同時に現(xiàn)地でのインドとの対峙を継続する決意を示した」との見方を示した。（翻訳?編集/如月隼人）